タイヤのボルトは人力で締めましょう。リフトした状態で締めたあと、ジャッキを下ろした状態でさらに念を入れて締める。ほんとうはトルクを計れる手動レンチがいいのだが……。

 ストラテジーペイジの2021-11-13記事。
    インド相手に武器を輸出しようとすればどんな悪夢に遭うかというまたひとつの実例。
 〔中共との戦争が切迫していると思った〕インド陸軍は1億9000万ドル分の弾薬をロシアに発注し、ロシアはその出荷準備を今年の2月に整えた。
 インドの法規により、この商品は、出荷前に、インド軍が派遣するPDI(発送前点検官)のインスペクションを受けなければならない。

 ところがこのPDIがいっかなロシアの港へやってこない。《新コロが怖い》とかほざいているのだ。
 ※ヒマラヤでの戦争の可能性が遠のいたので、弾薬が要らなくなったということ。

 インド海軍とインド空軍は、本国からPDIを派遣しないかわりに、モスクワ大使館に駐在する武官にPDIをやらせている。ところがなぜかインド陸軍は、そうしない。大使館に武官がいるのに、そいつを働かせようとはしないのだ。

 弾薬は特別な倉庫に保管しなければならず、保管しているだけでコストがどんどんかかる。売り手はたまったもんじゃない。

 ロシアは9月に、保管コストの売価への上乗せを要求した。インドは1人のPDIを含む10人の陸軍軍人を訪露させると返答したが、インドの国防大臣はその出張をキャンセル。理由は、旅費がかかるから、だという。

 10月、インド陸軍は、モスクワ駐在武官にPDIの資格を与える、とアナウンスした。
 しかし現在まで弾薬がインドの港に着いたという情報はない。それはまだロシアの港の倉庫に滞貨となっているのだろう。

 次。
 SETH ROBSON 記者による2020-11-13記事「Human rights pressures may further complicate US-Philippines relations during Biden presidency」。
     ドゥテルテが比島大統領になったのは2016。就任するとすぐに、裁判によらない麻薬犯罪者の射殺作戦を開始した。それがオバマ政権の末期と重なっていた。オバマ政権がドゥテルテのやり方を非法であると難じたので、ドゥテルテはオバマを「売女の息子」と呼び、中共・ロシアに接近し、比島内に駐留している米特殊部隊は出て行けと言い始めた。
 同じパターンがバイデン政権下で繰り返されるのは困ると米国務省はちゃんと考えている。
 切り札がある。

 先月、韓国生まれのソン・キム大使〔原名が金星容なので Sung のあとに何か続くはずだが、帰化するさいに省略したんだろう。金は父親が外交官で、ほとんど米国で育った〕が、マニラから、インドネシア大使へ転任して行った。キムはオバマ任命の大使であったが、トランプ政権を通じてマニラ大使館に留任していた。キムはドゥテルテを刺激しない方法がよく分っていたので適任であった。
 次に着任する大使もキムの流儀を踏襲することになるだろう。

 ※この大使は言うなれば《西太平洋域のフラフラしている国》専用のエース外交官なのだろう。その金大使がインドネシアに行ったということは、米国務省はインドネシアを味方に取り込む気満々だ。ただ、それとは別に、比島の司法当局の幹部が米国入りができるビザを貰える日は、とうぶん来ないだろう。相互主義により、米国の司法当局幹部も比島入りはできない。ドゥテルテがいる限りは。



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