ウクライナがチェコから古い装輪自走砲を買った単価が154万ドル。

 2020-11-30記事「Florida Poly builds first pipeline to elite US Navy officer program」。
    フロリダ工科大学は、海軍の核動力の専門技術将校を志望するなら1年生から海軍の奨学金が適用されるという新制度を全米にさきがけて導入した。パイプラインプログラムと呼ぶ。

 米海軍はこれまで、理系の大学三年生以上に対し、卒後に核動力専門技術将校になるという条件で奨学金を提供してきた。※ROTCの専門科バージョンという感じ。

 フロリダ工科大ではまず12名の学生からこの適用をスタートする。1~2年生は、秋に5000ドルの奨学金を貰う。
 2年生の2学期に、海軍の核動力将校育成プログラムを併せて受講することにすれば、海軍は2万6000ドルの奨学金を与える。その金額は、3年生と4年生では年額5万3000ドルに増やされる。
 以上は必ずしも海軍入営を意味しておらず、返済して民間に就職することもできる。しかし海軍に入る契約を結べば、一時金ボーナスが1万5000ドル、追加される。

 この制度、3年生以降は海軍軍人にだけ適用される健康保険に加入する資格が与えられる。海軍基地内のジムや組合売店を利用できるIDも交付される。

 さらに、海軍兵学校式に「メンター」(指導役上級生)も、1人ずつついてくれる。何でも相談すればよい。


 次。
 Addison Nugent 記者による2020-11-29記事「Why Heron’s Aeolipile【アイオロスの蒸気球】 Is One of History’s Greatest Forgotten Machines」。
   西暦62年、ローマ帝国の文化的な首都はエジプト北岸のアレクサンドリアだった。

 この都市でギリシャ人のヘロンが、「アイオロスの蒸気球」を製作した。人類が製造した最初の蒸気エンジンかもしれない。蒸気の噴出し口が芯に対してオフセットされているので、下から加熱すると、噴出しの反作用により、軸を中心に回転する。

 ヘロンについては確実なことが伝わっていない。西暦10年から70年にかけて生きていたようだ。彼はアレクサンドリアにあった当時世界最大の図書館に入り浸っていた。

 彼が書いたものはアレクサンドリア図書館の焼き討ちによってギリシャ語では失われたのだが、それをアラブ人が翻訳したもののおかげで、7冊分が、後世に伝わっている。大学で学生に読ませる教科書のように段階的に詳しい解説がなされている。あきらかに彼はアレクサンドリアの大学の教員だったのだ。

 彼は、コインを入れると聖水やワインが出てくる、世界最初の自販機を、寺院内に設置した。
 機械の鳥に歌を歌わせ、ロボットも製造した。ロープの結び目や歯車の歯によってプログラムができる、機械の仕掛けだけで、10分間の劇を上演した。
 寺院の「自動ドア」も作った。

 風車の力で空気がパイプに送り込まれ、エアリードが振動して音が出る、無人吹鳴装置も作った。
 彼は数学者でもあった。三角形の面積を求める式は「ヘロンの公式」と今でも言われる。

 ヘロンはとつぜんすごいものを発明したのではない。紀元前222年に死んでいるクテシビウスが、圧縮空気とポンプの作用を書き残しているからだ。ヘロンはそうした文献を図書館で見たのである。

 ではなぜ蒸気動力を利用する産業革命は1700年代まで起きなかったか?
 これは冶金術の進歩と関係がある。高圧蒸気を閉じ込めておけるボイラーを、それ以前の技術では、工作しようがなかったのだ。

 また、奴隷や役畜を使う方が安価にエネルギーを取り出せる社会では、蒸気動力を産業に利用しようなどとは誰も考えない。

 1543年、スペイン海軍のブラスコ・ガライ大佐が、風をたのまずに船を前に進ませる方法がある、と神聖ローマ帝国に提案している。
 銅板で蒸気ボイラーをつくり、その力で外輪を回すというものだった。

 ついに1689年、地下深くの炭坑に溜まる水を地表まで汲み揚げるためには、人力や蓄力ではどうにも間に合わないと認識され、初歩的な蒸気ピストンが製造された。あとは、1954年の原子力発電所まで、一直線だ。



技術戦としての第二次世界大戦 (PHP文庫)


日本人が知らない軍事学の常識