雨が降っているのに「濡れていない」ことを理由に傘を投げ捨てようとする者は、賢明ではないでしょう。

 Margaret Carlson 記者による2020-9-18記事「Ruth Bader Ginsburg Has Died. She Leaves Behind a Vital Legacy for Women ―― and Men」。
   身長5フィートだった最高裁判事、ルース・ベイダー・ギンズバーグが転移性の膵臓癌のため死去。87歳。
 今日のように法廷用語として「セックス(性)」のかわりに「ジェンダー」を使うようにし向けたのは彼女なのである。

 コロンビア特別区の連邦控訴審判事として彼女を抜擢したのは1980のジミー・カーター。ついで1993にクリントンが、米史上2人目の最高裁判事に引き上げた。

 妊娠中の女性労働者が仕事ができないのを理由に解雇してはならないという判例をつくったのが、ギンズバーグ法廷だったが、それは彼女自身が苦労させられてきた現実だった。

 なお最高裁判事団の中での席次は、最終的に、第二位だった。主席判事はジョン・ロバーツである。
 生まれはブルックリン。1933年。

 コーネル大在学中に結婚しギンズバーグに姓が変わる。そこからハーバードロースクールへ。
 政府の社会保険庁で働いているときに、妊婦ゆえに減給されるという体験をした。

 ハーバードとコロムビア大の両方で『ロー・レヴュー』誌の編集をやったような優秀学生は、卒後にすぐに一流ローファームか、最高裁のクラークシップに迎え入れられるのが普通だが、彼女は女子ゆえに、そんな声もかからなかった。

 彼女は下級裁判所のクラークシップに就職するかたわら、スウェーデンにおける男女平等法の実践について何年も調査し、それについての1冊の本を、スウェーデン語で書いた。

 子育ておよび病気の亭主の世話のかたわら、コロムビア大の教授となり、米国初の男女差別判例集を執筆し、1980の抜擢となる。
 1993のクリントン政権成立時には、彼女は司法長官などの閣僚ポストを欲したようだ。だが叶わなかった。
 最高裁判事としては、《少数意見の大物判事》として名を残した。

 ※ちかごろ視ていて「これは感服した」と思えるドラマは『グッド・ワイフ』だけなんだけど、あの世界があるのも、故RBGのおかげであるということは、覚えておいてよいでしょう。なお、ドメスティック描写の部分はぜんぶ早送りしてます。あそこだけ余計なんだわ。

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 J.P. LAWRENCE 記者による2020-9-20記事「Civilians reported killed in airstrike by Afghan military」。
  アフガン政府軍の空軍機〔おそらくスーパーツカノだ〕が、ゲリラと住民を区別しないで、盛大にやらかしたらしい。

 ※それだけはやるなよと、さんざん口を酸っぱくして耳にタコができるまで教育されていたはずなんだが、無駄だった。駄目な連中は、何をやらせても駄目だった。さて、ここからは、ふたつの道がある。ひとつはロシア式で、もはやゲリラと付近の民間人の区別をやめる。どっちも皆殺しにするんだという、シリアのアサド政権の道。もうひとつは、この連中との関係を徐々にフェイドアウトさせ、縁を切ること(あるいは中共に任せてウイグル化してもらうこと)。おそらくトランプが撰びたがっている道だ。もし、失敗国家を建て直すことが教育によって可能であるのならば、そもそも米国の大都市にスラムはないし、ひるまっから麻薬を吸ってフラフラしているような若者なども、ひとりもいなくなっている理屈だよね? トランプの方が高級軍人たちよりも現実を見ている。誰も失敗国家を救出はできない。

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 この連休を利用して、北海道に旅行に来たが、今晩の宿がみつからない……という人へ。
 24時間営業の立ち寄り温泉施設で仮寝するのは厭だというのなら、苫小牧にある「グランドホテルニュー王子」に電話して、部屋があるかどうか聞いてみ。16階建ての巨大ビジネスホテルの中には、ちょっとタバコ臭いけれども、昔の「行灯部屋」よりは百倍もマシ、というツインやシングルが、余っていることがあるもんだ。空調をまわせばタバコ臭だって気にならない。
 あの町は工場とフェリーで成り立っている。観光スポットじゃないから、長期連休中は逆にビジネスホテルは隙ができると想像ができる。苫小牧なら、翌朝にどの方面へ出撃するにしても、至便だろう。どの方面にするかは、天気予報を調べて、決めればいい。北海道では、雨が降っている方面へわざわざ足をのばすのは、避けた方がいいからね。
 余談。何十年もま~ったく、知らずにいたこと。「層雲峡」は、もう無いのだ。わたしが37年前にバスの車窓から見て感動したあの光景は、崖下を走る狭いバス道路が1995年にトンネル化されてしまったことによって、消滅していたのだ。貸し自転車で走るには最高の「ブエナビスタ」だったのに……。いやもちろん今でも、黒岳登山のロープウェイ基地として、温泉ホテルは林立しているご様子たが、あのすばらしいルートが廃道となっては、何の価値がある……?



封鎖戦 中国を機雷で隔離せよ!


日韓戦争を自衛隊はどう戦うか