秋といえば……書店へ行くべし。

 ストラテジーペイジの2020-9-13記事。
   中共軍は今日でも、全体(200万人)の三分の一が徴兵である。徴兵の任期は平均して2年だ。

 ところが中共軍はながらく、徴兵したすべての新兵を毎年、11月1日に入営させる慣行を墨守していた。
 これは秋の収穫直後の農閑期であるというところに意味があったのだが、この方式だと、現代戦争に必要な教育密度を行き届かせるのは難しいことが悟られて、近年になって、西側並みの、周年入営制度に改めようと模索中。

 また、新兵の基礎訓練は、従来は、地方の一般部隊に押し付けられていた。ということは、11月から数ヶ月間は、現役部隊の1割くらいが、新兵教育係として割かれねばならなかった。
 これでは部隊はいつまでたっても精鋭度が上がらず、有事即応も難しく、隊内団結も強化されない。

 2015年、中共軍は、初年兵入営日を10月に移動させた。中共の学年末は9月なので、これにより、高校や大学を卒業した者が、1ヶ月の準備ののちに入営するようになった。
 そして、秋だけでなく、春にも、新兵を徴兵することにした。年2回に分けたのである。

 さらにじつは今年の1月からは、この新兵入営の時期をもっと細分して増やす予定であった。ついでに、新兵教育を一般部隊ではなく、専門の教育部隊にさせるようにも改革するつもりだった。それが、新コロのせいで、1年先送りされた。

 おそらくこの改革が終わって10年か20年しないと、中共軍には、まともな「下士官」層が育たない。将校が下士官の仕事をしなければならないロシア軍と同じ欠陥が、残る。
 下士官が兵隊に毛の生えたレベルでは、米軍を筆頭とする西側軍隊(下士官に下級将校の代理がつとまる)には、実戦場で太刀打ちはできない。つまり中共軍はこんご20年間は、実戦では弱い軍隊のままだ。

 学校新卒の志願兵を増やす試みももちろん考えられていた。
 まず手始めに、志願兵の入隊日を8月1日にさせようという話があった。9月新卒者を民間企業などが雇用してしまう前に、先に軍隊に引き込もうという目論見だった。
 中共軍には毎年、15万人の大学新卒者が入営しているという。

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 Liu Zhen 記者による2020-9-12記事「Will China upgrade its destroyers with ‘carrier killer’ missiles?」。
    先月、1万2000トンの『055』型ミサイル駆逐艦の8番艦が、大連軍港で進水した。
 ペンタゴンの2020年度版中共軍リポートでは、『055』型が就役するときには対米空母用に「対艦弾道弾」を艦載するだろうという予測がしてあった。しかしその兆候は無い

 中共が陸上から試射したことのある、対艦弾道ミサイル。対空母用に使えるのなら、これを、『055』型に搭載することを中共海軍はとうぜんに企図するはずだが……。
 システムが洗練されていないので、載せようがない、というか、載せても仕方がないのだ。

 ※前回の威嚇発射でも、標的に命中させたことはなく、たんに海面に落としただけ。いままで、海上の標的に当てたことは一度もなし。動く標的も狙ったことなし。そんなものが実用の戦術兵器であるわけあるか? 典型的なフェイク兵器なのである。

 『055』型は8番艦で終わる。おそらくこれを改良強化する『055A』型が計画されているはずだ。そこにおいて、なんらかの「空母キラー」ミサイルが搭載されるだろう。
 米国の一ソースは、『055A』型では推進機関が電化され、レーザー砲か電磁砲も搭載されるだろうと言っている。

 たぶん、ロシアの「ズィルコン」超音速対艦ミサイルの同格品なら、艦載は可能だろうと一海軍専門家は言うておる。

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 Peter Dizikes 記者による2020-9-11記事「How hunting helped shape elite society」。
       MITで歴史を教えているゴールドバーグ教授の新刊『中世初期フランク王国における狩猟の研究』によると、シャルルマーニュは、60歳を超えてもまだ軍事指揮官としての能力は維持しているんだぞということを人々に示すために、大掛かりな狩猟を催していたという。

 中世貴族の狩猟対象は、赤鹿と野猪が筆頭で、その他、熊からウサギまで、なんでもありだった。鷹狩りもあった。
 ただしにいずれも、生活のため――喰うため――にしていたわけではない。すべて欧州貴族たちの狩猟は、純然たるレジャーだった。

 欧州において狩猟イベントにスポーツ社交儀式的な重要性が与えられたのはシャルルマーニュ時代である。それ以前は、狩猟する王を讃える詩人すら、いなかった。

 ローマが支配していたとき、野生の鳥獣は、誰であれ、それを殺した者に権利があった。しかしシャルルマーニュはそのルールを変えた。彼以降、すべての野生動物は、王の潜在所有物ということにされたのである。
 「密猟」の罰金は巨額で、事実上、逮捕された平民は、奴隷に落ちるしかないほどだった。

 ※それは資源の減少と関係があるだろう。としたら、下級貴族はまさに生活のために狩猟を必要としていたのではないのか? それは罠猟が、効率的だっただろうが……。

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 Ian Bogost 記者による2020-9-11記事「Your Phone Wasn’t Built for the Apocalypse」。
   北米。大規模な山火事で空が赤い。しかしそれをスマホの写真で撮ってやろうとすると、なぜか 赤い空が 灰色に写ってしまう。
 これは、スマホの中のAIが、勝手に空の色がおかしいと判断して、補正するからなのだ。
 あまりに異常な天変地異を撮影するのに、スマホのカメラ機能は、じつはあまり適してはいないのだ。



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