真珠湾攻撃の1ヵ月前に山本五十六を米軍が爆殺したらどうなるんだという話。

 Anthony Dworkin 記者による2020-1-7記事「Soleimani Strike Marks a Novel Shift in Targeted Killing, Dangerous to the Global Order」。
   ソレイマニの爆殺に用いられている理屈は、「ウォー・パラダイム」。あたかも、米国が他国と戦争中であって、その敵将を殺害するのは当然だという理屈を、対テロ作戦に持ち込んだ。

 2013年にオバマ大統領は、戦場とはいえない場所でテロリストを殺す場合には、そのテロリストが、他者の人命に対する継続・急迫した脅威源になっているという条件が必要だという基準を導入している。それが今回、撤回された。

 1986に西ドイツのディスコがリビアの爆弾テロに逢った。その報復として米軍はカダフィ本人と軍事施設を狙って4-15に空襲。それについて国連総会は、国連憲章違反であり、国際法違反だと決議している。

 国連憲章が認める自衛は、他者からの武力攻撃に対する、必要性や均衡性の外見を満たしていなければならない。しかしこんどの爆殺は、その条件を満たさない。

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 ストラテジーペイジの2020-1-8記事。
  北斗衛星群が2019-12に完成し、ことし前半から、全世界向けサービスを開始できる。

 高度3万6000kmの静止軌道に6機と、高度2万1800kmの周回軌道に24機。
 
 2019に中共は軌道上に30個の衛星を上げた。これは米国を上回る。他に2機、軌道投入に失敗した衛星がある。成功率98%だ。

 欧州のガリレオは、現役24機+予備6機が揃わないと、完成しない。2020年にはその体制になるという。

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 H I Sutton 記者による2020-1-7記事「U.S. Coast Guard Could Face A Narco Submarine Epidemic In 2020」。
      中南米の太平洋岸から北米を目指す、コカイン密輸用の潜航艇。2018年には35隻、2019年には36隻が、関係諸国の取締り当局によって報告されている。

 コロムビアにおけるコカイン生産量は、2008年から10年間で3倍になったという。

 「ナルコ・サブマリン」と呼ばれる密輸艇の多くは、じつは、真の潜航艇ではなく、乾舷高がほとんど無い、低シルエット半没艇である。このカテゴリーを潜航艇と区別して「LPV」とも称する。

 かつては1隻の輸送容量を巨大化しようとする趨勢があったが、今は、小さい潜航艇を多数建造して送り出す戦術に改まっている。1回の邀撃拿捕で送り手が蒙るダメージを最小に分散するためだ。

 ペルー軍が最近初めてつかまえた密輸潜航艇は、なんと最終仕向け地としてセルビア行きの麻薬を満載していた。コロムビアの太平洋岸の河口を出て、いったんペルー沖まで南下。そこから北転してガラパゴス諸島沖をかすめてメキシコにいったん荷揚げ。そこから欧州へは、さらに別の輸送手段で逓伝される手筈であった。