すくなっ……ゆきすくな……

 ストラテジーペイジの2020-1-12記事。
    米会計年度は9-30で終わったが、果たして米陸軍は、新兵募集目標を、FY2019において達成できたであろうか?
 集計がまとまった。達成できたことが確認された。

 FY2018の陸軍の実績がひどかった(未充足数7000人。かたや陸軍以外の三軍は、ぜんぶ目標達成)ので、陸軍は考えを切り換えてリクルートにとりくみ、それは実を結んだのだ。

 まず陸軍は2019年度の募集目標数を引き下げた。6万8000人だけ募集すると決めた。
 
 次に欠格基準を緩和した。身体不健全、精神不健全、犯歴、心理テストの結果等について、うるさいことはいわぬこととした。

 最大の成功ファクターが、デブの許容だった。肥りすぎていても、ちゃんと高校卒業証書はもっているし、ドラッグはやってないし、逮捕暦もないという人材は、とても多い。そんなポテンシャルがあるのに、肥満体であるというだけで門前払いしていたら、兵隊なんていまどき集められない。

 リクルーターが足りない地域へは、助っ人として、下士官を臨時のリクルーターに任命して、応援に派遣した。
 これをやらなければ、地域担当のリクルーター将校たちにかかる残業圧力が過剰になり、それら将校の離婚率増加にまでつながってしまうということが分かっているのだ。

 地域担当将校ばかりに仕事を押し付けず、しっかり休養がとれるように全体でサポートしてやることによって、プロパーのリクルーターも、士気が上がるのである。

 おもしろい統計もある。海外に展開して実戦をしていた部隊からの若年除隊者は、いったん市井人となっても、また軍隊に志願して、戻って来てくれる率が高いのだ。その逆に、苛烈な実戦とはほぼ無縁なヒマな配置で軍隊生活を過ごしてから辞めた兵隊は、除隊したら、もう、軍隊には入りたがらない。