ささやいた言葉が、そのままマスクの表面に液晶式に文字表示される、そんな新商品があってもいいのではないか。読唇ビジュアル伝達マスク。

 ロイターの2020-8-13記事「Taiwan says discussing purchase of U.S. mines, cruise missiles」。
     事実上の駐米台湾大使を務めている蕭美琴(Hsiao Bi-khim)がハドソン研究所で演説。非対称的な対支防衛装備を求めたいと。それには機雷が含まれる。

 非対称的な軍事能力とは、比較的に安価なアイテムでありながら、侵略者の目的遂行にとっては痛手が必至であり、それゆえ、抑止力を発揮するもの。

 すでに台北とワシントンは協議に入っている。米国製のハープン(地対艦型)巡航ミサイルの供給も検討されていることは5月に判明している。
 既存の台湾国産の巡航ミサイルと併置することで、沿岸防禦が重厚化する。

 その次に検討されているのが、機雷。上陸作戦を阻害できるように。

 すでに台湾総統の蔡英文がオンラインイベントにて、非対称的国防機能の拡大を最優先で加速するよう指令したと語っていた。

 ※台湾はハイテク系の国産機雷――河口に適した沈底型で、音響による双方向データ通信が可能で、したがって簡易センサーにもなるものなど――をひととおり、持っている。その写真は、今月発売の拙著『封鎖線』にも掲げておいた。問題は、数量だろう。米国製のクイックストライク系で補うつもりなのかもしれない。

 次。
 函館で車を売って満足できたという話。

 こんかい生活防衛のため私有車(2017年型軽ワゴン、走行距離12739km、車検は3月に済み)を売り払うについては、ちょくせつ地元の中古ディーラーに持ち込もうかと思っていたのだけれども、管理人さんのおすすめに従って、「ズバット」という一括査定サイトにPCから登録した。
 すると、あっという間に札幌の「(株)サンワイズ」さんから最初の電話がかかってきて、函館にたまたま査定出張中の人が見てくれるという。
 会ってみると、この私有車を買ったときの新車ショップの若い正社員よりはるかに信用できると感じたので、わたしは即日に契約したのである。(その契約中に第二のオファーの電話がかかってきたが、おことわりした。)

 売買契約書には「キャンセルなし 減額なし」とわざわざ手書きで記入されている。他の業者ではキャンセルや減額があるのだと知った。
 車両を期日に納車するまでの間の「保険」加入の必要も、なかった。

 ここからが面白い。
 この会社では、函館で買い取った中古車は、フェリーで青森支店まで運ぶことにしているという(札幌と青森の2店舗体制らしい)。
 だから、オーナーであるわたしが、フェリーターミナル近くの、車両運搬をなりわいとする会社まで、自走で「納車」に赴かなければならない。(冬タイヤは別にタイヤ屋へ持ち込めばその方がカネになるとわざわざ教えてくれもしたが、わたしは面倒なので4本を積んでお渡しすることに決めていた。)

 この車両運搬会社では、受付の若い女子社員さんに、ただ、鍵を渡すだけ、であった。何の受取証も出ない。かなり不安になったが、もはや車検証等一式書類も別便(着払い)で青森へ送ってしまっていたことでもあり、あとは銀行口座に代金が振り込まれるのを待つのみだと肚を括って、わたしは徒歩+タクシーで帰宅したのであった。これが8月1日のこと。任意保険は前月末日で終わりにしてもらっていたから、超慎重運転で持ち込んだことは言うまでもない。

 この入金を昨日、確認できて、ホッとしました。新車を買ったときの金額の、ほとんど5割に近い額であったのは有り難かった。
 もし、地元の中古車ディーラーに持ち込んでいたならば、このように、入金を待つ間の不安は無かった代わりに、総額的にはかなり値切られることになったのだろうと、今回、想像することができた次第です。

 本州では、豪雨被災者を筆頭に、中古車需要が北海道よりは大きいだろう。もし、ジャッキに、タイヤ・ローテーションの順番を手書きイラストで記した紙片の挟まっている、非常に状態のよい軽ワゴンを買い当てた人がいたら、どうかご安全に走っていただきたい。フロントガラスにレーダーのようなものこそついているけれども、それが作動して緊急停止したという体験を、元オーナーは3年間で一度もしたことがない。だから、そのような見かけだおしのシステムに、ぜったいに頼る気持ちを抱いてはいかぬ――と、ご忠告を申し上げたい。

 このクルマでの忘れられない思い出を語ろう。昨年か一昨年、ボーニ森屋横の空いている4車線道路で、時速50kmくらいに加速したときに、東洋人観光客と思われる小学生ぐらいの女の子が、左横から躊躇なく全力疾走で車道に飛び出してきた。横断歩道などそこには無い。車道の反対側に、両親らしい人物がいた。よく免許更新センターの講習会で見せられるような有り得なさの、まるで絵に画いたが如き飛び出しシチュエーションであった。
 18歳で免許をとっていらい、人生で初めてフルブレーキを踏んだ。
 このとき、わたしは左手をアームレストに載せていたため、その左手を思わずハンドルに添えようとしたときに、フロントパネルのクラッチレバーもどきに手先がぶつかり、「ドライブ」と「ニュートラル」(もしくは他の何か)の中間位置になってしまった。だから、停止した状態から、アクセルを踏んでも、半クラの空ぶかしになるだけ。しばらく、その原因が分からずに、混乱した。(通常、左手親指でボタンを圧しながらでないと、そのようには動かぬはずのレバーである。)

 あの親子は、わたしが怒りを表現するために、空ぶかししてみせたのだとでも思ったかもしれない。そうじゃないんですわ。……あれは、寿命が縮まったな。