やはり低速機からの受油はむずかしいのか。それとも海兵隊パイロットの腕が悪いのか。
2018のホーネットの場合は、岩国基地所属のパイロットたちの質が特別に低いのだとささやかれたが……。
ロシア空軍も、訓練ドッグファイト中にスホイ35Sが30ミリの実弾を僚機のスホイ30に当てて撃墜してしまったという話。実弾は入っていないことになってたらしい。江田島平八かよ。
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Major Dan 記者による2018-9-30記事「September 30, 1915: Airplanes Can be Shot Down from the Ground」。
歴史上さいしょの、AAGによる敵軍用機の撃墜は、この日に起きた。
手柄はセルビア軍。
やられたのはドイツのファルマン機。直撃をくらった。
口径不明のセルビアの大砲を、ポーランドの砲架と組み合わせて、高射可能にしたものだった。
照準は、砲手の兵隊が、砲口から覗き込んで付けた。文字どおりのボアサイトだった。
初弾でいきなり命中した。
ちなみに、レッドバロン(リヒトホーフェン)を殺ったのは、地上の歩兵が放った単発のライフル弾だったという話が、最新の弾道研究によって、主張されているそうだ。
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John Lisle 記者による2020-9-29記事「The Unsuccessful WWII Plot to Fight the Japanese With Radioactive Foxes」。
CIAの前身であるOSS。そのドノヴァン局長は、対日戦のスタートと同時にさまざまなアイディアを募った。
そのひとつに「おきつねさま」もあった。
エド・サリンジャーは戦前、東京で貿易商を営むかたわら、日本の迷信風俗を研究し、それ関係のアート・コレクションで知られていた。それで、日本人がキツネの迷信をもっていることにも詳しかった。彼はOSSの心理戦部門に雇われ、《オペレーション・ファンタジア》が1943年に構想される。
まず何を考えたか。キツネの外形をした風船を日本の上空に飛ばしたら効果的ではないかと。それで日本人は恐れおののくのではないかと。
またOSSは笛のメーカーに、キツネの鳴き声に似た音が出る笛も発注した。
それを最前線で兵士が大量に吹鳴し、日本兵を恐れおののかせる予定であった。
またOSSは別な一社を雇い、キツネの体臭を人工的に合成してもらったという。
それによって日本の市民は恐怖のため縮こまるはずであると。
風船、笛、人工臭の3アイテムは、しかし、実戦配備前に抛棄された。その代わりにOSSは、ホンモノのキツネの利用を考え出す。
シナと豪州で狐を捕獲し、体毛に放射性の発光塗料をスプレーして、日本本土の村に放とうというのだ。
発光塗料は、米国ラジウム会社が提供できた。
問題はあった。1917年前半に、ダイヤルに発光塗料を塗る作業をしていた女工たちが、ラジウムの害を知らずに、筆先を細く整えるために舐めていたことから、顎部の壊死などの職業病に罹っているのだ。
OSSもそれは知っていたが、構わないと考えた。
生きた動物の毛皮にラジウムを塗るテストは、セントラルバーク動物園の協力を得た。1匹のアライグマが客たちの目の届かぬ場所へ隔離され、実験された。
次に、光る狐を目撃した住民がどのような感銘を受けるかを調べるため、OSSは、ラジウムを塗った30匹の狐を実際に首都ワシントンのロッククリーク公園に放って、住民たちの反応を観察することにした。もしアメリカ人がこれに驚くなら、日本人も恐れおののくであろう。
1945年の夏の夜、実験はおこなわれた。散歩中に光る狐を目撃した住民のうち1名は、公園警察官に通報した。
次の問題はこれを日本の島にどうやって届けるかだった。OSSの当初構想では、近くの海上に狐を投げ落とせば、かってに泳いで上陸するだろうというものだった。しかしそれは実験されたことがなかった。狐が溺れずに何km泳げるかのデータは無かった。
チェサピーク湾で実験することになった。霧深い早朝。小さいケージに1匹づつ狐を入れて。
湾の中央でボートのエンジンを止め、狐を次々と、海面へ投げ落とした。
狐は遠泳力を証明した。すべてが、岸まで泳ぎ着いた。しかし、その時点でラジウム塗料の過半は剥がれてしまっていた。さらにキツネは、上陸するやすぐに、残った塗料をじぶんで舐め落としてしまった。
かくして、キツネを海上から放つ方法はダメであると判明した。
キツネが銃火におびえて、日本軍陣地の方へ行ってくれない場合はどうするか?
サリンジャーいわく、キツネの数を増やせば、何割かはあっちへ行くだろう。
そしていわく。いよいよキツネがダメなのであれば、準備の一層容易な、ミンク、麝香ネズミ(マスクラット)、アライグマ、コヨーテで代用すればいいじゃないかと。
サリンジャーの構想のひとつがペンシルベニアの陸軍ヘリテージ&教育センターにOSSのメモとして残されている。それによると、剥製のキツネの頭部に人間の頭蓋骨を挿入し、黒服を着せ、光る骨の模様をその黒服にペイントし、機械仕掛けで顎がパクパクするようにし、それを風船または凧に吊るして、日本の上空に放流すれば、日本人の戦意は挫かれるだろうという。
《オペレーション・ファンタジア》について、OSSの研究開発部長のスタンレー・ロヴェルは、早くも1943-9-24に、こんな計画はやめたほうがいいという意見を表明している。記録がある。
ロヴェルは、ヒトラーの食卓の野菜に女性ホルモンを混入することによって、その口髯を消滅させてしまうという作戦を考え、「モリアティ教授」と仇名されていたほどの人物だったのだが……。