カブは捨てるところがない上、満腹感も得られるので、理想に近い食材ではないか。残念ながら生鮮食料品店にいつも在庫があるとは限らぬが。

 APの2021-2-17記事「Rush Limbaugh, ‘voice of American conservatism,’ has died at age 70」。
   日本で《保守》が流行現象化する前からラジオで《反リベラル》のコメンテイターとして鳴らしていたラッシュ・リンボー。2月17日に死去した。70歳であった。
 ※かつて関東在住だったときAMでFENをつけると、朝っぱらから声が聴こえたものだった。1回の話は5分か10分で終わるパターンであったように記憶するが……。

 彼のウェブサイトがあり、そこで死亡が告知された。死因は煙草の吸い過ぎによる肺癌。

 生まれは1951年のミズーリ州。父は弁護士だった。
 野球中継などのラジオ好きは子どものころから。高校時代にはラジオ業界へ進路を定めていた。
 州立大学を中退して北部でDJになった。

 1980年代前半には、彼の皮肉と空威張りの結合キャラクターが、聴衆に認知されるようになった。
 全米ラジオネットで政治向きコメントをするようになったのは1988年。しかしニューヨークでは受け入れられないと悟った。

 ※レーガン政権の成功が、彼を知名人にした。その逆ではないのだ。タイムライン的に。

 フロリダ州に引っ越し、彼は大成功する。
 公共電波を使った悪罵や毒舌が売りになるという、稀有なタレントを持っていた。それで30年以上、商売しているのだから、偉い。

 1994年に共和党がひさびさに連邦議会の多数派となったエポック。この時点でのリンボーの存在感は大きかった。
 とんでもない人格攻撃を次々と平然と口に出した一方で、共和党はどうあらねばならないか、理念を明確に大衆に説明する能力は、プロ政治家以上だった。だから有権者は、リンボーが「党の声」だと認識するに至っていた。

 パーキンソン氏病にかかったマイケル・J・フォックスが民主党のキャンペーンCMに出たとき、リンボーは、フォックスの震顫症状を物まねしてみせた。

 2016に共和党内での大統領予備選が始まるとリンボーはいちはやくトランプ支持を打ち出し、リンボーの人脈コネクションをトランプに提供した。
 フロリダのトランプ別荘の近くにリンボーが私有する4000万ドル相当のビーチフロントが近接している。リンボーはときどきトランプとゴルフをする仲だった。

 彼自身は、じぶんはエンターテイナーだと言っていた。
 北米では彼はラジオの3時間番組を、ウィークデイに持っていた。それは全米600局弱から放送されていた。
 この人の論調が、共和党員に与えた影響は、とうぜんながら、大きい。

 彼は、彼のフォロアーのことを「ディットー・ヘッズ(Ditto-heads)」だと呼んでいた。彼が言うことをすべて鵜呑みにして信奉するしか脳が無い連中、という意味だ。
 ※日本で最初にこの現象を起こしたのは小林よしのり氏だろう。ラジオではなく紙雑誌媒体というところが日本式だった。ドナルド・トランプは、ネットとTVをフル動員することで、このディトヘッズ現象をどこまで延長拡大できるかを実験し、それにも限界があることをわれわれに教えてくれつつある。

 保守支持層には「理知のエンジン」が欠けていることが多い。それをじぶんが埋めたのだとリンボーは人に語っている。

 雑誌『フォーブズ』が2018年に見積もったところでは、リンボーは年に8400万ドルを稼ぐに至っていた。ラジオ・パーソナリティでリンボー以上に稼いでいたのは、〔東部インテリ・リベラル系のラジオコメディ司会者である〕ハワード・スターンだけであった。

 ※同じ冗談口を叩いても、ある人の声音だとそれが許され、別な人が言えば総すかんを喰う。これは実社会ではありがちなこと。だから、いつか「声のディープフェイク」が定着するのは避けられないだろうと思う。説得力が段違いだからである。ハワード・スターンは、あの声質だから、人々が聞こうという気になるわけ。同じことを、別人の音声で言われたら、誰が聞くだろうか。

 リンボーの自己総括名辞には他にも「真実の探偵」「民主主義政体の医師」等がある。

 2003年に鎮痛剤の飲みすぎで聴力を失った。しかし、電子蝸牛刺激装置を皮下に埋め込み、キャリアは保たれた。
 四度、結婚している。子はいない。

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 COREY DICKSTEIN 記者による2021-2-17記事「One-third of troops offered coronavirus vaccine have refused, DOD official tells Congress」。
    水曜日時点で、ワクチン接種が可能になった米軍の全将兵のうち三分の一の者が、その接種を拒んでいることが分った。

 すでに接種二回を済ませた現役軍人、州兵、予備役兵は、14万7000人である。
 また、接種一回を済ませた段階の現役軍人、州兵、予備役兵は、上記とは別に21万2000人である。

 ペンタゴンは今次の武漢肺炎ワクチンに限らず、兵士に予防接種を強制することはない。
 ※破傷風ワクチンは強制同然ではなかろうか? あれは流行病ではないから別なのか?

 接種を希望する将兵の全員が二度の注射を完了できるのは、8月になるだろう。
 ※大急ぎの米軍ですら、8月までに免疫が仕上がらない。東京五輪なんて、ありえない。

 全米に100箇所の接種会場を設営せよとバイデンから要求されている連邦危機管理局は、米軍に対して、1万名の兵隊を、その作業のために貸してくれと言っている。

 それとは別に2万8430人の州兵が各州で接種支援のためにすでに駆り出されている。