ドローン飛行をパターン化させていると、敵は対抗策を考えてしまう。

 JENNIFER H. SVAN 記者による2020-8-21記事「Army raising service commitment for future aviators to 10 years」。
    米陸軍の将兵で、ヘリコプターや固定翼機のパイロットを志望した者は、その教育を受けたあと、最低10年間は陸軍に奉職をし続けなければならないという新制度が、10月から始まる。操縦者に対するこの任期縛りは、従来は6年間であった。
 なお空軍でも同様のキャリア縛りを考えているという。

 新制度は、いま操縦教育課程のさなかにある訓練学生には適用されない。つまり、それらの者は、コース修了の前であれば、辞退のチャンスがある。
 新制度は、陸軍予備兵(パートタイムの軍人)や、州兵の陸軍将兵にも適用される。

 米四軍に共通して、操縦特技者が民間に流れてしまうことに起因するパイロット不足が深刻になっていた。

 米陸軍は、ことし1月、ヘリパイロットの月俸を1000ドル増額した。このような増額は20年間、されていなかった。
 ところがその直後に民間パイロット市場がコロナで崩壊した。それで米軍は、こんかいのように強気に出ることができるようになった次第。

 米陸軍の場合、操縦特技者の7割は下士官である。高卒でOK。飛行教育課程は1年ぐらいだ。

 次。
 Metin Gurcan 記者による2020-8-20記事「Turkey banks on military drones to extend power, regional clout」。
     エルドアンの女婿のセルクク・バイラクター。この男が所有する「バイカル機械」社が8-14に発表。高々度を長時間滞空できる無人機の「アキンキ」(トルコ語で襲撃者)が試験飛行を終えたので、量産に移行すると。

 4万フィートで24時間滞空だという。600km先の戦場に派遣してまた帰還させることができる。
 最大離陸重量は4.5トン。兵装は1350kgまで運搬可能(胴体内にそのうち450kg、翼下に900kg)。

 エンジンはウクライナ製のAI-450Cターボプロップ×2で、合計1100馬力である。トルコはすでにこのエンジンを12基、輸入済み。
 速力はせいぜい400km/時だろうが、空対地誘導兵器を運用できる。

 SOM-Aという、射程250kmの巡航ミサイルまで吊下させようという計画がある。国境外で蠢動するPKK用にはこれで十分役に立つ。

 トルコのドローンは現在、国境を100km超えたところまで飛び、そこから、射程8kmのMAM-Lという、弾重22kgの小型ミサイルを投射している。

 トルコが2021年から就役させようとしている強襲揚陸艦(軽空母)の『TCG アナドル』に、「アキンキ」の派生型無人機を搭載するのではないかという観測もされている。

 新型無人機の弱点は、ウクライナ製のターボプロップエンジンの信頼性が低く、頻繁に部品交換を必要とすることだろう。エンジンのネックは、トルコが開発している他の軍用機や戦車についても同様。

 この問題意識はカタールも共有しているので、カタールがカネを出して各種のエンジンを共同開発させようとしている。