自動車のナンバープレートの「地名」表記は、来年からは消されるのではないか。この調子では

 John Lichfield 記者による2020-5-8記事「Coronavirus: France’s ‘strange defeat’」。
    パスツール研究所がこんなことを言い出した。
 フランスが苦しめられている新コロは、突然変異したタイプで、他国のものとは別だと。その突然変異は、北部フランスにおいて、2020-1月後半に起きた、と。

 フランス政府は、高速鉄道の客車を《病院列車》仕様に緊急改造し、新コロの重症患者を、比較的に感染の広がっていない地方の病院へ送り込んだ。これは他国のやっていない早ワザである。

 おかげで、患者発生が集中している同国北部と東部では、医療崩壊は起きていない。

 マルク・ブロックは1940の対独敗戦を「奇妙」なものと表現した。1930年代に仏国内の右派政党と左派政党が意味もなく抗争し、対独団結をさまたげ、敗北主義を醸成したのだと。

 比較的にうまくやっているマクロン大統領に対する、現在のフランス国内左右両派からの無目的な批評熱中の症状は、まさにその再現のようだ。

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 Paul Bracken 記者による2020-5-7記事「Caution: China’s nuclear strategy may be ‘nuclear thoughtlessness’」。
    中共の戦略核戦力はこれから10年で2倍になると予想されている。
 これまでの数十年と違い、ICBMも「モビル」化する。そのような「三本柱」を指揮・統制する経験が連中にあるとは、誰も思ってない。

 シナ人は、あるべき「危機管理」が、理解できていない。
 ドクトリンに記載されていなかった制御不能ファクターが、クライシスなのである。

 核能力を増強すれば、それは必ず周辺国との外交関係も変える。
 中共の外交には、核による脅しのオプションが増える。

 朝鮮戦争で中共は米国から核で脅されて休戦を呑んだ。
 次に1958に台湾を攻め取ろうとしたが、ソ連は米国との核戦争をしないと毛沢東に告げ、ふたたび中共は引っ込むしかなかった。

 「ミュンヘン」や「キューバ」などの過去のイベントは、その後の政治指導部にピンとくる危機管理のモデルであり続ける。いまの中共指導部にとっては「1958台湾海峡危機」や「1969対ソ核戦争危機」が、それである。

 中共の立場のユニークなのは、米国が英仏から核攻撃されるおそれがほとんどのないのに比し、中共は、パキスタンや北鮮から核攻撃される恐れがあるので、常にそれらの政治的な同盟者にも核の照準を合わせている必要があることだ。

 記者は長年中共の軍事ドクトリンを研究しているが、中共が予期せぬ事態(たとえばパキスタンや北鮮との紛争)に直面した場合にどうするかを心配している様子はまったく感じ取れない。

 中共にとっては、ロシアや米国といきなり戦争の危機に突入するよりも、それら周辺国との緊張が突発することの方が、数十倍、あり得る事態なのに……。そのとき核をどう使うかは、考えていないのだ。

 技術は常に戦略に先行する。
 今日、モビル化された他国の核戦力の常続的監視は、AIを使うしかない。
  ※人間が監視ビデオを集中してながめていられるのは20分が限度とされる。AIなら24時間可能。

 巡航ミサイルが超音速化する近未来には、核反撃の判断のために政治指導部や軍司令官に与えられる時間も、ますます短くなり、そこでもAIが頼られる。
 周辺国でAI技術が躍進すると、中共の核の優越も、崩れてしまうのだ。

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 Roger McDermott 記者による2020-5-6記事「Modernizing Russia’s Tanks: The Case of the T-14 Armata」。
    T-14戦車の輸出バージョンに関する商談があると、4月19日にロシア国防相は声明した。
 しかしかんじんの露軍では、まだT-14は稼働していない。プロトタイプは2015-5-9パレードから公開されているのに。

 予定では今年じゅうにT-14のテストを終えるということだったのだが、新コロで、それも絶望的だ。

 ある人いわく、T-14のコンセプトは、1970年に米独が共同開発して没になった「MBT-70」に似ていると。
 アルマタは、ハイテク機器を盛り込みすぎて単価が膨脹しているのだと想像される。2016年時点で、それは1両7億ルーブル=942万ドル するのではないかといわれていた。