なぜ「屋上ライブ」を考えつかなかったのか……?

 アップルビルの、あの方式でいいじゃん?

 これから、関東以南で都市の再開発をできる場合は、中心の大面積のビルを、わざといちばん軒高が低くなるようにするといい。
 そしてその周辺のビルは、中心から離れたところほど、軒高を増していくようにすれば、街全体が、コロシアムになるだろう。

 その中心ビルの屋上でのパフォーマンスを、周辺のビル屋上から、疫病学的に安全に、人々が見物することができるはずだ。

 積雪地方じゃ、無理だけどね……。

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 James Temple 記者による2020-3-31記事「Ventilator firms are racing to boost production as the pandemic accelerates」。
     今の新コロが、もし1918年のインフルエンザのように流行するとしたら、全米で74万個以上の人工呼吸器が必要となるだろう。しかし2月の時点で米国内には17万個の人工呼吸器しかない。

 NY州知事クオモは、これから数週間内に3万の人工呼吸器が必要になると言っている。

 世界屈指の人工呼吸器メーカーであるメドトロニク社。本社はアイルランドのダブリン市だが、主な稼ぎ場は米国内だ。同社は3月18日に、生産量を4割増やしたと公表。
 さらに社長のオマー・イシュラクがNBCに先週答えていわく、同社の最高モデルを、バッファロー市にあるテスラ社のソーラーパネル・プラントでこれから量産してもらうつもりだと。に

 そして3-30に表明。メドトロニク社は、同社のひとつの人工呼吸器の設計図を世界に向けて公開すると。大英断である。

 これはポータブル型の人工呼吸器で、すでに世界35ヵ国に輸出しているタイプだという。世界のメーカーが大急ぎでこれを生産すればいいと。

  ※賢明なる読者にはいまさら説明は不要と思うが、人工呼吸器(ヴェンティレイター)は、飛行機の天井から降りてくる酸素マスクや酸素チューブのようなものとはまるで別次元のメカメカしい生命維持装置だ。医師による気管内挿管が必要で、素人が扱えるマシンではない。「強制呼吸維持装置」とでも訳した方が正しいニュアンスが伝わるんじゃないかと思う。

 メドトロニク社としては、これが10年前の設計であって、最新・最高性能のものではないから、図面を公開してもいいだろうと判断をしたようだ。

 ※今後、各国政府がすべきこと。急性肺炎をともなう感染症がアウトブレークした場合に、即座に全国の町工場を動員して、急速製造ができるような簡易型の人工呼吸器の、設計図だけでも平時から準備しておくこと。その部品の多くは、ガレージの3Dプリンターでも出力できるように考慮することだ。

 3-30にはフォード社もアナウンスした。これから100日のうちに、5万個の人工呼吸器を製造すると。さらにその後は月産3万個にもっていくと。この事業は、人工呼吸器メーカーである「GEヘルスケア」社との協働である。

 また、MITやミネソタ州立大学の研究者たちは、オープンソースで低廉な人工呼吸器の設計図を作って公開するつもりで、すでに作業に入っている。

 もっと単純で原始的な呼吸介助装置の設計図は、すでに多くのアマチュアの工作家たちが、ネットで公開している。

 米国保健省は、このような緊急局面では、急速増産されて供給される医療器材について、あまりうるさい基準を押し付けない方針も打ち出した。

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 Beth Mole 記者による2020-4-4記事「Face masks for COVID-19: A deep dive into the data」。
      『ランセット』がうまいことを言っている。「エビデンスがない」ことは、「なにもないことのエビデンス」ではないと。

 全員マスク着装の効果について大規模な科学的調査はなされていない。しかし、全員マスク着装を勧める政策を支持するささやかなデータならあるのだ。

 ※トランプは4-3にただのマスクの推奨をしたわけではない。「布製マスク(cloth masks)」をしなさいよとアナウンスしたのだ。すなわち、マスクに関しては米国政府が日本政府の政策に追従しているのである。

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 Stephen Biddle and Tami Davis Biddle 記者による2020-4-3記事「Wartime Lessons for Industrial Mobilization in a Time of Pandemic」。
        真珠湾攻撃の半年後、ヒギンズ造船所は、材料の鉄鋼が得られないために、数ヶ月前に海軍と契約を結んだ輸送船の受注をあきらめるしかなくなった。『NYT』はそれを報じて、なんで契約時点で、鉄が無くなるということが予想できなかったんだ? と書いた。

 こういうことなんだ。材料のスクラップと労働者が、全体ではたくさんあるのに、戦争勃発にともなう市場原理により、取り引き価格が大変動し始めて、少しでも高値のところを求めて右往左往し、停滞していた。だから政府が介入しなければならなかった。

