なんでも電動にすればいいってもんじゃない。

 水洗トイレのフラッシュが電気式になっていると、停電時や電池切れの節目に、大変なことに……。やはりレバー式が最強なのである。
 あと、自動車のウインドウね。手回し式がいちばんだろう。

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 J.P. LAWRENCE 記者による2020-12-25記事「‘Peanuts’ creator Charles Schulz’s experiences in WWII shaped the character of Charlie Brown」。
   チャールズ・シュルツはWWIIに従軍した曹長だった。そして1950年代に新聞漫画の『ピーナッツ』で全米を制覇した。
 シュルツ曹長はダハウ収容所の解放やミュンヘン市の占領にも参加している。
 3年間の軍役で学んだことは「孤独」だった。それをキャラクターのチャーリー・ブラウンに投影した。

 召集令状は1942-11に受け取った。子宮頸癌の実母を置いて出征しなければならなかった。新兵訓練キャンプはミネソタ州のフォート・スネリング。
 休日に実家を見舞うと病床から母が言った。「スヌーピー」という名の犬をこの家で飼えたらいいのだが……と。ノルウェーでは、かわいい犬の名としてふつうにつけられている名前だった。

 その希望は実現しない。シュルツが1943-2に基礎訓練を了えて異動する数日前に母は身罷った。

 シュルツは、ケンタッキー州につくられたばかりのキャンプ・キャンベルに着き、第20装甲師団に配属される。戦友によればシュルツは誰が見てもホームシックでぼっちな奴だった。夜中に寝台で泣いていたという。

 ところが軍隊生活は彼を有能なデキる兵隊に変えた。
 じきに曹長になって、新兵教育係の分隊長を拝命したという。

 1945-2-25にシュルツの部隊は渡仏。ノルマンディ近くのシャトーでさらに訓練に明け暮れた。
  ※ものすごい時間をかけて訓練していたことが分かるよね。これは強いわ。

 このシャトーでの印象は、「ボン・ヴォヤージュ、チャーリー・ブラウン。もう帰ってくるなよ」というアニメ作品(劇場用)に反映されているそうである。

 ロスバッハ郊外の村を通過したとき敵狙撃兵の弾丸がシュルツをかすめた。
 また、2人の独兵を殺すか捕虜にするかの選択権を握った瞬間もあった。けっきょく殺さなかった。

 シュルツは漫画の練習を徴兵される前から始めていた。だから復員すると、1950年になる前に、全国新聞シンジケートで『ピーナッツ』が連載されるところまで到達した。

 ある年のヴェテランズ・デイに、スヌーピーはビル・モールディンとドラフトビールを一気飲みしている。これはシュルツの従軍中の想い出そのままだ。戦地で愛読していた『星条旗新聞』の連載漫画『ウィリー&ジョー』の作者が、モールディンなのだ。
 ヴァジニア州ベドフォードには、国立D-Day記念墓地がある。これはシュルツが100万ドルを寄附して造らせた。

 シュルツは77歳で死去した。結腸癌で、2000年に。

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 ストラテジーペイジの2020-12-25記事。
   ロシアは核動力の砕氷船を5隻と、核動力の輸送船を1隻保有している。その原子力輸送船『セヴモルプト』が南極に新基地を建設するための5000トンの物資を運ぶ途中、アフリカ西海岸で故障してしまった。

 同船は12-2にセントペテルスブルグに引き返すことになり、半速で北上中である。

 じつは2020-10に新鋭の原子力砕氷船『アルティカ』が就役する予定だったのだが、遅れている。電動モーターの調子がよくない。
 例によって、タービン発電機がウクライナの工場製を予定していたのがネックになった。『アルティカ』の設計が2009年。起工が2013年。そしてプーチンのウクライナ侵略が2014年なのだ。

 ウクライナ製が使えないとなると米国製しかないが、オバマ政権は対露経済制裁を発動したのでそんなものは輸出できない。
 けっきょく、ロシアの工場で製造することになった。
 というわけで『アルティカ』の竣工も大幅に遅れている。



軍学者が語る! 沈没ニッポン再浮上のための最後の方法