最速量産が実現したとしても21年中に世界人口の3割未満しかワクチンによる免疫を獲得できないとすれば、五輪なんかできるわけないじゃないか?

 Michael Zennie 記者による2020-12-30記事「The Oxford-AstraZeneca Vaccine Approval May Be the Most Globally Important Yet」。
     英国のオクスフォード大とアストラゼネカ(英&スウェーデン資本)が開発した武漢肺炎ワクチンは、米国ファイザーのワクチンより安価で、輸送も面倒ではないため、インド、ブラジル、南アフリカのような国にとっては、ファイザーよりもアストラゼネカが供給されることに期待がかかっている。

 アストラゼネカのワクチンがなぜ比較的に安価かというと、同社は、パンデミックが収まるまではこのクスリでは利潤を追求しないと公約しているためだ。
 だから注射1回ぶんが3ドルから4ドルで済む。
 これに対してモデルナの注射は1回が25ドルから37ドル。ファイザーの注射は1回が20ドルする見通し(欧州人が射つ場合)。

 アストラゼネカのワクチンは普通の冷蔵庫で保管すればよく、それで6ヶ月も効力がうしなわれない。
 これに対してファイザーワクチンはマイナス70度に保ちつつ運搬しなければならない。
 モデルナワクチンは、解凍した後は、普通の冷蔵庫で保管することで最長30日間、使える。

 アストラゼネカは海外の工場を動員する体制も立ち上げており、2021年に30億人分を量産できる。
 たとえばインドのセルム研究所ではすでに5000万人分を製造。3月までには月産1億本にするという。

 世界最大の製薬企業であるファイザーの生産目標は、21年中に13億本を製造することだ。
 新興のモデルナ社は、目標数を5億本から10億本の間に置いている。
 ただしファイザーとモデルナの製造分については、すでに先進諸国が買い付け済みである。第三世界には回らないだろう。

 それに対してアストラゼネカのワクチン20億本は、190ヵ国へ公平に配分される。

 アストラゼネカのワクチンは「ウィルスベクター(Viral Vector)」技法を用いる。ジョンソン&ジョンソンのワクチンや、ロシアのスプートニクVも、やはり、ウィルスベクターを用いている。

 かつてエボラ出血熱を克服したワクチンも、この技法を使った。

 次。
 James Hamblin 記者による2020-12-22記事「The Mysterious Link Between COVID-19 and Sleep」。
   武漢ウィルスは、メラトニン(体内時計を作動させている、催眠ホルモン)によって防がれるのではないかと、クリーヴランドの研究者が考えた。

 仮説。メラトニンには、人の免疫力を整えなおす力もあるのではないか。ということは、睡眠は新コロ抑制にも役立つ。

 2020-10時点でコロムビア大はつきとめている。挿管状態の患者にメラトニンを投与すると生存率が高まる、と。
 それで、トランプが入院したときも、メラトニン投与が、追加処方されたのである。

 武漢肺炎の症状として不眠がある。このウイルスは神経系も攻撃しているようだ。

 ※政府は、数年におよぶウイルス蔓延下における「オワコン産業界」の事業者と従業員たちに別の道を歩ませるための廃業・転職支援の枠組をすぐに立ち上げなきゃダメだ。有害な希望を持たせるな。



ニッポン核武装再論