 緊急事態で緊急需要が発生したとき、民間の市場原理に任せておくと、ヒギンズ造船所のようなトラブルが起こるものなのである。

  ※貨物コンテナのドンガラの中に、隔離居住施設や人工呼吸器施設を設けた、移設の簡単にできるシェルターを量産しておく。それを平時は、苫小牧工業団地や鹿児島県のどこかの海岸のような、そこから太平洋岸へも日本海岸へもかけつけ易い立地の港(ガントリークレーンは必須)に、大量に山積みに蓄積しておく。パンデミックが発生したら、需要に応じて太平洋岸や日本海岸へ高速コンテナ船でそれら運ぶ。こういうシステムを、これから計画するべきだ。このような医療シェルター・コンテナが規格化されて量産されていれば、民間におびただしくあるコンテナ船そのものを、臨時の「特設病院船」にすぐにも仕立てられる。コンテナ船は高速だから、かけつけも早い。必要とあらば、トラックによるコンテナ輸送と接続し、任意の空き地に、そのコンテナを積み上げ、「コンテナ病院団地」を一夜城のように急設することもできるわけだ。未知の事態が起きたときの融通性において、コンテナ・シェルター方式が、断然にすぐれている。

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 Jack Detsch 記者による2020-4-3記事「Navy Brass Felt Blindsided by Fired Carrier Captain’s Emailed Appeal」。
     勇気ある空母艦長をクビにした海軍長官(文官)のトマス・モドリーに、米海軍内外から夾叉弾落下中。
  ※典型的なアメリカ映画のエリート悪役面なのが損してますよね。

 『フォーリン・ボリシー』が入手した情報では、『TR』艦長ブレット・クロージャー大佐は、書簡を公表する前に複数回、ちゃんと上官と相談していたと。

 4-3までに、クロージャー大佐を艦長に復職させろというオンライン署名が、9万通近く、集まっているそうである。

 モドリーは、艦長が20~30箇所に、あの手紙のコピーをメールして世間への拡散を狙ったのが、気に食わない。モドリーは、クローザーと直接電話で話し合ったことはない。しかし、そうしたかったと言っている。

 批判者いわく。艦長はあの手紙によって、『TR』が作戦できない状態になりつつあることを敵にバラしたのであり、それは許されないと。また、50人の水兵が死ぬことになるだろうと示唆したのは、プロ軍人としては感情的すぎるだろうと。

 モドリーは右翼コメンテーターのヒューイットに語っている。『TR』の乗員のうち140人は新コロ陽性だと。

 モドリーは、艦長を解任する決定を、4-2の朝にした。
 そしてその日一日、エスパー長官やホワイトハウスの上級スタッフ、連邦議会の大物議員たちへの事情説明に費やした。

 下院軍事委員会の委員長、アダム・スミスは、艦長解任が公表される前に、モドリーから説明を受けている。

 海軍内部の者いわく。もし一艦長が、第七艦隊や太平洋艦隊の上司をすっとばして直接に海軍長官に電話をかけたなら、その瞬間、その艦長のキャリアーは、おしまいだ。拳銃自決か、首吊りを覚悟しないと、そんなことはできない。

 ちなみにクローザーは海軍から追放されたわけではない。艦長職だけが解かれたのである。※昔の帝国海軍なら、とりあえず軍令部附、というところか。

 ※軍艦のダメージコントロールの概念が、今年からは変わると思う。すべての軍艦は、基礎的なダメコンのファシリティとして、50人規模の「検疫隔離スペース」「発症者隔離スペース」「人工呼吸器」を最初から備えるべきだ。その軍艦が10隻あつまれば、500床の病院船機能を果たせる。

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 WYATT OLSON 記者による2020-4-3記事「Coronavirus quarantine awaits hundreds of Pacific Pathways soldiers heading home to Hawaii」。
   米陸軍・第25歩兵師団の1400人弱が、「パシフィック・パスウェイ」の一環として、2月にタイ入りし、タイ軍との「ハヌマン・ガーディアン」演習を3-30からやったのだが、それが終わって米本土の原隊へ戻る前に、ハワイで14日間、隔離される。

 2月26日から3月6日まで、「コブラ・ゴールド」だった。そこから場所を変えて「ハヌマン・ガーディアン」をやった。

 1440名が参加したが、そのうち1350人がこれからハワイへ。

 演習相手のタイ軍部隊内には新コロはまったく流行していなかった。毎日、健康チェックしていたが。

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 2020-4-3記事「How sewage could reveal true scale of coronavirus outbreak」。
  この記事によると、人間の糞便中にも新コロのRNAが検出されるのであり、しかもそれは、感染から3日にして早々と現れるのだという。たがって、下水をチェックしていれば、地域の感染をいちはやく察知できるはずだだという。
 ※それは手洗いの水と混じっていないと言えるのかい?