米軍の関係者ですら、抗体ができるのは今年の夏以降になる。

 NANCY MONTGOMERY 記者による2021-1-13記事「Military in Europe finishes its first round of coronavirus vaccinations」。
    在欧米軍のうち武漢肺炎対策の最前線に立つ職種の者たちに対する第一回目のワクチン接種が火曜日までに実施された。3週間後には第二回目の接種が必要である。このワクチンは「モデルナ」である。

 欧州の全米軍基地に配られたワクチンの数量は秘密にされている。全世界の米軍基地だと、35万3500注射分がすでに配給されたという。

 イタリアのヴィセンザ陸軍基地の場合、200注射分が配られたことが分っている。基地病院の看護師らがすでに一回目の接種を受けた。その家族にまではまだ行き渡っていない。

 ドイツのラムステイン空軍基地の場合、2020-12-30に数百ショット分が届けられ、すでにその接種は済んだようである。

 アヴィアノ空軍基地、ならびにナポリ市にある米海軍病院の場合、金曜日から接種がスタートした。
 ブリュッセルの軍病院は、職員の数が少なく、木曜日までに第一回接種は終わるという。

 ポルトガル領アゾレス諸島の米空軍基地にはまだ最初のワクチンも届けられていない。今月末に届くかもしれないというペース。

 海外の全米軍関係者への二度の接種が終わるのは、2021年の半ばになる見通しである。
  ※民間人はさらに遅れる。したがって最短あと1年くらい、世界のどこであろうが、オリンピックなんて開催できるわけがないってこと。

 次。
 Megan Eckstein 記者による2021-1-12記事「Navy Wants to Shed Aegis Ashore Mission, But Army Still Hasn’t Agreed to Take It」。
   米海軍はコアなミッションに集中したいと思っている。地ージスはコアなミッションではないので、海軍の人員をそこに置きたくない。地ージス事業は陸軍にやってもらいたい。ところが、陸軍も、ルーマニアやポーランドの地ージス運営を引き取りたがらない。

 これは海兵隊がその戦車と十五榴をすべて陸軍に譲渡してしまったのと軌を一にする指向である。ちなみに海兵隊は陸軍と合同で作戦すれば、戦車も十五榴もけっきょく同じ戦場にやって来るから、困らない。

 しかし戦車や十五榴とは違い、陸軍はこれまでイージスシステムにはまったく馴染みがないため、二の足を踏んでいる。簡単に、それでは引き取りましょう、とは言えない。

 ※イレギュラー抛物線弾道弾や、コース可変式ハイパーソニック巡航ミサイルの実用化により、イージスの基本コンセプトそのものが無意味化する趨勢を見越して、サンクコスト発生源は早く他のサービスへ押し付けて逃げ切りたいというのが米海軍の本音だろう。そこにかける予算と人員すべてが無駄になると予見できているのだろう。



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