防衛省は産経の記者に対して「12式地対艦誘導弾」の射程が190kmだと説明したと思しい。

 2020-12-29-0039にUpされた「《独自》「国産トマホーク」開発へ 射程2千キロの新型対艦弾 12式は1500キロに延伸」というタイトルの記事の中に「当面は従来の約200キロから900キロ程度に延ばすが、最終的に1500キロを目指す」というテキストがあり、他方、附図には、げんざい900kmである射程を1500kmにするのだとの説明がされている。この図中の「900」は「190」のとりちがえか? 190kmと説明されたのならば「約200キロ」と書いても間違いではないだろう。

 石垣島に「12式」を持ち込めば170km先の魚釣島まで届くのか? 宮古島からではギリギリすぎておぼつかないことは、確実。

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 Rylee Boyd 記者による2020-12-28記事「Assessment of the Use of Poisons as the Weapon of Choice in Putin’s Russia」。
      ロシア政府機関による個人への毒物攻撃は、プーチンがそらとぼけやすいという点で戦略的決定である。
 毒薬は個人には検査・診断できないし、被害が発生してから原因が分るまでに相当の時間がかかる。銃殺や爆殺や交通事故との違いだ。
 ロシア政府は、やられたと気づいた被害者がすぐに国外に出て、外国の検査機関で検査を受けることのできないように、出国を妨害する。

 2018年にロシア国内で毒物を仕込まれた活動家のピョートル・ヴェルジロフの場合、ベルリンに出国するまでに数日間、当局から監禁され隔離された。
 ドイツの医師が検査したときには、毒でやられたのだろうとまでは診断できたが、毒物の痕跡は、もう辿れなかったのである。※ロシアは《数日で消える毒》を政治工作用に開発したつもりだった。

 これはノヴィチョクでやられたと疑われた、反プーチン派のアレクセイ・ナヴァルニィのときも同じだ。2020-8月20日のニュースによれば、彼もベルリンにすぐに出ることがゆるされず、まず身柄をオムスクの病院に強制移送させられた。そこで痕跡が消失するまで監禁されていたのである。
 ところがドイツ医師団は一枚上手だった。彼らはノヴィチョクの痕跡を検出した。

 しかしそのように検出されてもなお毒薬工作には政治的な利点がある。ガイシャがいつどこでどのように毒をあびせられたものか、何週間も後からでは、ほとんど解明はむずかしいのだ。
 現場がロシア国外であったとしても、その犯人を不明のままにしやすい。

 過去20年で7回以上、プーチンは特定個人に対する毒害工作を命じている。この頻度からして、軍・公安系機関が、化学兵器禁止条約を無視して、実用のための量産とストックを維持していることは自明だ。つまり、連中は、次の戦争で毒ガスを使う準備ができている。

 プーチンは、毒害工作は、殺すのに失敗したとしても効果は抜群だと考えているのだろう。やられた被害者は、おそろしくなり、プーチン批判を控えるようになるだろう――と。
 ところが反体制活動家というものは、そんな脅しに屈するものじゃない。
 ナワルニィはモスクワにまた戻るつもりでいる。

 2004年にアンナ・ポリトコフスカヤは毒殺されかかったが生き残り、当局の腐敗や人権侵害を報道告発し続けた。けっきょくプーチンは2年後にエレベーターで彼女を銃で暗殺させるしかなかったのである。

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 Tyler Rogoway 記者による2020-12-27記事「This Is All The Survival Gear That Apache Attack Helicopter Crews Fly Into Combat With」。
   英軍のアパッチ乗員は、「SA80」という極端に銃身の短い、サバイバル用の自動小銃と、「グロック19」拳銃を持って乗り込んでいる。
 また、アパッチをコンバットレスキューミッションに使うことができる。2名を機外にしがみつかせることができるのだ。



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(管理人Uより)

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