『スターズアンドストライプス』が『琉球新報』を名指し批判している。

 Michael Schulson 記者による2020-6-20記事「Pandemic Spurs Calls to Rethink Nursing Homes」。
     全米の老人ホーム入居者の40人に1人が、5月31日までに、新コロで死んだ。3万2000人強。

 ニューヨークやニュージャージーでは一時、老人ホーム内の死体置き場のスペースが足らなくなり、冷凍車を臨時モルグとしたり、屋外物置内に積み上げたりして凌いだ。

 今のスタイルの老人ホームでは、新コロの次の波にもどうにも対処ができないはずなので、このさい全廃すべきではないかという意見が、現場から出てきた。

 米国では老人ホームは、連邦政府から補助金を得ている。「メディケア」や「メディケイド」制度の一部なので。

 老人ホーム入居者は全米で130万人いる。
 さかのぼると、1930年代に「社会保険法」ができて、老人ホームが急増。年寄りの面倒は国家が見るという大枠ができた。次に1960年代に連邦および州政府のヘルスケア制度が整備されて拡大した。

 「ナーシングホーム」と呼ばれるのは、24時間ケアができる体制の集団介護施設である。入所者は老人とは限っていない。7人に1人は、65歳未満の心身不自由者である。

 老人ホームの中には、4人部屋というところもある。
 新コロ以前から、ノロウィルスやインフルエンザは老人ホーム内では急速に広がると指摘されてきた。

 米国の老人ホームの7割は、営利企業である。そして2000年以降、この老人ホームを買収し、コストカットして収益を強化し、あるいは売り払う、という投資ビジネスが盛んに……。
 そのターゲットになった場合、往々、入所者の健康度は前よりも低下してしまう。

 ケア・ワーカーたちの給与はもちろん最低である。労働者として最も保護されていない部類。

 3月の後半、連邦政府の報告によると、老人ホームの三分の一以上が、手洗いのプロトコルを守っていない。

 新コロ騒ぎは、よいきっかけだ。米国の老人ホームシステムは、不全なのだ。それがみんなに分かった。これから、改革しなければならない。
 ではどうするか。おそらく、新規制とか、追加予算では、何も改善はしない。

 ある専門家いわく。集合ケアではない、ホーム・ケアのオプションもあって、それがしかも只同然であるという国家制度を達成している手本としては、デンマークとイスラエルがあると。
 日本の老人保健制度も、もちろん専門家から参考にされている。それをヒントにモデルがつくれるのではないかと。

 Maxで12人以下の入所者しか受け入れぬ経営方針の、スモールホームも注目されている。新コロいらい、問い合わせは殺到しているという。

 さすがに単身世帯の老人が認知症になると、在宅介護は難しい。