煩悩の犬は逐えども去らず

 Loukia Papadopoulos 記者による2019-10-30記事「There Was a Robot on the Raid to Kill ISIS Leader, Claims Trump」。
   狭いトンネルに逃げたアルバグダディを、自爆ヴェストの巻き添えにならずに殺害する手段として、襲撃した米軍は小型ロボットも用意していたようだが、バグダディの逃げ足においつけないスピードしか出ないものだったので、けっきょく使用は見合わせたようだ。

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 Kyle Mizokami 記者による2019-10-28記事「The Helicopters That Made the U.S. Army’s ISIS Raid Possible」。
      バグダディの捕殺隊が用いたヘリコプターは、陸軍の第160特殊作戦航空連隊、俗称ナイトストーカーズに所属する、MH-60とMH-47であったと思われる。
 どちらも、空中受油プローブ付き。

 MH-47には、側面ドアに7.62ミリのミニガン(ガトリング銃)があり、前方の地形を全天候で可視化できる低空飛行用の赤外線カメラも備える。

 襲撃隊員は、陸軍デルタフォースに、じゃっかんの陸軍レンジャーが加わっていた。

 NYT報道によれば、CIAも人を随伴させていて、現地の地上で襲撃隊に情報を提供したという。たぶんトンネル情報か。

 ヘリコプターは全部で8機だった。

 第160連隊は、1979のテヘラン大使館救出作戦の大失敗の教訓後に創設された。
 中核戦力は、特別なスキルを有するヘリパイロットたち。いずれも第101空挺師団の中から選ばれた。
 これが「タスクフォース160」(連隊規模)となった。いまでは、パイロットのソースは101空挺師団には限られていない。

 MH-60L/Mも、MH-47も、KC-130から空中で給油される。

 MH60-Lには襲撃隊員を最大12人乗せられる。
 固有燃料タンクは185ガロン×2だが、レーダーやFLIRやジャマーなど、他のブラックホークが積まない装備を満載するので、すぐ燃料は足りなくなる。だから空中受油は必須。

 MH-60も、左右ドアにミニガン(6銃身)を1門づつ置く。

 以前にはMH-60Kというのがあったが、新しいMH-60Mができてから、退役した。

 MH-47はクルー5名なので、最大で4門の自動火器で武装できる。たとえばミニガン×2と、M240中機関銃×2。

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 Daisy Hernandez 記者による2019-11-1記事「The Brilliant Hack Doctors Used to Free a Kid’s Tongue from a Bottle」。
    瓶の細口にもし7歳の子供が舌を突っ込んでしまって、それがコルク栓のように抜けなくなったら、ワインボトルのコルクを抜くときに瓶の中に空気を注入して内圧を高める器具を、カニューレ(套管状器具)といっしょに用いて、ビンの中に空気を送り込んでやれば、楽に抜き出せる。

 ドイツの事例。少年の舌は長時間の虚血のため毛細血管にダメージを受けていたが、それは2週間で治ったという。

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 Daisy Hernandez 記者による2019-10-30記事「7 Amazing Facts About Jellyfish, the Aliens of the Ocean」。
   クラゲは最も古い多細胞有機物であり、その出現は恐竜にも先行している。すくなくとも5億年前だ。

 クラゲは1000種類以上あるが、そのひとつは、不死身で知られる。生まれたときのポリプの姿に逆行して行くことができるのだ。これはたとえば人為的にいじめてやると、起きる。

 そしていったん退行したポリプの姿から、ふたたび成長をやりなおし、ついには、遺伝子的には元のクラゲと同じ子孫を、大量に複製・放出するにいたる。

 クラゲは死んでも人を刺すので要注意。
 2010年に、ニューハンプシャー州の海水浴場で、大量の大型クラゲのために150人が刺された。
 そのクラゲ群は除去されたが、千切れた腕がなお漂っていて、それがまた人を刺した。だいたい、死後3~4日は、刺胞が活性を保つようである。

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  Eric Spitznagel 記者による2019-10-29記事「Where the Filthy Things Are」。
    1980年代、ローティーンの少年にとって、ポルノ探しは、石油掘りと同じだった。家の中で、父親の秘密の隠し場所を掘り当てない限り、見られなかった。
 だが今は違う。ネットで見ることが可能になった。

 2018年、ポーンハブは、4403ペタバイトの信号を送り出した。ペタバイトというのは、テラバイトのひとつ上だ。テラバイトのひとつ下はギガバイトだ。

 われわれ人間の脳ミソは、2.5ペタバイトのメモリーデータしかストアしてはおけないらしい。それと比べてみてほしい。

 ポーンハブの副社長によると、同サイトは、総量として11ペタバイトのコンテンツを収容しているという。

 ポーンハブのサーバーは長時間ダウンしたことがない。過ぐる3月、フェイスブックとインスタグラムが24時間弱にわたりダウンしたとき、ポーンハブを視聴するトラフィックが19%増えた。

 ポーンハブのサーバーは100個前後あるという。これは5年前とくらべて、規模が10倍に増強されたのである。ひとつのサーバーにはコアメモリーが24個以上ある。

  石油に関しては「ピークアウト」がいつも言われる。ではポルノ動画に関してはピークアウトはあり得るのか? 11ペタバイトでもユーザーは満足できないのか? ひとりで11ペタバイトを視聴するには、石器時代から現代までの時間7000年が必要なのだが……?
 ※後半、すでにアクセス不能になっている古いエロ動画資料を、後代のためにぜんぶ保存しとこうじゃないかというまじめな運動の紹介がなされている。それは有意義だが、ざんねんながら、CG合成技術+VR技術の進歩の前に、需要が急速に、ほとんど無くなるであろうと予測する。そんなことより大事なことがあるんだよ。POV動画を撮るときにカメラがグラグラしたり、距離が近すぎて絵が歪んだりしてるだろ。あんなものをなぜ今の今まで改善できないでいるんだ? もっと高い位置にカメラを吊り下げられて、しかも、しっかりと安全に固定ができる、軽量で折り畳めもする、可搬式のカメラマウントシステムが必要なんだよ。男優に手持ちさせるなんてもってのほかだ。そんなことをやっているからクオリティが低迷しているんだ。POVというのは、目の位置が男優と同じであることを意味しないんだ。そんなこともわからねえのか。人間の目は脳の処理機能と一体だから、脳と一体でないカメラには同じ効果は出せないんだ。違う工夫が必要なんだ。この、狭い室内でも使える、宙吊りカメラマウントシステムを先行して洗練できたメーカーには、世界規模での市場独占も可能なはずだよ。安全対策のバックアップとしては「釣竿」が有効だ。これは助手が手持ちして、テグスをカメラと結んどく。万一、カメラが落下しそうになっても、ぜったいに人の上には落とさないようにするんだ。いうまでもなく、監督は、カメラのファインダーをのぞかなくとも、写り具合をリモコンモニターで確認できなくてはならない。たったこれだけの工夫だぞ。