腐っても英国。

 Jack Watling 記者による2020-10-6記事「The Key to Armenia’s Tank Losses: The Sensors, Not the Shooters」。
       英陸軍参謀総長のマーク・カールトン・スミスは、英陸軍は新時代の戦争に対応できるように建設されなければならぬ、と声明している。

 今次のナゴルノカラバフでは既に42両以上のアルメニア軍装備のT-72戦車が、アゼルバイジャン軍のために撃破されている。英国内ではその理由についての論議がある。

 アゼルバイジャン側がネットに投稿している動画が頼りだが、分析者たちは、今日の戦場におけるセンサーの濃密さが、陸戦の様相を変えたと睨んでいる。

 走行して移動中の戦車を、なかなか敵眼から隠せるものではない。これは西欧の軍隊でも同じだ。
 アルメニア軍は停止間には戦車をうまく敵眼から匿すことができている。戦車壕も掘っているし、対空擬装もしているのだ。
 アゼルバイジャンが失敗動画を投稿せず、アルメニア側に動画宣伝の意識が低いために、実態を第三者が把握しにくい。
 すくなくとも2件、アルメニア側が設置した戦車のデコイに、アゼルバイジャンのミサイルが吸引されていることがわかっている。

 今日のセンサーの威力。
 GMTI=地上移動物探知レーダーは、目の前、150km以内に存在する、動くモノを知らせてくれる。擬装を念入りにしようがしまいが、夜だろうが、動けばバレてしまうのだ。

 既知の道路ではないところを動いているモノ、車両間の間隔をしっかり保っているフォーメーション。それだけで、軍隊が移動していると、GMTIのモニターの上では、わかってしまう。

 西側軍隊は今日、歩兵小隊がこれから攻撃しようかというときにも、おびただしい通信量の無線のやりとりがある。露軍レベルの敵には、それをモニターしているだけで、こっちの意図が読める。通信内容はどうでもいい。量の変化と発信点から、意図が分るのだ。もちろん歩兵の位置もバレバレである。

 サーマル・イメージング技術が光学監視手段に組み込まれている今、部隊の存在秘匿は、夜だろうが昼だろうが難しい。たとい、車両そのものをサーマル擬装によってうまく環境中に溶け込ませ得たとしても、乗員や同乗歩兵が用を足すためにその高度なカモフラの外に歩いて出たり入ったりすれば、そこに車両が存在することが推定されてしまう。
 生身の人間が活動している以上、兆候はどうしても隠せないのだ。

 UAV偵察機を運用するようになって、西側軍隊は、すっかり観念した。もはや、装軌車両は上空の目からは位置が隠せない。車体そのものを隠すことができても、履帯の条痕が、地面にくっきりと残るためだ。まさに、アタマ隠して尻隠さず。本体がじっとして隠れていようと、そこまで延々と続いてきた足跡は、消えてはくれない。条痕が消失した先に、モニター上で四角いドットが見えているようなら、それがAFVのカモフラだと推知できてしまう。
 ※だからイギリス陸軍はMBTの廃止を決意したのか!

 だが、戦車の時代がもうすぐに終わるとは思うな。

 というのは、陸上の戦闘に決を与える「突撃」の必要は、まだなくなっていないからだ。擬装をかなぐりすてた、突撃とその防禦の局面では、車両の装甲は、頼りになる。

 デコイ〔とくに電子的なデコイ〕が徹底活用されるようになるだろう。敵のセンサーに対する電子光学的な妨害も併用し、真の目標なのか偽の目標なのかの判断が、ごく近迫した距離になるまで、つけらぬようにするのだ。
 ※履帯条痕をわざとつける装置を装輪車に牽引させる方法だってあるだろう。

 英陸軍は、砲兵隊も、「攻撃UAV隊」に生まれ変わらせてしまう計画である。32個の砲兵連隊が、解隊される。
 ※砲兵の観測手段としてUAVが頼られているなら、そのUAVに直接攻撃させた方が早いというわけか。とうぜん、わが陸自も早くそうするべきである。中途半端な砲熕兵器やロケット装備では、沖縄本島から尖閣沿岸を火制できず、税金の無駄である。攻撃型や自爆型のUAVならば、それができる。

 次。
 Antonio Regalado 記者による2020-10-7記事「The Nobel Prize in chemistry has gone to the two women who pioneered CRISPR gene editing」。
      2020ノーベル化学賞受賞2名の業績。2012年にDNA切断のためのCRISPR利用術を確立した。
 これにより遺伝子加工が楽々とできるようになり、たとえば難病治療としての遺伝子療法に道が開かれた。
 と同時に他方ではさっそく2018年に支那人研究者が暴走したように、遺伝子カスタムによるデザイン・ベビーだって簡単につくれてしまうようになっている次第。

 ところでノーベル賞は、ひとつの分野について同時3人にまで賞を授けることができるとしている。だが今回、その3人目は欠だ。これはおかしい。DNA細工術は複数の学者が競うようにして発見したのである。そのなかには、今回の2名と特許を係争中の学者もいる。
 また、受賞の2名は、それぞれ欧州と米国でじぶんの会社を立ち上げ、大儲けを追求中。金銭的には、とっくに酬われているのである。