急に必要となったときにマスク代わりになる、かさばらない細長いハンカチが必要だ。

 パンデミックのおわりが見えてきた。
 米国の半年遅れでそれはやってくると予期していいのではないか。

 この遷移期には、独特のマスク需要が発生する。
 ふだんはポケットに入れておけるが、咄嗟に必要になったときに装着できるタイプのマスクが、市場から求められるだろう。

 そのデザインと製造の準備は、いまからした方がいいだろう。

 次。
 Alexis C. Madrigal 記者による2021-2-24記事「A Simple Rule of Thumb for Knowing When the Pandemic Is Over」。
   合衆国内における、7日間の新感染者数が、1月中旬に記録されているピークの74%に減じ、おなじく新入院者数が58%に減じ、おなじく死者数が42%にまで減じたとき、連邦政府は、《パンデミックの「緊急事態」フェイズが終わった》と宣言して可い。

 それまでには、6000万射以上のワクチン接種が米国住民に対して射たれているであろう。

 以上の数値ラインを通過したときに、2020-3以来とられてきた種々の緊急措置は、終了プロセスに入る。

 ある専門家の人の意見。全米で、1日に5000人以下の新規感染者しか見出されなくなり、かつまた、1日に100人以下の人しか新コロで病死しなくなったとき、大衆は、もうこの疫病の流行は終わった、と看做すだろう。

 1日100人の病死というのは、インフルエンザが毎年殺している米国人の平均値である。
 すなわち過去数年、米国では毎年、2万人から5万人が、インフルエンザで病死している。これを365で割れば、1日あたり55人から140人である。
 新コロも、そのくらいの死者数に落ち着いたら、人々は、それを平常の不幸として、受け入れるようになるだろう。

 ただ、インフルエンザ統計と新コロ統計の精密比較は、むずかしい。行政の管轄も違うし、連日実施されている陽性反応テストの数も違うし、偽陽性の出やすさにも違いがあるので。

 ひとつたしかなことは、昨年の春いらい、全米で新コロによって死んだ者が1日に474人を下回ったことはなく、現状では2000人近いことである。
 早くこれを、「100人以下」に、もっていかなくてはならないのである。

 別な専門家たちいわく。現状、新コロ新患者報告数は全米で1日に6万人以上だが、1日に2000人以下となれば、それが、敷居を越えたときだ。

 ワクチン接種の数値的ターゲット。
 65歳以上の老人については80%に接種せねばならず、それ以外の人々には、70%以上に接種しなければ、米国におけるパンデミックは、おさまるまい。

 米国においては、新コロ死者の35%は長期老人ケア施設内で感染している。だから昨年12月いらい、政府はそこに優先的にワクチンの接種をさせてきた。その効果はもう出ている。新コロ病死者に占める、長期老人ケア施設入所者の比率は、最近6週間で、半分にまで抑制された。ワクチンは劇的に効いているのだ。

 CDCによる試算。すでに8300万人の米国人が新コロに感染したのではないか。(これは政府公認値の2800万人をずっと上回っている。)

 そして440万人のアメリカ人が、すでにワクチンを1射以上、受けた。
 いっかい新コロに罹患して、そのあとからワクチンを接種されたという者も勘定に入れねばならないが、もう、米国では、1億人から1億2000万人が、すでに免疫を持ったと考えられる。
 すなわち、米国人口の「三分の一」が、武漢肺炎の免疫を持つに至っている。

 このまま行けば、数ヶ月後には、1日のチャイナウイルスによる死者数は、100人を切るであろう。

 こうなると専門家の次の心配は、米国庶民が、「駐車場に入る前にブレーキから足を離してしまう」行動に一斉に走るのではないかということ。
 せっかくパンデミックがおわりかけてきたときに、あたら感染しなくてもよかった人間が新規感染してしまい、病死しなくてもよかったはずの人間が病死するという不運が連鎖しないように、社会人には、賢明な行動が要請される。