CLIFF VENZON 記者による2019-12-5記事「US investor bids to keep China out of Philippine shipyard」。
スビック湾にある最大の造船所がこのままだとシナ人に買収される危険があるため、米国の「セルベラス・キャピタル・マネジメント」社と豪州の造船会社「オースタル」社が手を組み、先手を打ってその買収に乗り出す。
造船所はもともと韓国資本の現地会社が保有していたが、13億ドルの借入金が返済できなくなり、今年破綻した。
中共が総額450億ドルの投資を比島にするよと口約束したのでドゥテルテは習近平に屈服しているところだが。
韓国資本は2006年からここで造船しはじめ、3万人を雇用していた。
オースタル社は、再建したら、軍艦と客船を造ると言っている。
オースタル社は、比島海軍のために、6隻の警備艇、計6億ドルの受注を競っている。その資金については豪州政府が面倒をみてもよいと言っている。
セルベラス社の会長は元副大統領のダン・クエイルだ。同社は総計300億ドル相当の持株を保有し運用する。その傘下には、米国最大の民間軍事会社「Dyncorp」社も……。
比島海軍のエンペドラド中将は、将来の比島海軍がフリゲート艦と潜水艦を増強するという方針を明かした。
また中将は、オースタル社がこの造船所を運営するようになれば、米海軍や豪州海軍の艦艇の修繕もスビックでできるようになるとも語った。
つまり、比島に、米豪海軍のプレゼンスが、常態化するのだ。1992の撤収いらい、米軍は対イスラムテロ作戦以外では比島にかかわっていないのだが。
破綻した造船所に中共資本を入れるという話は、フィリピン海軍が反対を表明したために、フィリピンの貿易産業省も、てのひらを返すしかなくなった。
スビック湾内にあるグランデ島の所有者も、中共の三亜グループによる2億9800万ドルのリゾート開発投資話を蹴るしかなかった。比島政府が反対したので。
中共企業は、比島北部のフガ島にも注目し、20億ドルを突っ込んで開発したいと言っている。エンペドラド中将は、そんなことになる前に、比島海軍がそこを基地化せねばならない、と言っている。
※この記事に添えられた写真の背景がスビック湾を囲む山地なのだが、広い範囲がハゲ山のように見える。90年代のピナツボ火山噴火の降灰被害からはもう30年近くも経つはずなのに、いったい、どうして……?
次。
Frank Swain 記者による2019-12-6記事「Buyer beware of this $1 million gene therapy for aging」。
人体の中には、永久に若返り続ける=分裂し続ける細胞がある。たとえば腸の内壁。
そうした細胞内にはテロメラーゼ=DNAの不死化を促す酵素が高濃度に存在する。
これを使えば全身の細胞の老化時計も止められるのではないかというのでネズミの実験がなされており、たしかに効果があった。
しかしさすがにそれを人間で実験しようとする者は、表立っては、少なかった。
米国内ではFDAがうるさいので、その規制がない南米のコロムビア等で、テロメア治療=遺伝子治療 を実験的に進めている者もいる。
このたび、誰でも100万ドルを支払えば、テロメアを1本注射してやるよという会社が米国内に現れた。
より正確には、テロメアそのものを注射するのではなくて、テロメアを逆転させる転写酵素を被験者の細胞に製造させる引き金となるウィルスを注射する。
その前に、有償実験台(人間モルモット)も募集するという。
もちろん、それを注射されることにより、被験者に、どんなことが起きるか、誰も知らない。
識者からの警告。65歳以上の者がそれを試せば、癌になっていない細胞が急に癌になってしまうかもしれない。リスクは計り知れない、と。
あるスペインの研究者は、ネズミ実験では発癌は見られなかったと言っている。
すでに90歳のばあさんと79歳のじいさん(どちらも米国籍)がこの実験に志願し、莫大な代金を得ているという。実験は2020-1月第2週からスタートする。
問題は、アルツハイマー患者に、そういう被験者になろうという、あるいは、その治療を受けてもよいという、正しい判断が果たして本当にできているのか否か。これからも問題になるだろう。