次にカットされるのは グローバルホーク?

 CAITLIN DOORNBOS 記者による2020-6-24記事「USS Gabrielle Giffords drills with two Japanese ships in the South China Sea」。
   最新LCS艦(三胴型)の『ゲイブリエル・ギフォーズ』が、海自の『かしま』『しまゆき』とともに、南シナ海で洋上訓練した。

 ※海自の2艦は遠洋練習航海艦隊。呉から幹部実習生を乗せて南下。シンガポールに寄港し、上陸もさせてもらえず、スマトラ島を一周して、小笠原経由、横須賀に戻ってくる。新コロのせいで、彼らの「修学旅行」もかなり変則的に制限されてしまっているのだ。

 『ゲイブリエル・ギフォーズ』は「2組乗員制」を採っているらしく、今、配乗されているのは「ブルー・クルー」である。 ※母港にもどったとき、別な「ゴールド・クルー」と、艦長ごと入れ替わる。

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 H I Sutton 記者による2020-6-23記事「Russian Submarine Transits Bosporus In Move That Raises Questions Under International Treaty」。
    ロシアのキロ級潜水艦がダーダネルス海峡を通過して地中海に出てきた。これはモントルー条約違反である。
 トルコの艦船撮影マニアが写真で証拠をおさえてくれた。

 黒海内にはルーマニアのキロ級も存在するが、それは数十年、動いていない。したがって、ロシアしかない。 計画番号636.3号潜水艦だろう。シリア沖に向かうことは間違いない。

 じつはこの潜水艦、4月27日のロシアのメディアが、もうじき地中海に派遣されると予告していたのだが、なぜか29日に軍港に引き返して来た。おそらく、出撃前に全乗員の新コロ陰性確認が必要だと思われたからだろう。

 第一次大戦後の国際条約で、ボスポラス海峡を自由に出入りしてよい潜水艦は、トルコ海軍のものだけだと決められている。1936年のモントルー条約だ。

 黒海沿岸に領土を持つ国が、黒海外部で建造された潜水艦を初めて黒海内に持ち込むときと、黒海内の潜水艦を、黒海外の造船所で修理する場合にのみ、トルコ海軍所属艦以外の潜水艦のボスポラス通航が、認められている。
 ロシアは、このモントルー条約に明白に違反している。

 この条約があるおかげで、従来、地中海に出没するロシア潜水艦は、すべて、ロシア北方艦隊から派遣されたものであった。

 黒海内には原潜は存在しない。キロ級だけである。しかし最新のキロ級からは「カリブル」対地攻撃用巡航ミサイルを放てる。
 この能力のある潜水艦がシリア沖に行くわけである。やることはひとつだろう。

 ロシアがモントルー条約を無視するというなら、NATO軍も地中海に潜水艦を送り込むようになるだろう。その場合、不利になるのはロシアだ。

 この記事がUPされた直後、ロシア国防省は、当該潜水艦は修理のためにボスポラスを出たと声明した。

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 Ellen Mitchell 記者による2020-6-23記事「Pentagon’s top technology officials resign」。
    2018年からDoDの研究と技術の次官だったマイク・グリフィンと、その部下のリサ・ポーター次官補が、7月10日にそろって依願退任する。
 表向きの理由は、軍需企業から高給で誘われたからだ。

 しかし、すぐ前には、カスリン・ウィールバーガーが、国際安全保障分野の国防長官補佐官代理だったのが、6月にトランプから声をかけられて、情報担当の次官補に抜擢されそうになったので、5日後に自主退任している。

 また、エレイン・マカスカーは、ペンタゴンの会計監査役代行だったのだが、トランプが昨年ウクライナに対する援助を停止した件について疑義を呈していた。そして最近トランプは、この彼女を正規の会計監査役に抜擢しようとしたのであるが、すかさず彼女は辞職した。

 ※記事はここで終わっている。示唆しているところは明瞭で、トランプは選挙前の人気取り策として、リサ・ポーターを国防総省のナンバー2ぐらいに大抜擢する人事いじりを始めたのだろう。しかしポーターはトランプが部下の意見なんか聞きはしないし、馘にしたあとからじぶんで抜擢した元部下をけなすというパターンを延々とくりかえす錯乱上司だと理解しているので、穴のあいている船からすばやく脱出したのかと疑える。