ジョージ・ワシントンが槍玉に挙げられるのも時間の問題か?

 彼はプランター層の利益を代表して、英軍から逃亡黒人を取り戻そうとした。誰でも知っている歴史だ。

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 Brendan Borrell 記者による2020-7-3記事「Australia Has a Flesh-Eating-Bacteria Problem」。
    メルボルンがある豪州ヴィクトリア州で、またしても、生きた人間の組織を栄養にするバクテリア「ブルライ・アルサー(Buruli ulcer)」の患者が報告された。

 この菌は、最近知られたものではない。アフリカで19世紀に発見されている。

 この細菌に感染すると、たとえば脚部に銃創のような開口傷ができる。今日の治療としてはまず、強力な2種類の抗生物質を投与する。あまりに強力なので患者の尿がファンタオレンジのような色に変わるという。

 ブルライとは、もとウガンダにあった地名である。ナイル川の源であるヴィクトリア湖の西岸だ。

 アフリカの湿熱地では、住民がこの菌に冒されると、死亡率は高くはないのだが、患者はまったく労働などできなくなる。村からは追放され、見棄てられた乞食となるしかなかった。

 豪州ではブルライ菌症は1930年代から報告されている。2017年に患者数が100人を越えるまではあまり注目はされていなかった。
 それいらい、340人の豪州人がこの菌にやられていると診断された。

 このバクテリアは顕微鏡で見ると桿状である。しかし染色にはコツが要る。
 ミコール酸(mycolic acids)という脂肪の一種でじぶんを防禦しているのだ。だから手強い。
 結核菌や癩菌も、同じマイコバクテリアに類している。

 このミコバクテリウム・ウルケランスは、華氏91度〔摂氏32.8度〕、だいたい人の皮膚表面の温度で最もよく増殖する。それより高温になると弱まるので、幹部に熱パッドを巻いておくと、患者はセベラル週でよくなる。

 WHOは2010年いらい17ヵ国で2万5919人の患者が出たと把握しているが、ナイジェリアやパプアニューギニアなどの機能していない統計もあることを想像すべし。

 この病気について最も早く報告したと思われる英人医師は1897年にウガンダの症例についてこう見ている。鋭い棒などで皮膚を引っ掻いたときに、この病気に罹るようだ、と。
 さらに分かってきたのは、湖や川で水浴びすると、この病気にとりつかれる。

 結核菌などと違い、ブルライ・アルサーは人から人へは簡単に伝染しない。

 1990年代なかばに豪州で症例が増加しはじめた。
 ある者が察した。ヴィクトリア州のモーニングトン半島と6マイル沖のフィリップ島が橋梁で結ばれたのが理由ではないか?
 また、リサイクル水を貯水してある池からゴルフ場に潅水されている、そのシステムが元凶ではないか?
 じっさい、ゴルフ場の潅水システムを改めたら、病気は収まった。その時は。

 その後、豪州では、菌を運搬している犯人として、有袋類の、尾に輪状の模様がある、クスクス(ポッサム)が疑われるようになっている。人家の天井裏に棲み着いたりするやつだ。

 アフリカでは、巨大な川虫(ジャイアント・ウォーター・バグ)が疑われている。こいつはよく人のつま先を刺す。

 次。
 Emine Saner 記者による2020-7-5記事「The death of the bra: will the great lingerie liberation of lockdown last?」。
   ロックダウンで何が変わるか。
 ケイト・モスのようにブラを着けないと宣言していた人以外にもその風潮が広まる。
 装着する必要はない、とじぶんで分かってしまった人が増えたのだ。

 特にワイヤー入りが不評である。
 100年前にブラはなかった。コルセットだった。

 人間の皮膚は1.6倍までは伸ばしてもまた戻る。しかし1.6倍を越えるとダメージを蓄積する。乳房には筋肉がついておらず、皮膚で引っ張っているだけ。そこを、身体を活動させるときに支えておかなかったら、ダメージが蓄積されてしまうはずだというのが、背景の理論。

 2013年にはフランスからこういう報告も出てきた。若年時からブラを着けない人は、胸部の構造がしぜんに強化されるので、後年、垂下しない、と。

 しかし、科学的な比較実験が難しいのが、この論争の決着を、長引かせている。