紅海方面へ派遣している海自艦艇乗組員の、上陸も交代も新コロ騒ぎで不可能になってしまい、往生している……というニュースを目にしました。
中共海軍はそんなときの場合のために大型病院船に「洋上保養場」の機能を持たせて、OFFの水兵たちをローテーションでくつろがせているようです。いろいろな事情から水兵たちにリアルの上陸はさせられない場合が多いと、彼らは最初から考えて、そんな準備までしていました。
日本にはそのようなフネはありませんので、早急にできることといえば、大型補給艦1隻を、人員交代船に仕立てて、内地からインド洋まで派遣するしかないかもしれません。
『橋立』は、リゾート・シップ(保養船)としても、駆逐艦のまるごと交代要員輸送船としても、容積が不足でしょうしね。
『しらせ』の転用も、いよいよ、考えなくてはならないかもしれません。
次。
Loren Thompson 記者による2020-4-20記事「How Coronavirus Could Permanently Transform The U.S. Military」。
わたしが30年前に国防ビジネスに参入したとき、しばしばワシントンDCの路上でタクシーをひろって、そのままペンタゴンビルの内奧に、誰にも咎められずに入れたものだ。バッヂなんかも付ける必要はなかった。
しかし9.11以降、その流儀でわたしがペンタゴンに入ろうものなら、警備兵の自動小銃で撃ち殺されることは必定だろう。
テロリストたちは今、先進諸国内では逼塞しつつある。が、いちど変わってしまった連邦政府関係施設の警備体制が、昔のように緩められることはないはずだ。
同じことが、「新コロ後」の国防組織文化についても、起きることは間違いない。
在韓米軍将兵は、韓国に派遣される前に、種痘などの予防注射をいろいろとさせられる。北鮮が天然痘ウィルスなどの生物兵器を使う可能性があるからだ。
だが人工的に改変された病原体に対抗するのは、そう簡単じゃないはず。
潜水艦や狭い水上艦には今も「ホット・ラッキング」(ワッチ交代のつど、ひとつの寝床を水兵2~3人で順番に使う。Hot bunking ともいう)がなされることがあるし、輸送艦に多数の兵士がぎゅうぎゅう詰めにされて運ばれることだってあり得るが、新コロの後でも、それができるか? 無理だろう。
戦争の仕事をできるだけ無人兵器にやってもらおうという努力は、これで、加速されるだろう。
「ノーマルシーに戻ろう」と強調したのは1920選挙のウォーレン・ハーディングだった。だが1920年代は、いろいろ、とんでもない時代になった。昔のノーマルは、戻らないのだ。
次。
Charlotte Jee 記者による2020-4-21記事。
フェイスブックが、協力ユーザー100万人以上の自己申告データにもとづく、米国内の新コロ患者密度マップをリリースした。
ソフトは、カーネギーメロン大学がつくった。
フェイスブックのユーザーにして自覚症状(咳、熱)のある者が、それを自覚した場所をソフトに教える。
そのビッグデータを整理すると、ユーザーは、カウンティ(郡)単位で、どこが感染リスクの高い危ない場所かを、知ることができる。
情報は毎日、更新される。
数週間以内に、他の国用のバージョンもできるだろうという。ただし、これは協力ユーザーが多いかどうかにかかってくる。
このデータは医療行政の上で役に立つ。ベンチレーターなどの治療リソースをいちばん必要としている場所がどこなのか、視覚化されるからだ。
マッシヴな陽性判定テストが不可能な今、こういう統計推計が、その代用になるのだ。
もちろん、協力してくれるユーザーが少なければ、その地域に関しては、ビッグデータとしては頼りにはできないことは、いうまでもない。
※近代以前の「村八分」とは、火事と葬儀だけは助けてやる(すなわち、10マイナス2)という意味だと聞いたことがあるが、このごろの新コロ罹患者は、火葬も特別コースらしいし、某地方では家に投石されるそうだしで、「村十分」に近づきつつあるのかもしれないね。
次。
Meghann Myers 記者による記事「The military continues to diagnose more than 100 new COVID-19 cases a day」。
3月後半いらい、米軍は、毎日、100~200人の新陽性判明者を出している。DoDの4-17統計によると、その時点で累計3438人だ。うち、死亡者は22人。
空母『TR』では乗員の95%に検査をし終わった。新コロ陽性だったのは678人であった。その半数が無症状陽性。
ペンタゴンの研究施設では、連日、9000サンプルの新コロ陽性判定が可能になっている。
ペンタゴンは、この検査キャパを、45日以内に、「6万テスト/日」にまで増やしたいと考えている。
米四軍のうちでいちばん新コロをよく抑え込んでいるのは海兵隊で、全世界で250人の罹患者しかいない(4-17時点)。
次。
Katherine J. Wu 記者による2020-4-20記事「Why the New Coronavirus Affects Some Animals, but Not Others」。
「SARS-CoV-2」ウイルスが、ヒトだけでなく猿、犬、フェレット、家猫、虎に感染するという最近のリポートがある。
