今後は豪華客船の設計にも、最初から「50人分の検疫隔離可能スペース」や「50人分の伝染病患者入院スペース」等の設置が義務付けられるようになるのではないか?

Markian Hawryluk 記者による2020-4-6記事「Heart Damage in COVID-19 Patients Puzzles Doctors」。
  新コロ重症患者は、肺のダメージのみならず、心臓も故障させて、心停止により死亡する症例が有意に多い。なぜ心臓なのか? 心臓・循環器専門の医師たちは悩んでいる。

 中国、イタリア、ワシントン州、ニューヨーク州からの報告データを検討した限りでは、どうも新コロは、呼吸器系細胞だけでなくて、心筋にも感染するのだと考えざるを得ない。

 これらのサンプルでは、新コロの患者5人のうち1人は、心臓を、新コロウィルスでやられてしまっている。中には、呼吸困難を少しも訴えていない人が、心臓が止まって死亡してしまったケースもあるのだ。

 本当だとすると、今後は、新コロの感染初期段階の患者たち全般に対する措置を、ガラリと見直す必要が出てくる。

 心臓系の既往症がある人への注意喚起が必要だし、病院には循環器系の救命装置を増やす必要が出てくるし、新コロから回復した人々の心臓ケアのプランを考えてやる必要もある。

 早急に解明せねばならんこと。心臓を止めてしまう犯人は、新コロ・ウィルスそのものなのか、それとも、新コロに感染したことに免疫が反応したことによる患者じしんの副生物のせいなのか。

 この見極めは、簡単な話ではない。感染後の全身症状の悪化が、間接的に心臓を止めることだってあるからだ。
 肺炎をこじらせて死んだ患者だって、最終的には、やはり心臓が止まって死ぬわけだ。
 もし肺から血液を通しての酸素供給が細れば、心臓システムも窮地に立たされるのは当然だし。

 心臓はさまざまなところからモロに影響を蒙る。たとえば腰の手術を受けた患者の心臓は、そのストレスだけでダメージを受けてしまう。

 また、肺炎は、全身に炎症を起こさせる。それが動脈中の血小板を不安定にし、それが心臓発作の一因にもなる。
 炎症は、心筋炎にもつながる。心筋炎は心筋を弱め、ついには心不全を結果する。

 だが複数の専門家は強く疑っている。新コロのウイルスが、心筋に感染し、直接に悪さをしているようである、と。

 これは一理ある。というのも、肺の細胞中に存在する「受容体(レセプター)」と同じ受容体が、心筋細胞の中にもあるからだ。

 早くも3月にシナ人ドクター複数は、新コロ患者の中に心臓を悪くしたケースが見られると報告していた。

 そのひとつの報告。416人の新コロ入院患者のうち、19%は心臓にダメージが見られる。その19%の患者のうちの51%は死亡してしまった。
 かたや、心臓にダメージが見られない新コロ患者の死亡率は4.5%なので、大差がある、と。

 新コロに罹患する前に心臓の病気をしていた者は、新コロに罹ると、また心臓を悪くしやすい。

 他方、以前に心臓関係の既往症が皆無だった人も、新コロに罹ると、心臓にダメージを負うケースが見られる。

 現段階の統計事実。心臓疾患の既往症があるけれども、このたび新コロにかかったときには心臓ダメージは生じなかったという人は、かつて一度も心臓疾患を経験したことがなくて、新コロにかかったことで初めて心臓をやられたという人よりも、死亡率は低い。

 ※これは何を意味するかというと、今後、生命保険に入るときに「あなたはこれまで、新コロに罹ったことがありますか?」という質問に答えなくてはならなくなるだろう。なぜなら、新コロに一度でもかかれば、その人は生涯にわたり、心臓病で倒れてしまう確率も高まると予測されるからだ。従来、日本人の死亡原因に占める心臓病の順位は低かった。今後は、アメリカ並に高くなるかもしれない。ますます、低コレステロール(=油絶ち)の食生活が推奨されるはずだね。わたしゃじぶんが厨房当番のときには一切油を使わない創作料理をすることに徹しているが、そのせいで換気扇に油汚れが全く付着せぬようになった。これを見ただけでも、今までの料理本のレシピはぜったいにおかしい、健康に好いわけなかった――と痛感致すのであります。

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 Theresa Machemer 記者による2020-4-8記事「Researchers found that almost half of the mountain lions they tested showed signs of plague infection」。
     イエローストーン国立公園の野生クーガー(ピューマ、山ライオン)を9年間調査したところ、個体の半数近く(43%)が、過去にペスト菌(バクテリア)に感染していたことが判明した。

 静かに死んだクーガーを調べてみたら、原因は餓死じゃないと分かったのが、調査のきっかけ。

 このペスト菌は、1300年代なかば、欧州で2000万人を斃した黒死病=腺ペストの原因細菌と同じものだ。
 しかし今日、合衆国内で腺ペストに罹患する人は毎年7人くらいしかいない。

 このバクテリアは、もともと土中に住んでいる。それが、蚤によって、野鼠などの齧歯類へ乗り移る。その齧歯類から、あらゆる動物へ伝染して行く。

 全米では、年に3000頭のクーガーが、なんらかの原因で殺されている。

 2007年、コロラド山ライオンの死骸を解剖して調べていたエリック・ヨーク氏は、そこからペストをうつされ、病死した。

 米国西部では、野生動物との接触に、こんなリスクがあることを知っていなくてはいけないのだ。