さっそく嘘宣伝で揺さぶりをかけてきた。米政権移行期の不安定状態を大いに利用すべく。

 Kristin Huang 記者による2020-11-14記事「China’s ‘aircraft-carrier killer’ missiles successfully hit target ship in South China Sea, PLA insider reveals」。
    
 8月に中共が青島から「東風26B」を、浙江省から「東風21D」を試射したことは既報であるが、1999『超限戦』の共著者のひとりの王湘穂(1954生まれ)が、その複数のミサイルが、パラセル諸島南部海域を航行していた1隻の動く標的に命中したのである、と先月浙江省で非公開に講演していた。そのフカシの内容が、11月11日に印刷公開されて判明した。

 ちなみに『超限戦』の主張は、《地球上の誰も合衆国を軍事的に負かすことはできないので、非軍事的な方法や嘘宣伝によって米国を弱めてやるべきである》というものだった。

 その講演がなされた会場は、上海エリートがよく利用する浙江省の莫干山。内外情勢や次の5ヵ年計画などを討論する、4日間の国内改革フォーラムが開催されていた。参会者は、エコノミスト、引退した政府役人、投資家たち80人であった。

 第二砲兵の学校を卒業し、マスコミ業界で第二砲兵のための著述宣伝活動をすることをなりわいにしている Song Zhongping も、王の発言を補強した。

 ※対艦弾道弾はこれまで移動目標どころか、洋上の静止目標に対してすら、ただのいちども、実射試験がされたことがない。その段階をパスして、いきなり難度の高い移動船体を標的に大射程で試射したとし、しかも、1隻のターゲットに複数のミサイルを同日に指向してデータを取りにくくするなど、科学実験のイロハを知る者ならばすぐに嘘だと気づかねばならない法螺話である。このような実射が本当に成功したならば、ロートルの大学教官WangやテレビコメンテーターのSongなどの無責任な口をして語らしめるのではなく、部内者である軍が、軍お墨付きのある写真やビデオを公表すればいいだけの話だ。

 次。
 Lauren Fuge 記者による2020-11-14記事「Can we control where lightning strikes?」。
    豪州では乾季に落雷のために潅木帯に火事が多発して困っている。コアラが焼け出されている。
 そこで、カミナリのコースを制御できないものか、ある実験がなされた。豪州国立大学。
 ふたつの金属板電極の間で、レーザービームを使って回廊をつくるのだ。空気中のグラフェンの微粒子が加熱されることで、電光の通り道になる。

 放電コースをミクロな規模で人工制御することができれば、それは外科用メスの代りになり、非侵襲的な手術の適用が拡がるだろうとも、研究陣は期待している。

 ※落雷のエネルギーは原爆に匹敵するので、それが人工的に制御されるようになったら「気象兵器」が完成するのである。とにかく日本はレーザー研究を急がせねばならない。レーザーを導きの糸とし、大気中の電位差エネルギーを動員することができるようになったら、それによって、ターミナルフェイズの使える「MD」を完成させられるかもしれないからだ。



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