インドネシア海軍が調べたところ、例の中共製UUVは、海底地図を測量していた。

 DAN LAMOTHE 記者による2021-1-10記事「Iranian missile strike leaves plenty of scars a year later」。
    昨年(2020-1-13)イラン軍は、イラク西部の米軍基地「アインアルアサド」空軍基地に11発の地対地弾道ミサイルを撃ちこんだ。他に1発がイルビル市に。そして4発は途中で勝手にコースが狂って無人砂漠に落下した。
 これは2020-1-8のソレイマニ爆死に対する報復だった。
 ソレイマニ爆殺は、イラクの米大使館をソレイマニの配下ゲリラが囲んで攻撃したことへの対応だった。

  ※ソレイマニについては2018年に Ali Soufan 記者が詳細な報告を書いている。タリバンとペルシャ系ハザラ族は敵対関係にある。アフパック国境近くで生れたソレイマニは空手の黒帯で、兵士たちから人望があり、実質のイラン外相と呼ばれ、将来のイラン大統領候補だった。1998直後から9-11直後にかけて、ソレイマニと米軍は、対タリバンの情報を教え合う同盟関係だった。しかし2002-1にGWブッシュが――つまりは実質外交担当のチェイニーが――ソレイマニを切り捨て、以後は不倶戴天の関係に入る。2006からソレイマニはヒズボラの梃子入れに邁進し、イスラエルから狙われるようになる。2014にソレイマニに頤使されていたイラクのタラバニ大統領が退陣。2015にソレイマニは、国連から海外旅行を禁じられているのにモスクワに飛んでプーチンとも面談した。

 飛来したイラン製の地対地弾道ミサイルの弾頭の爆発威力は、直径30フィートのクレーターを穿つレベルであった。それが複数落下した。米兵複数が爆圧衝撃で昏倒した。

 イランのSSM攻撃によって死んだ米兵はいない。しかし、全長40フィート、弾頭炸薬1600ポンドの衝撃波は強烈であった。
 米兵たちは地下退避壕に入っていたのだが、その施設が浅すぎた。だから水平距離で60フィート以上に着弾したSSMのブラストで深刻な脳内障害がもたらされている。

 基地には110人の米兵がいた。
 このうち29人は深刻な脳の後遺症をひきずっている。

 イラク内に駐留する米軍特殊部隊は、イランからのミサイル/ロケット弾攻撃が警報されたときは、空軍のCV-22に人員を詰めるだけ詰め込んでその基地から離れる手順になっていた。CV-22の公式定員は24名だが、いざというときは、それよりもはるかに詰め込める。
 当時、ある基地では、194人の特殊部隊員等を3機のCV-22で瞬時に離脱させる計画を立てている。
  ※つまり1機のオスプレイには64人くらい積めるわけか。ちなみにわが陸自のチヌークには100人を立ち乗りさせる余裕がある。いざというときのエバキュエーションでは。

 基地には194人以上いたので、残りは残留させる計画だった。

 「インカミング! テイク・カバー!」というミサイル警報は深夜の1時にラウドスピーカーから放送された。
 着弾は1時34分だった。
 基地警備用のMRAP耐爆トラックのドアが、300ヤード先からの爆発衝撃で、開いてしまったという。そのぐらいの威力。

 ある兵士は、3発目の着弾の衝撃波で気絶し、あとのことは覚えていない。

 基地内の退避シェルターは、対ロケット弾用で、対SSM用ではなかった。地面を深く掘っておらず、分厚い天蓋もない。コンクリートブロックと土嚢で壁状に囲んだだけの構造。築城の考えが甘すぎたのだ。

 着弾時に目を保護していなかった軍属たちはことごとく、深刻な視力障害を負った。
  ※ゴーグル必装。化学兵器攻撃も予期されていたのに、甘かったね。

 爆発でたちこめた土埃が口に入ったとき、アンモニアの味がしたという。
 爆発のキノコ雲は明るい赤色~オレンジ色だったという。

 ※このリポートは、イランのSSMの弾頭には硝安爆薬が充填されていることを示唆しているように読める。TNTではなく……。もし、爆速の小さいアンホの方が、距離の離れた敵兵の意識をノックアウトするのにいっそう適しているのであるならば、これは、ひとつの可能性につながるだろう。すなわち、船舶を沈没させないでブリッジの機能を麻痺させる、対《海上民兵》兵器に、役立つのではないか? 尖閣におしよせる数万隻の雑多な船にいちいちミサイルは撃ち込んでいられない。まとめて麻痺させる、空中爆発弾頭付の地対艦ロケット弾が、求められている。それが、730kg級のアンホ弾頭によって、実現可能なのではないだろうか。

 次。
 2020-12-23記事「Scientists suggested a way to measure soil properties at any depth without digging」。
   『ユーラシアン・ソイル・サイエンス・ジャーナル』に寄稿された、ロシアのRUDN大学の研究報告。地中レーダーを使って、ボーリングをせずに、地下の土壌の化学組成等を読み取れるという。農業に使えるかどうかが簡単に分かると。

 腐植土層があるかどうか。塩分濃度は。水分は。それらが分かると。

 これまでは、ボーリングをして深度ごとの土の色を視なければならなかった。
 しかし地中レーダーによって、それが可能になるかもしれない。

 土の色を見ればたいがいのことは見当がつく。土の色によって、レーダー反射にも違いがあるだろう。
 「黒土」だったら、農業には申し分ない。

 深さ3mまで探りたい。
 このためには、赤色波長が610~700ナノメーター、緑色波長が520~540ナノメーター、青色波長が450~475ナノメーターであることを利用すればよい。



戦争の正しい始め方、終わり方