勤め帰りらしい男女の客たちがドラッグストアでストロングゼロを買い込んでいるのを見て、人々のストレスを察した。

 MATTHEW M. BURKE 記者による2020-4-20記事「III MEF instructs Marines on Okinawa to prepare for 72-hour shelter in place order」。
     沖縄の海兵隊(第三遠征軍)は20日にフェイスブックで示達した。
 いつでも、命令一下、最速コースで居宅に戻り(その間誰とも接触してはならず)、その自宅で完全にひきこもれる準備を整えよ。72時間分の食糧と水、乳児用調整粉ミルクなどを自宅に備蓄しておけ、と。

 「シェルター・イン・プレイス(居宅籠城)」命令、と呼ぶ。
 もちろん、自宅謹慎中も、指揮系統からの連絡・受令には即応できるようにしておかなくてはならない。

 なお現在、在日海兵隊とその関係者にはひとりの新コロも確認されていない。
 しかしもし感染が発生した場合、直ちに「接触追跡」の調査と空間除染が必要となる。その措置を最も機敏にぬかりなく実施するには、手順として、まず「シェルター・イン・プレイス」命令を出すのが合理的なわけである。

 海兵隊員は「AtHoc」という双方向警報システムに加入している。声電話、テキスト電話、Eメールで上司からの通知が届く。

 4-10には在日海兵隊司令部は非常に厳しい基地外利用制限を発令している。他人宅への訪問禁止、タクシー、バス、電車の利用禁止、ドライブスルーの利用禁止、そして、デリバリーの利用も禁止。

 ※あきらかに中共の「ウィルステロ」のターゲットになっていると自覚して先手を打っている。流石也。

 この命令は、海兵隊員の扶養家族、ならびに、国防総省が雇い上げあるいは契約している民間人たちが、米軍基地の外にある学校や保育施設を利用することをも禁じた。

 嘉手納基地の第18航空連隊も、類似の禁令を20日に発した。
 すなわち、22日以降は、基地外のレストラン、学校、児童館などを利用してはならない。ただし海兵隊員と違って、空軍将兵たちは、いつも利用している基地外のドライブスルーで食い物を買うことは認められている。

 沖縄県のウェブサイトによると、4-19時点で県内に119人の新コロ陽性者が。その中には、嘉手納の空軍軍人2名、その家族1名が含まれている。県内のこれまでの病死者は3人である。

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 CHAD GARLAND 記者による2020-4-20記事「Camp Lemonnier calls on US contractors to leave homes, bunk up on base in Djibouti」。
      ジブチの米軍基地である、キャンプ・ルモニエ。ここが突如として、契約民間人たちに対し、臨時の基地内施設に籠もれ、と促している。基地外の新コロ流行が猖獗をきわめつつあるため。

 この基地には米兵と民間人が5500人いる。先月後半、数百人の地元労働者は、基地への立ち入りを禁じられた。一部の軍人・軍属(罹患疑い含む)はジブチ国外(ドイツにある米軍基地町)へ空輸脱出させた。

 WHOデータによれば、20日時点で、ジブチ領内では846人が新コロ陽性。2人が病死。週末を挟んで300人増えたことになる。

 このままでは基地外の契約民間人約180人は、感染危険が大きすぎるので、このさい、基地内に収容してしまうことに決めたのだ。

 だが民間人たちは引越ししたがらない。基地から街までは4マイルもあるし、
 自宅を開けていたら、強盗に入られ放題になってしまう。じぶんの家族親類からも切り離されてしまうのだから。

 しかもその収容先というのが、2人部屋~3人部屋で、トイレ共同。それでソーシャルディスタンスが確保されるのか?
 ただしこの居住環境は、基地の軍人たちも、ほぼ同様なのである。

 ジブチには中共の建設労働者が多数存在する。そして1月には同国内での新コロのアウトブレークが疑われている。

 スペイン軍の特殊部隊の兵士が先月、ジブチに赴任したのだが、すでに新コロの症状があった。陽性確認されている。

 3月22日には、基地外住みの関係従業員である地元民1200人以上が、基地への出勤を差し止められた。また、基地内住みの労務者たちには、公用のなき限り、基地外へ出ることは禁じられた。

 基地では、空きビルを1棟確保して、隔離病棟とし、そこで30床の集中ケアができるように、準備を整えている。
 それは街中にあるわけだが、敷地回りをロープで結界して、住民は近寄らせない。

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 Jason Kindrachuk 記者による2020-4-17記事「A Virologist Explains Why It Is Unlikely COVID-19 Escaped From A Lab」。
     記者は、マニトバ大学の医療微生物学&感染症学部の助教授。

 武漢市の野生動物マーケットで動物サンプルを調べたところ、動物内からは新コロウイルスが見出されなかったという。マーケットの雰囲気中には、新コロウイルスはもちろん見出された。

 湖北省には2019-11時点で既に人のあいだの新コロ流行があった。

 2019-12の武漢動物市場での流行は、すでに、人から人への感染現象であったと考えられる。

 人間の新コロと、蝙蝠のコロナは、ゲノムが96%一致する。
 人間の新コロと、センザンコウのコロナは、ゲノムが85.5~92.4%一致する。

 世界の多くの地域で野生コウモリが食材として販売されている。これを禁じても、関係者の生計がかかっている以上、取り引きが闇市場へ移動するだけだろう。

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 J. Cavanaugh Simpson 記者による2020-4-19記事「The Man Who Beat the 1957 Flu Pandemic」。
     モンタナの農場で生まれたモーリス・ヒルマンは、ジフテリアと大恐慌の経済苦を生き残り、シカゴ大学で微生物学の博士号を取った。