このウイルスのオリジンがヒトではない動物(たとえば蝙蝠)にあったとしても、このウイルスの最も犠牲になるのが人間であり、また、このウィルスの最悪のスプレッダーになるのも人間である。
動物からヒトにSARSが伝染させられたという事例の報告は、いまのところ、1件もなし。
天然のコロナウィルスは100種類以上が知られている。その多くはコウモリの体内で見出される。
ウイルスは、そのターゲットとする細胞の表面にある「レセプター」と呼ばれる分子と相性がよくないと、感染はできない。
ウィルスとレセブター分子との相性がよければ、鍵がロックを外すように、ウィルスはその細胞に侵入できる。
SARSがもっている鍵は、「スパイク状蛋白質」とよばれ、多機能工具のようになっている。
この鍵が探し求めているターゲットの鍵穴は、脊椎動物の血圧を制御している蛋白質である「ACE2」である。これがSARSウィルスにとっての、細胞の防壁ロックの突破孔なのだ。
「ACE2」は、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類の細胞にもある。
それぞれの動物は数百万年かけてACE2の形を微妙に変えてきている。しかしSARSの「スパイク蛋白」にとっては、いくつかの動物のACE2は、人間のもつACE2と、大差がない。
特に家猫。ACE2の部位が、霊長類と、ぴったり一致してしまうのである。
3月、ベルギーと香港で1件づつ、新コロ患者が飼っている家猫が新コロ陽性と判明した、と伝えられた。
2002年に始まったSARSアウトブレークのとき、「SARS-CoV-1?a」(これは「SARS-CoV-2」よりは感染力が弱かった)が、SARS患者の人間から、ネコ科のペットにうつされることが、知られている。やはり細胞表面のACE2をこじあけたのだ。
とはいえ、最近の実験で、ネコを「SARS-CoV-2」に感染させるためにはかなり大量にウィルスを投じなくてはならぬことがわかっている。現実世界からの報告にも、《うちの猫がSARSで重症》という話は皆無である。
ペットの中でネコの感染リスクがいちばん高そうに見える理由は、ウイルスのキャリアーである飼い主がネコとべたべたする濃厚接触時間の蓄積が、他のペットよりも大だから、なのであろう。
今日までのところ、香港、米国、韓国においては、調べてみた数千のペットの猫、馬、犬のすべてが新コロ陰性だったとされている。
また武漢からの報告(ただし最高水準審査を経た論文ではない)では、何匹かの野生ネコの体内に、新コロの抗体がみつかったという。これは野生動物がずっと前から新コロをサバイブしていたことを示唆するのかもしれない。
これまでのところ、ネコが人間に新コロウィルスをうつしたという報告例は、無し。
また、新コロ陽性であるネコを実験室の中で、陰性のネコと狭い空間にとじこめれば、感染は起きる可能性があるけれども、その情況は、自然界では、まずないであろう。
今月前半、ブロンクス動物園の雌のマレー虎が「SARS-CoV-2」陽性と判明。経路はおそらく、ひとりの飼育員が、じぶんがキャリアだとは知らずに、うつしたのだろう。マレー虎には、乾いた咳と、食欲減退の症状が見られる。
同じ動物園では、他の虎やライオンたち複数にも疑わしい症状が出ているが、陽性テストはされていないという。
最近の研究。マウスのACE2は、人間のACE2とはかなり異なっている。おそらくそのおかげで、マウスは、新コロには罹り難いようだ。実験室で無理やりに感染させようとした場合のみ、齧歯類は新コロに罹るようである。
犬は、コロナ系ウィルスには感染しにくいと考えられる。げんざいまでのところ、香港で飼われている3匹についてのみ、感染したと報告されている。世界には4億7000万匹以上の犬がいるのだが。
フェレットは、肺がコロナウィルスにやられるらしい。症状として咳が出る。だから、周りの人畜に伝染させるかもしれない。
新コロは、ニワトリ、ブタ、アヒルには罹りにくいようだ。ハムスター(ゴールデン・シリアン)には罹るという。
次。
ストラテジーペイジの2020-4-21記事。
げんざい、アフガニスタンでは1036人が新コロ陽性。36人が新コロで死んだと確認されている。
次。
IMMANUEL JOHNSON 記者による2020-4-21記事「With face shields and extra planning, Chinook pilots take to the skies in Germany」。
ドイツ駐留の米陸軍のチヌークの乗員たちは、従来のヘッドギアに加えてさらに、フェイスマスクとプラスチックシールドを装着して、訓練している。
次。
ご報告です。
ユグドアの初期の撤回期間を過ぎた皆様のご喜捨分、つい先日より確かに拝受しつつありますので、ここに御礼方々、その旨をご報告させてください。
この方法を利用する善意の方々すべての安全が、確保されるシステムになっているのであろうとの当初の見込みは、今のところ、外れていなかったように思えております。
ありがとうございます。
これを支えとし、また励みとして、ひきつづき、「いつか誰かの役に立つ」レア情報の発信等に、努めて参ります。