COREY DICKSTEIN 記者による2020-3-2記事「Pacific commander picked as next top Air Force general would be first black military service chief」。
次期空軍参謀総長として、黒人のチャールズ・Q・ブラウン・ジュニア大将が指名される。就任すれば、米四軍史上初の、黒人の制服組トップとなる(湾岸戦争当時のコリン・パウエル統合参謀本部議長――1989~1993――は、じつは、その前に陸軍参謀総長に就いたことはない。もちろん閣僚としての国務長官は文官でなくてはならず、そのときは退役していた)。
いまの空軍参謀総長のゴルドフェィンは、この夏に勇退予定。ゴルドフェインは2016-7から現職。
ブラウン大将の今のポストは、インド洋~太平洋域の空軍の司令官である。
彼は1984年にテキサス工科大学を卒業した。在学中から空軍のROTCを受講していた(奨学金とひきかえに卒後の任官を契約する仕組み)。
ブラウン大将は、F-16戦闘機パイロット出身。対IS作戦や、アフガニスタン作戦を指揮したこともある。ヨーロッパやアフリカの経験も積んでいる。
軍歴34年のブラウンの飛行時間は3000時間弱。F-16の他、十数種の航空機を操縦したことがあり、その中にはオスプレイも含まれる。
2016-7から2018-7のあいだ、セントコム司令部において、彼はナンバー2の将官であった。
これから、連邦上院での承認手続きが、必要である。
次。
ストラテジーペイジの2020-3-3記事。
トルコは、イドリブ県全域を支配しようとするシリア政府軍に反発して越境攻撃に出ている。在シリアのロシア軍は、いまのところ、トルコ軍と直接対決するつもりはない。
過去4日、トルコは2個旅団を越境させ、空からは武装UAVとF-16で猛爆中である。
トルコ軍は、これまで100両以上のシリア政府軍のAFVを破壊したと主張している。
またシリア軍の「スホイ24」×2機、ヘリコプター×8機も破壊したと。
空爆戦果のほとんどは、トルコ製の低速・低空UAVから投射された、トルコ製のヘルファイアもどき、もしくは、GPS誘導爆弾が、挙げているという。
※陸自はかんぜんにトルコにも後落したね。
F-16と、トルコ軍保有の武装ヘリは、少数機が出動しているだけである。
トルコが公表しているビデオの中には、ロシア製のパンツィール防空戦車(レーダーとSAMと30ミリ高射機関砲装備)を、見通しのよい砂漠で、いともかんたんにUAVが上空から狩っている様子が映っているものが複数ある。ロシアがシリア軍に与えているECM/ECCM器材は、役に立っていないことがわかる。
トルコは、シリア政府軍が、前にロシアによる斡旋で合意しているイドリブ県内の一線まで戻ることを要求している。
イドリブ県における停戦合意は2018後半になされている。
イランは、トルコに対して、戦争するならシリア政府を支援するぞと脅している。
じっさい、1発の弾道弾を脅しの意味で発射している。それは現地のトルコ軍の近くに落下した。
今回の作戦のきっかけは2-27にロシア軍機の投弾により33人のトルコ兵が死亡した事件。これでトルコ人が怒った。
2-27の空爆は、2機のシリア軍の「スホイ22」と、2機のロシア軍の「スホイ34」によってなされた。トルコ兵が舎営していたビルと、トルコ軍のコンヴォイが、爆破された。ロシア側の言い訳。トルコ兵の所在が、イスラムゲリラとごたまぜだったので、区別つかなかったと。
トルコ政府は、国境から30km向こうの土地が重要だからと説明しているが、トルコ国民はそんな説明は重要ではないと思っている。報復でシリア人をたくさん殺してやることが重要なのだ。
今月だけでもシリア領内で54名のトルコ軍将兵が死亡している。すべてロシア軍機の空爆による。
いまのところ、ロシア軍は、越境してきたトルコ軍との直接交戦を避けている。
トルコはまた、EUが、難民対策費をもっとくれるまで、2万人以上のシリア難民を、西欧域内に向けて放出し続ける方針である。
東トルコにはいまもNATOのペトリ部隊が駐屯している。
国連は、ロシアとアサドを戦犯訴追しろと言い出した。シリア国内で民間人を殺しまくっているので。