 その後、2つの製薬会社に相次いで所属。25年にわたってワクチン研究をリードした。

 彼は「はしか(麻疹)」のワクチンを初めとして、40種類ものワクチンの開発に関与した。
 はしかの予防注射だけでも年に100万人の命を救っているはずなので、のちに『ニューヨークタイムズ』紙は、おそらくはヒルマンが、20世紀で最も多数の人命を救った科学者なのだろう、と推定している。

 1957年にアジア型インフルエンザが米国で流行し、7万人から11万6000人が病死した(全世界だと100万人死んだという)。
 そのときヒルマンは、ウォルターリード陸軍病院の呼吸器病科の部長だった。

 ヒルマンは、連邦の規則も無視して、最速で、4000万注射分の、ワクチンを量産させた。もし、この敢為がなければ、米国内だけで100万人死亡した可能性があったという。

 ヒルマンは1957-4-17にNYT紙の報道に目をとめた。香港でインフルエンザのアウトブレークがあり、25万人が罹患しているという。それは香港住民の10人に1人という高率だった。

 パンデミックを確信したヒルマンは、米陸軍が日本国内にもっていたラボに電話をかけ、調査を依頼。
 ラボの軍医将校が、どうやらそのインフルに罹っている海軍軍人をみつけ、うがいをさせた。数週間後、その液体サンプルがヒルマンに届いた。
 ヒルマンのチームは毎日14時間働いてウイルスを単離培養。

 ヒルマンは、1957-5-22に、ウォルターリードからのプレスリリースとして、このインフルは9月には北米に上陸する、と警報を発した。それは米国の新学年度のスタート時にあたる。

 米国では1940年代なかばから、インフルエンザワクチンが工業生産されるようになっていた。ヒルマンは6つの米企業にサンプルを送って、ワクチン量産を頼んだ。4ヵ月内に数をそろえなければならないのだ。かつてそんなに速くワクチンが量産されたことはない。

 ファースト・ロットは6月にラインアウトした。ヒルマンが依頼してから数週間後だった。ワクチン接種は7月にスタート。ヒルマンの予測どおり、新型インフルエンザは9月前半に北米を襲った。

 それから3ヵ月のあいだに、4000万人の米国住民がワクチン接種を受けた。

 ヒルマンは2005年に癌で死去している。

 ヒルマンがもし自分の名前を、開発したワクチンに付けていたら、彼はとっくに、ジェンナーやパストゥールのように有名だったはずである。しかし彼はそのような名声を拒否した。
 そのかわり、おたふくかぜの生抗原には、娘の名前「ジェリル・リン」を付けている。というのも、5歳でおたふくかぜに罹った娘の喉を擦って採取しておいたサンプルから、彼は後にワクチンを開発するつもりであったからだ。

 アントニー・ファウチは、ヒルマンの長年の友人であった。
 今日、子どもに接種される14種類のワクチンのうち、9種類は、ヒルマンが創薬に関与した。とてつもない業績だろう。

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 Evan Bleier 記者による2020-4-15記事「Dr. Fauci Says Sports Can Return If Certain Conditions Are Met」。
      ファウチのご託宣。プロスポーツの再開条件は厳しい。スタジアムには客を1人もいれてはいけない。選手は大きなホテルに宿泊させないといけない。選手には毎週、陽性検査をさせること。選手同士のみならず、選手とその家族の間でも、伝染をさせてはいけない。

 ファウチはスポーツファンであり、それらがノーマルな昔に戻ることを切望しているが……。

 ある意識調査の結果、72%の米国人は、新コロのワクチンが完成するまでは、スポーツイベントにはもう出かけない、と回答している。

 いまや、テレビ放送だけが、プロスポーツのよりどころになってしまったようだ。

 ※2021夏は、無観客五輪か、五輪返上か? 選手とりまきたちの「3密」が避けられないのは自明だから、もう答えは出ているようなものではないか。副作用訴訟を恐れる今の役人たちが、新コロワクチンの市販手続きショートカットを認めるはずもない。

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Antonio Regalado 記者による2020-4-17記事「Up to 4% of Silicon Valley is already infected with coronavirus」。
     インテル社などが所在する、シリコンバレーがあるサンタクララ郡。スタンフォード大のチームが、ここで3300人の住民の血液を採取し、新コロ抗体があるかどうかを調べた。

 使用したのは最新キットながら、誤差は50倍もあり得るというのが大前提になってしまうが、感染者のうち死亡する者の率は0.2%じゃないかという結果が、とりあえず得られた。

 このサンプル提供者たちは、フェイスブックを通じた呼びかけ広告に応じてくれた志願者たちである。
 みんな、指を針で刺し、そのサンプルを自家用車で、回収ステーションまで持って来てくれた。判別テストは4月の第一週に、なされた。

 全提供者のうち1.5%の血中から、新コロの抗体が見出された。

 偽陰性の確率も排除できない。それを念頭すると、だいたいシリコンバレーの中心地において、住民の2.5%から4.2%は、すでに感染していると計算できた。
 サンタクララ郡の人口は200万人だから、そのうちざっと8万3000人はもう感染しているのだろう。

 他方、サンタクララ郡内で公式に新コロ陽性と判明している住民数は、950人である。(別な数字が同記事内に。サンタクララ郡が2020-4-17時点で把握している感染者は1833人、死者は69人である。)

 ということは、この米国においては、自治体が把握できている罹患者数の、ざっと50倍から85倍の感染者が、実際にいると考えてもおかしくはないということだ。