米SOCOMは、対ドローン用AI照準器を、M4カービン用に調達した。

 これを付ければ、歩兵銃によって、150m先を飛ぶ小型ドローンを撃墜できる、と製造元のイスラエル企業は宣伝している。
 商品名は、「SMASH2000」。

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 Tyler Rogoway 記者による2020-6-12記事「France Just Test Fired A Submarine Launched Ballistic Missile In The Atlantic (Updated)」。
    仏戦略ミサイル原潜『ル・テメレ』が「M51」SLBM×1発を仏本土沖からカリブ海に向けて試射した。
 テスト予定などは非公表であったが、飛行機マニアは仏空軍の「ファルコン50」哨戒機の飛来と、それに続く米空軍の「コブラ・ボール」機の出現で、発射が切迫していると察知した。

 フランスのM51ミサイルは米国のトライデント2の同格品をめざして開発され2010年から就役しているのだが、射程がまだトライデント2には及ばない。
 2014年いらい、この「M51」をロシアのABMによっては防がれ難くする「バージョン3」が開発中で、その実験ではないかと。

 「M51.3」は2025年頃の就役を目指している。
 「M51」は「M45」の後継SLBMで、4隻あるSSBNにレトロフィットされている。
 1隻に16基。1基のMIRV弾頭数は最大6発。理論上は10発にもできる。

 コブラボール機は、試射された弾道ミサイルの中間コースか終末コースをレーダーでトラッキングすることが多い。

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 Don Donegan 退役海軍大佐による2020-6 記事「What to Do about the Naval Academy’s Confederate Connections?」
    南軍の将軍の名前がついた陸軍の10箇所の基地を名称変更しろという運動。
 第82空挺師団の代名詞とすらなっている「フォート・ブラッグ」まで対象に含まれている。昔、ブラクストン・ブラッグという、無能な、尊敬されない南軍の将軍がいたことを、この基地の名から想い起こせる人は、相当の戦史通だ。

 南軍由来の陸軍の基地名を変えてはどうかという公的な議論は2017年からあったが、陸軍はまったく動かなかった。しかし今の陸軍長官と国防長官は、それに前向きである。

 フォート・ブラッグの基地名が、ブラクストン・ブラッグの名誉に直結すると考える人がわずかしかいなくても、それは無視できないことだ。なぜなら南軍とは、合衆国連邦軍に叛逆した者たちである。しかも彼らが防衛しようとした社会システムは、人道上けっして擁護され得ない、反近代的な悪習慣であった。

 海兵隊は、南軍由来の著名な施設をもっていない。

 米海軍は、かつては『ストーンウォール・ジャクソン』と『ロバート・E・リー』という弾道ミサイル潜水艦を持っていた他、『ハンリー』という潜水艦母艦(サブマリンテンダー)もあったが、今は無いし、これからもそれらの名を使わないだろう。※ハンリーは有名な南軍の軍艦名を踏襲。

 巡洋艦の『チャンセラーズヴィル(CG-62)』が命名されたときにも、ちょっと話題になった。南北戦争のチャンセラーズヴィルの戦いでは、南軍(ストーンウォール・ジャクソン指揮)が勝っているからだ。

 米海軍の学校施設には、2箇所、南部の人物由来の建物がある。それは陸軍の基地とちがって、軍隊指揮の偉業を記念したものではない。
 これらの人物は南北戦争前に海軍に貢献した。

 「ブカナン・ハウス」は海軍士官学校の校長の官舎名である。フランクリン・ブカナン海軍中佐は、1845年から47年、初代の校長であった。それから15年後、ブカナン大佐は海軍を退役した。というのも出身地のメリーランドが南部に与しそうであったから。けっきょくメリーランド州は連邦に残ることになったので、ブカナンは再役を願い出たけれども、時の海軍長官はそれを認めなかった。かくしてブカナンは南軍に投じ、南部海軍の最初の提督となったのである。

 「モーリー・ホール」はエンジニアリング部門の学舎にあてられている。1900年代前半に建造された。
 海洋学者で、海上のパスファインダーと呼ばれたマシュー・フォンテイン・モーリーにちなむ。

 ヴァジニア州出身なので、同州が連邦から離脱したときに彼は海軍を辞した。内戦中、彼は南軍の軍艦調達等に協力した。
 しかし校舎に彼の名が冠されているのはそんな手柄を褒めたのではなく、内戦前の海洋学への貢献を讃えているのである。

 とはいっても時流は強い。改名は不可避かもしれない。
 ブカナン・ハウスは「校長宿舎」とでも単純化することができるだろう。

 しかしモーリー・ホールの方はむずかしい。海軍士官学校内の建物はすべて人名由来だからだ。
 モーリーが少・中尉だったときに、成績・素行を表彰する意味でその名がついたものである。おなじような慣行はウェストポイント陸軍士官学校にもあって、とうじ最優秀の学生であったロバート・E・リーの名前が隊舎についている。

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 ストラテジーペイジの2020-6-12記事。
   中共がスプラトリーのファイアリークロス礁の3100mの砂盛飛行場から「Y-8FQ」対潜哨戒機を運用し始めた。
 この礁は満潮時には見えないので19世紀に『ファイアリー・クロス』という商船が座礁沈没してしまった。それにちなんで命名されている。
 ベトナムからは600km、シナからは1000km離れている。