恵山の旅 2018-5-1

(2018年5月20日に旧兵頭二十八ファンサイト『資料庫』で公開されたものです)

(兵頭二十八先生 より)

 今年のGWは、好天と言えたのは5月1日だけだった。週間天気予報にて「今日しかない」と確信したわたしは豚児を連れて、個人的未踏峰の「恵山(えさん)」へ向かったのである。
 恵山と、青森県の恐山は、地下でマグマ脈がつながっているという。

 途中、砂浜にある「なとわえさん」という「道の駅」に立ち寄り、ペットボトルの水などを調達。
 つつじ山を通り過ぎて、急勾配の車道を進み、「賽の河原」駐車場に駐車。舗装された道はここまでだ。
 よくわからんが、ここが「権現堂コース」の起点なのだろう。10時39分から徒歩開始。(1)の写真の手すり付き階段を上り、整備された歩道を進む。

 急坂にさしかかる前の緩傾斜の火口原を「賽の河原」と称している。標高300m。写真(3)や(6)が、低い視点からの眺め。
 この荒野のあちこちに石仏が立てられていて、遠目には人間の婆さんかなにかのように見えるのでギョッとさせられる。写真(5)はそれを望遠で撮ったものだ。
 (27)は「賽の河原」の一部を俯瞰したもので、遊歩道がナスカの地上絵のように見える。

 登山道は、道標や穴ぼこよけの柵など、よく整備されていて、樹林も下草もなく、迷いはしない。けれども、歩道の真ん中に巨大な岩石が幾つも落ちているのは気になる。どう考えてもこの山は落石名所だろう。
 それと、階段にした丸太が朽ちてしまい、錆びた固定ボルトの先だけが地面に飛び出ているところが無数にあった。

 往・復ともに数人の登山者としかすれ違わなかった。晴れた春の休日にこの人出とは、勿体ないことだ。
 (17)と(19)の写真では、起点の駐車場が遠望できるのが分かる。
 写真(20)では、眼下に恵山岬の灯台が見える。

 写真(21)は、真新しいエゾ鹿の足跡。こやつは8合目くらいまで登山したと思しい。
 自分の足を確認すると、膝から下が薄く黄色く変色している。特に靴の先が……。風化した硫黄の塵のせいだ。

 海抜618.1mの山頂には11時30分に着いた。すなわち権現堂コースは、体力の無い子供連れでも、片道が1時間10分である。
 写真(24)は山頂付近の避雷針のようなもの。
 終始、風が無い日で、助かった。恵山は海際の山だから、風次第ではえらいことになるだろう。
 山頂やや近くに鳥居と祠のようなものがある。(人が写り込んでいるため写真割愛。)
 (26)は下山開始直後に振り返って撮った山頂付近。

 元の駐車場に戻ったのが12時36分着。いろいろ差し引くと、下りは1時間弱というところか。

 そこから自動車で、道の駅「なとわえさん」の向かいの「ローソン恵山海浜公園店」へ。昼飯を調達。同店内のイートインコーナーの窓からは、行ってきたばかりの恵山山頂が見える。

 往復わずか2時間の適度な運動量で、いかにも火山らしい風景に浸れてしまう「恵山」。天候がよくない日だとお奨めできないが、この非日常的な観光資源は、もっと開発の余地があるはずだ。

恵山の旅(1)

恵山の旅(2)

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