中味の液体を急速に凍結させても割れぬ小瓶の研究も進めるべきだろう。

 Antonio Regalado 記者による2021-2-1記事「So you got the vaccine. Can you still infect people? Pfizer is trying to find out.」。
   すでに新コロに罹って治ったと思っている人も、ファイザーワクチンの二度接種を済ませた人も、引き続きマスクを装着した方がよい。というのは、あなたは依然として、伝染加害や伝染被害からフリーではないのだ。

 この問題に科学的な決着をつけるべくファイザー社は追跡調査に取り組んでいるが、結論が出るのにまだまだ時間がかかるので、それまでは誰もマスクを手放すべきではない。

 ファイザー社による追跡調査は米国とアルゼンチンで実施されているところだ。初期のワクチン接種ボランティア達のうち、プラセボではなくモノホンのワクチンを二度射ちした人の中から、追跡調査対象者をピックアップし、同意の上で、軍病院などにて定期的に、鼻腔内の細胞こすりとりによるサンプル収集を、させてもらっている。

 ファイザー、ノヴァヴァクス、モデルナの3社は昨年から自社製ワクチンの効き目について大規模な調査を進めており、いまのところ、これらのワクチンが 武漢肺炎の《重症化》を防いでくれること だけが確実である。
 二度と感染しないというデータもなければ、けっして他者にうつさなくなるというデータもない。今のところは。
 関係者が早くデータを得たいのは、ワクチンが、感染のひろがるスピードを間接的に抑制してくれる、社会集合的な効果のほどについてである。

 そのためにまず、ファイザーの二度射ちを済ませた人が、本人が自覚しないまま、新コロに感染することが、リアル社会生活を通じてあり得るのかどうかを、早くつきとめたい。
 すなわち、「サイレント・スプレッダー」となってしまう確率を。

 サルを使った実験でわかっていること。予防注射をされたあとのサルも、やはり新コロのウイルスをふりかけられれば、新コロに罹患してしまう。ただし、そのサルには症状がほとんど出ない。
 そして、ワクチン接種後に新コロに感染させられた猿の気道には少しのウイルスしか存在しない。
 したがって、他者に伝染させる確率は大きくはないだろうと、いまのところは、考えられる。

 ここで念を押しておきたい。無症状のチャイナウイルス・キャリアーは、スプレッダーとなり得る。これはパンデミック初期に実例があるので、確かだ。

 ことしの1-7にCDCPが公表した報告。新コロ罹患者の「三分の一」は、決して症状が現れない。そしてその無症状の罹患者が、他者にウイルスを移すスプレッダーのうちの「四分の一」を占めている。

 「サイレント・スプレッダー」はすでに居るし、これからも消えてなくなることはない。

 モデルナがFDAに呈示しているデータ。モデルナワクチンを1回射った人は、プラセボを1回射った人にくらべて、新コロウィルス罹患率は66%すくない。このことは、人々が1回でもモデルナを射つことによって、武漢肺炎を無症状でスプレッドさせてしまうケースは抑制され始めることを示唆する、と。

 集団免疫は、人口の70%が免疫を持ったら、完成するとされる。
 しかし、もしワクチン接種後の人もサイレント・スプレッダーになるとすると、この算数は崩れる。
 もしも、ワクチン接種によっても、人から人への感染を三分の一以下に抑制できなかったなら、集団免疫は、永久にできあがらない。

 したがって、ファイザーの二度射ちを済ませた人々のうちのどのくらいがサイレント・スプレッダーになっているかの、大規模調査の結果が待たれるのだ。

 ワクチンを敢えて射ちたがらない人の多さや、ワクチンに耐性のある変異型の続出は、もちろん、集団免疫をめざす保健行政にとってのバッドニューズたり得る。

 ハイリスク・グループではない人々も、ワクチンを射っといた方がよいのは無論である。

 ※これで確定した。今後、人類は、長期にわたって、マスクなしでは生活はできなくなる。としたら陸自の次世代ヘルメットも、最初から顔面を覆った、フルフェイス型にすることが、設計開始前のコンセプトの大前提となるだろう。その前面覆いは、防弾である必要はない。防疫上の合理性を主軸とし、防熱や防爆を第二の眼目として、設計をして欲しい。それで、隊員の、次の対パンデミック出動時の行動が、ずいぶん楽になる。