フロントグラス下縁のワイパー軸周辺に、深夜でも融雪氷を堆積させず、あるいは朝に簡単に除去できるデザインが可能なはず。なぜそこに工夫が無いのか?

 ストラテジーペイジの2019-12-4記事。
     11月にロシア政府が公表した、コスモドローム=極東ヴォストチニィ宇宙センターの建設工費横流し事件。
 この巨大施設の整備は9年前にスタートした。いまだに完工してない。
 総工費は計画を超過し、50億ドルに迫っている。
 このたび58名が処罰されたが、この者たちは1億7200万ドルを着服したという。ロシア政府はその金額のうち32%を、海外で資金洗浄される前に回収できた。

 ピンハネは、たとえば指定の規格より低い規格の資材を発注することで、浮かせた差額を中抜きするというやり方だった。

 どの資材かというと、たとえば同施設内の第二番目の、ロケット発射台のコンクリートである。発射台が欠陥の低規格品では話にならないので、けっきょく全部を破砕して除去し、コンクリートを打ち直さねばならなかった。

 給与台帳の偽造もなされた。じっさいより多くの作業員を雇用したかのように、また、じっさいよりも長時間働かせたかのように、帳簿へは記載をしておいて、国からその分の水増し人件費を受け取った。
 資材の架空発注もなされていた。

 ロシアの会計検査院にいわせると、こうした不正が起きるのは、プロジェクトを秘密にすることがそもそもの原因である。

 西側では、公共工事の予算の詳細を誰でも閲覧することができるから、露骨なイカサマはすぐバレるのである。

 ヴォストチニィでは軍用ロケットは扱わない。そこは民間衛星の打ち上げ施設なのである。にもかかわらず建設工事の進捗については予定が秘密にされている。見通しが不明なのでは、海外の潜在顧客も惹き付けられない。いったい誰が得をするんだという話だ。

 よほどたくさんの顧客がつかないと、新スペースセンターは黒字にはならない。ところが親方ロシアの半官営だもんだから、誰も、外国企業から見たときのイメージなど気にしない。
 けっきょく、ロシア政府が願った宣伝とは逆に、ロシアはあいかわらず昔のロシアにすぎぬという悪印象が、世界にひろまってしまった。

 ヴォストチニィは全面的に機能していないわけではない。2016年前半に1基のソユーズを使って3機の民間衛星投入を成功させている。部分的に開業しているのだ。
 建設汚職は2つめの発射台の工事に関して起きた。この2つめの発射台が2020年に完成すれば、ロシア国内の衛星打ち上げの半数近くを、ヴォストチニィからできるようになる。

 かつてロシアの中心的な宇宙基地バイコヌールはカザフスタン内にあって、カザフの分離独立後は、おもしろくなかった。それで、満洲のすぐ北に位置するアムール州に、新宇宙基地を創ったのである。それがヴォストチニィ。
 そこは冷戦時代にICBM基地だったが、1993のSTART条約により閉鎖された。

 ヴォストチニィは年間、曇る日が50日強しかなく、強風や地震とも無縁だとされている。

 ロシアの軍用衛星の多くはプレセツク基地から打ち上げられている。そこは北極圏に近く、気象環境もよくはないが、高緯度をカバーする傾斜角で周回する衛星や、極軌道の衛星、長楕円軌道の衛星の打ち上げには適している。