Zi Yang 記者による2020-5-19記事「The Invisible Threat to China’s Navy: Corruption」。
中共の国有巨大軍需企業CSICは、空母『遼寧』『山東』だけでなく、「J-10」戦闘機や「C919」「MA60」といった旅客機まで製造している。その前の会長であった Hu Wenming(63) が、巨額の汚職容疑で逮捕され取調べをうけているところだ。
Huは2012年から、中支~南支拠点の国営ライバル企業CSSCの会長であった。それが2015-3に北支のCSICに移籍した。
長年、Huは、CSSCとCSICは合併するべきだと唱えてきた。それは2019-11-26に実現している。ただしHuは2019-8に突如、役職を辞任し、世間から消えた。そして2020-5-12に、規律監査中央委員会の取調べを受けていることが公表された。中共の軍需産業界で、汚職で摘発されたいちばんの大物だ。
もともと二大造船会社は、1999-7に政策的に分割されていたのである。国有企業間で競争があるのが望ましいと考えられたのだ。
しかしそれから世界が船余りの時代に突入してしまったので、中共が輸出する商船に国際価格競争で勝つための体力を与えるためには、再合併するのがよいと認められた。
CSSCと合併する前のCSICは、46の工業子会社、28の研究所、14万人の職員、270億ドルの資産価値を擁していた。
2015から2019にかけて、規律監査中央委員会は三回、CSICに監査に入っている。
2015年の査察では、研究開発予算が他の目的に使われていることや、党の監視を免れていることなど数々の腐敗兆候が指摘された。
2017年3月6日、ふたたび規律監査中央委員会が抜き打ち査察にやってきて1ヶ月かけてCSICの内部を調べた。
改善が不十分な最大の悪弊として、企業内の党委員会が、中共中央委員会からの政治的・戦略的要求に満足に応えようとしていない実態が指摘された。
「民主集中制」が欠けていること、企業幹部が誰にも報告しないで個人で動いていることも問題だと指摘された。
昇進人事、採用人事が、縁故・情実・身内贔屓に基づいていることも。
規律監査中央委員会は2019-3に三度目の査察に入ったが、結論はネガティヴだった。党中央のCSICに対する影響力はむしろ弱まっており、会社の縁故人事つまり私物化は矯正されていない、と。
加罰はまず2017-9に、CSIC企業内の腐敗取締りの責任者 Liu Changhong からスタートしている。この者は解雇され、党籍を剥奪され、逮捕された。企業から賄賂を握らされて、党のためにするべき監督をしていなかったのだ。
規律監査中央委員会は続いて2018年の6月から12月にかけ、CSICのジェネラル・マネジャー Sun Bo、ふたつの研究所の所長および副所長だった Jin Tao、別な研究所の所長 Bu Jianjie の3名を、次々に検挙した。
このうちSunは、CSICにおいてHuの片腕であった。
Sunは864万元の収賄と職権乱用によって中共の国益を毀損したと判決された。2019-7に、懲役12年が確定。
Sunについては、『遼寧』の機密を外国情報機関に売ったとかの別報が流れたものだが、判決の法廷ではいっさい、その話は出ていない。
Jinは、船舶の推進システム、特にバッテリーを開発する研究所などを率いていたが、個人ビジネスに手を広げていた。
Buは、ケミカルと放射線、核動力等に関係する研究所を率いていた。カナダ国籍の社員を違法に雇用していた、などと糾弾されている。
CSIC系列企業の経営や人事に対する社員たちの不満は、中共内の《就職・転職情報サイト》にたくさん書き込まれている。そこから、中共の国営産業の風土病ともいえる腐敗と非効率が浮かび上がる。
また、これほど国営企業の幹部たちが勝手なことができているのだとするなら、外国情報部が中共軍需産業内の秘密を聞き出すことは、たやすいのではないかとも思わせる。
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Allison Gasparini 記者による2020-5-24記事「New Research Shows Electroceutical Fabric Eradicates Coronavirus Infectivity On Contact」。
ポリエステル繊維に、亜鉛と銀の小さな斑点を交互にプリントしたもの。
湿気を受け取ると極小のバッテリーとして働き始める。静電気の電界が生ずる。
これを繃帯などに使えば、傷口からの感染を防ぎやすい。バクテリアを減らすので。
もちろんPPE素材用にとしても適している。いちいち交換する必要がなくなる。
ウィルスも、細胞に侵入するためには、静電気の力を必要としている。
「静電気薬学」という新しい考え方から、別な新コロ対策ができそうだ。
気管支の細胞で増殖するタイプのコロナウィルスにとりつかれた細胞の水溶液を、上記の静電気マスクの繊維に吸い取らせて経過を観察したところ、細胞内からはコロナウィルスが消えたという。インディアナ州にある研究所の実験。
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ストラテジーペイジの2020-5-25記事。
米国政府は、北鮮ハッカーに関する有益な情報を知らせてくれた人に500万ドルの賞金を与えるつもりである。