米軍全体で新コロ患者は18968人(15日時点)だと。

 Mirco Keilberth, Maximilian Popp, Christoph Reuter und Adam Asaad 記者による2020-7-13記事「The Renewed Dependency on Mercenary Fighters」。
      リビアで傭兵として戦闘中の兵隊の中にはシリアから来ている者がいる。アサド支持者はロシアに雇われ、反アサドのシリア人はトルコに雇われて、送り込まれる。

 リビア政府は、カリファ・ハフターの軍閥と内戦中である。
 リビア政府の講演者は、トルコである。ハフターのバックにはロシアがついた。

 このほか、UAEやイランも、外国人傭兵をやとって各地で作戦させている。

 政府軍側の傭兵となった一シリア人は月俸2000ドルを得ている。これはシリアにいたときは稼げなかった大金だ。
 トルコは、トルコ航空機を使って、シリアで集めた傭兵たちを、リビア国境のガジアンテプ空港へ運ぶ。

 ことし1月の時点で政府軍は首都トリポリだけを守っていて、他の国土はほぼハフターに支配されてしまっていた。
 シリアで集められた素人たちは、トリポリ市内のアパート街で、トルコの秘密作戦部局であるMITのメンバーから基礎的な軍事訓練をほどこされて、守備陣地へ送り出される。

 エルドアンは7000人のシリア人傭兵を投入することで、リビア政府の滅亡を食い止めたと見られている。リビアの石油埋蔵量は、アフリカ最大だと推定されている。

 ハフター将軍は、トリポリ攻略作戦が失敗したことを認めた。のみならず、サブラタのような海岸の都市をいくつか、政府軍に奪回されてしまった。それが、ここ数週間のリビア戦局。

 『シュピーゲル』誌面が一傭兵から聞き出した話によれば、過去数ヶ月、リビアからは毎日100名のシリア人負傷兵が飛行機で本国に後送されていて、それと入れ替わりに、300人の新傭兵が本国から運ばれてきたという。

 皮肉にも、リビア政府のために戦おうとするシリア人傭兵は、本国においては、反アサドの反政府ゲリラなのだ。
 トルコの雇用主は、傭兵が負傷しない限りは、本国シリアへは送還してくれない。そこで、どうしても帰国したくなったシリア人は、自分で自分の足を撃っているという。
 気軽な独身者のシリア人傭兵だと、難民ボートに紛れ込んで、リビアから欧州潜入を目指すこともある。

 いっぽう、アサド派の民兵から、ロシア雇いの傭兵(ワグナー・グループ)に転職した一シリア人。この男はロシア人上官から、リビアへ行けば月給1000ドル、プラス、年に4回、1ヶ月の休暇をやるといわれて、リビア行きを決心した。

 UAEやエジプトも、ワグナー・グループからロシア系傭兵を有償で借りている。

 ワグナー・グループの出張所のようなオフィスがシリアの複数の都市に存在する。そこにリクルーターが常駐している。もしリビアに行ってもいいというシリア人が応募してくれば、リクルーターは1人について200ユーロのコミッションを手にすることができる。

 応募者は、アラビア語とロシア語で書かれた契約書にサインする。最低でも3ヵ月、従軍する――という誓約書でもある。

 採用されるのは30歳未満が多い。50人くらい集まると、まずラタキア近くのフメイミム基地に移送され、そこでロシア人の軍事教官から、2週間の基礎訓練を受ける。

 傭兵たちは「ロシアの友」と書かれたIDカードを支給される。これがあると、リビア領内のハフター支配区の検問所を無事に通過することができる。

 そして傭兵たちはシリア航空機によってダマスカス空港からベンガジまで空輸される。

 ハフター軍閥の軍服に着替えるのは着陸後である。彼らはただちに、ワグナー・グループの士官たちの指揮下に入る。
 『シュピーゲル』が電話取材した男は、トリポリ南郊でも、海岸部でも戦い、過去セベラル週は、東部で戦闘しているという。
 ようするに、ハフター=ロシア軍はリビアにおいて押されており、それを挽回するために必死だ。

 国連によれば、ワグナーグループに雇われてリビアで戦闘しているシリア人は5月の時点で2000人ほどだと。
 しかしこのたび『シュピーゲル』が聞いた話では、5000人はいそうである。
 アサド政権は、刑務所の囚人もリビアに送り込むようになったという。

 ワグナーグループに雇われたシリア人たちは、昼間に睡眠をとっては夜間に作戦するという日常なので、疲れ切っている。給与はトルコ側傭兵の方がずっと良いという噂も届いており、加わる陣営を間違えたと感じている。

 アサド政権が倒壊しないで済んだのも、イランが雇って派遣した5万人の傭兵のおかげだった。それを組織したのが、この前爆殺されたソレイマニであった。

 リビア政府の刑務所(ミスラタ市)には、スーダンやチャドから雇われてきた反政府ゲリラ軍の捕虜400人が収監されている。
 その一人に取材したところ、彼はもともスーダン解放軍という反政府ゲリラに所属していたが、3年前にUAEの斡旋でハフター軍閥の傭兵になったという。UAEもこのようにして、他国の兵隊を使って自国の国益を追求しているのだ。

 ハフター軍閥側の、スーダン人の傭兵も、出世すれば、月給は3000ドル近くなり、部下450人を指揮するようになる。
 作戦途中で住民から略奪した物品は、トラックで集荷して、ダルフールへ後送したという。スーダンとリビアは陸続きなので。

 ただしUAE系傭兵は、ワグナー・グループよりも情報収集力が弱く、退却が遅かった。それでトルコ系傭兵=政府軍が攻勢に出たときに、UAE系傭兵ばかりが逃げ送れ、大量に捕虜にされてしまったのだ。