来年の春、取り残されている国と地域はどこか。

 Joe Pinsker 記者による2021-2-23記事「The Most Likely Timeline for Life to Return to Normal」。
   米本土の新コロはこれからどうなるか?
 この夏になると劇的に事態は緩和されるだろう。秋と冬にはひきつづいての諸注意が求められる、しかし来年の春――すなわち2022年の春――には、2019以前のような生活が戻っている。

 パンデミックの終焉が、やっと、地平線に見えてきた。

 2021年の3月から5月にかけては、ワクチン接種を済ませた人同士の間では、ふつうの交流が戻る。その人の家に行き、マスクなしでパーティができるだろう。

 2021年の5月以降、米国では急速に事態が良くなって行く。夏のあいだには、米国内はノーマルに近づく。
 夏の気温が高ければ、戸外活動はますます安心である。

 全米の人がワクチン接種のオファーを受けた時点以降、徐々に、マスクの必要は、なくなって行く。
 ただし、電車や飛行機の中、食料雑貨品店の中では尚しばらく、人々はマスクを着けることがマナーになるだろう。

 全米のほとんどの人がワクチンを接種されるのは秋までかかる。
 米国内で、大勢の人が集まって騒いでもよくなるのは、秋以降だ。

 もし、変異株による患者増が見られるとしたら、それも秋だろう。夏ではないだろう。
 変異株対応ワクチンは、3ヵ月くらいでできるので、それによるパンデミックは、あまり心配はしないでいい。

 2022年の晩春には、武漢肺炎の脅威度は、インフルエンザ並に低下している。そのとき、米本土の人々の生活は、2019年以前の普通さを取り戻すであろう。

 次。
 John Bolton 記者による2021-2-23記事「Assessing Early Cold War Overestimations of Soviet Capabilities and Intent and Its Applicability to Current U.S.- China Relations」。
   ※記者は前の政権幹部のボルトン氏とはまったく無関係で、現役の陸軍軍人。AH-64の専門家でCGSも出ている。ジョンズホプキンス大学の博士課程(高等国際関係)に在籍。

 記者の基調の主張。歴史的に米国は、敵国の脅威能力を過大に考えすぎる癖がある。そして、すぐに米軍に対敵国の仕事を押し付けて、仕事は終わったと考えてしまう。敵国は軍事でも民生でも多数の弱点を抱えているのが常であり、米政府は敵国の弱点に総合的に乗ずることがうまい対策だ。

 かつて国防長官のゲイツ氏が言った。われわれはベトナム以降、完璧な「予言はずし」の記録を持っている。ただのいちども、次に米軍が関与することになる戦争と戦場を、言い当てられたことはないのだ。

 米国政府の冷戦中のポリシーは、1946年のロシア通の一外交官ジョージ・ケナンによる「長文電報意見」、ならびに彼が1947に匿名で公表した「X論文」の主旨に、ほぼ沿うことになった。

 ケナンは、ロシア人は自然な性格としてパラノイアなのだと説明した。
 その性格は変わることはなく、滅びるときは、政府の機能不全、政体の硬化症によって自滅するのだと言った。

 敵が自滅要因をかかえているのだから、それに対処する米国の正しい政策は「封じ込め」だとケナンは奨めた。ソ連圏を東欧よりも外側に拡げさせないようにしていればいいのだ。

 米国が過去にやらかしている最大の「敵の過大評価」が「ミサイル・ギャップ」さわぎである。1957のスプートニク打ち上げで米国朝野は頭が狂ってしまった。アイゼンハワーだけは、ソ連の現有の長距離核ミサイルごときでは米国にとって脅威ではないと、高々度偵察機や偵察衛星の写真解析によって承知をしていたが、その偵察手段が高度の秘密であったために、政界ライバルのJFケネディらに対して有効な反論ができなかった。ケネディらは、米国はソ連にミサイル戦力で負けている、アイクは弱腰であると批難し続けた。
 ところがJFKが政権を取ると、偵察衛星の写真にアクセスできるので、「ミサイル・ギャップ」などは存在しなかったことを、認めざるを得なくなった。
 マクナマラ国防長官は、このミサイルギャップという神話をつくりだしたのは、超愛国気分の空軍のやつらだと理解した。

 つぎの大失敗は、朝鮮戦争からベトナム戦争にかけての、中共は東欧と同じなんだという勘違いである。中共にはソ連のコントロールは及んでいなかった。しかしそれは外側からではわからなかった。

 熊プーが「支那の夢」だとかいろいろイデオロギー風のことを言うが、それは全部、無視していい。連中がやることは、地政学の原理原則に沿って、攻撃しやすいところを攻撃し、すこしずつ近隣を操縦し、世界支配に近づいていくこと。それに尽きているからだ。共産主義とも何とも関係ない。イデオロギーではなく、ただ本能と合理主義の結合なのだ。

 中共はみずからのエクセプショナリズム(一国例外主義。特権独占主義)を追求し続ける。米国人の信奉するイデオロギーを何か別なものに変えようなどという一文の得にもならない思想運動には、関心はないのだ。



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