世を拗ねる人の八つ当たりと、通行人に吠える犬にはちょっと違いがある。人はじぶんのことを語っているのだ。

 Gordon G. Chang 記者による2021-2-16記事「China’s Genocide Olympics | Opinion」。
   中共は新疆ウイグル自治区でおぞましい人権犯罪を実践中だ。
 IOCはまず、2022冬季五輪の開催他を北京ではない別な国の都市に変更するとともに、中共選手が五輪に参戦することを今すぐ禁止ずるべきである。

 IOCがそうしたくないというなら、米国が与国とかたらって、北京五輪をボイコットするべきである。

 支那全土の、厳重に結界された工場(外国資本のこともある)の中で、ムスリムたちは中共政府によってタダ働きを強制されている。これはふつうの言葉では「奴隷」と呼ぶ。

 その閉鎖空間内で人がコンスタントに死んでいる。システマチックな大量殺人だ。
 収監者の子どもは母親から引き離されて孤児院に収容されている。

 ムスリムは棄教を迫られている。中共はラマダン中に彼らにわざと豚肉を食わせ、飲酒を強いる。

 1948のジェノサイド犯罪の予防と加罰に関する条約。そこにジェノサイドの定義がある。強制堕胎もジェノサイドである。

 南アフリカは1963年のIOC総会(於ドイツ)で、黒人選手に対する人種差別政策をやめないかぎり五輪に参加することを許されない、と議決された。
 これは翌年の東京オリンピックから適用された。1964東京五輪には、南ア選手はひとりも参加できていないのである。
 南ア選手が漸く五輪に戻ることができたのは、1992のバルセロナ大会からだった。

 今日の中共のスポーツ選手たちを見よ。イスラム教徒などマイノリティは、排除されている。中共こそ、現代のアパルトヘイト国家なのである。

 19歳のウイグル人、エルファン・ヘズィムは、サッカーの稀な才能を示したので「葉爾凡」の名で「江蘇足球倶楽部」に所属することができた。
 しかし中共当局は、彼が練習試合目的でスペインとドバイに外国旅行したというので、2008年2月に短期間、投獄した。

 いまのような中共で五輪を開催させることの意味は、1936年のベルリンオリンピックと同じである。それはヒトラーの宣伝に貢献しただけであった。

 2022北京五輪が大成功裡におわったら、中共は、チベットで成功した民族浄化のやり方を、新疆ウイグルにもちこむだろう。どうじにキリスト教会と、香港の運命も、いよいよ暗くなる。

 2008夏季北京五輪の成功は、中共国内の人権事情をすこしも良くしなかった。逆に支配者に弾圧政策の自信を抱かせただけであった。
 つまり今日のウイグル人虐殺に、とうじのIOCは重い責任を負っているのである。

 昨年10月に英国外相が言った。スポーツと政治外交は分けるべきだと考えてきた。だがもはやその分離が不可能な時点に来てしまった、と。

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 ストラテジーペイジの2021-2-21記事。
   朝満国境の慈江道。2020年後半、人々が飲み水にしている将子江で魚が死に、警察が上流を調べたところ、新しく建設された「江界化学工場」が、表向き、塗料やニスを製造していると称しながら、じつは化学兵器を作っていたことが分った。北鮮政府は、すぐ隣の中共住民を刺激しないために、そこで毒ガスを量産しているとは知られたくなかったようだ。