ポーキング博士に訊け。

 Harriet Hall 記者による2021-2-23記事「Stupid Videos Meet Penis Growth Scams」。
  ※記者は米空軍の女医だった人で退職したときの階級は大佐。

 詐欺まがい広告はいろいろあるが、中でもとんでもないのが、「○ニス増大薬」。21世紀の米国で、こんなものが堂々とネット通販されているのである。DMが、ランダムに電子メールで送られてくる。
 そのリンク先には、宣伝ビデオが……。あまりにもくだらなく且つ面白いので、私も無視することができなくなってしもうた。

 アフリカの某部族が、○ニス増大儀式で使っている土着混合サプリメントであると、それらの広告は謳う。14種類くらいのいろいろなモノが混ぜられている由。

 アフリカの某所に島があり、そこの男たちは12インチから18インチの○ニスを持っているという。
 実在の部族名を使っているが、彼らは島になんぞ住んでいないことはウィキペディアで確認ができるだろう。

 ともあれ、彼らの巨根の理由は、秘密の○ニス増大儀式のおかげであり、それに使われているサプリメントがあるのだと。

 誰でもこのサプリメントを服用すれば○ニスの全長が48%伸びる、と。
 あなたもこの丸薬を飲めば、3週間で最低4インチ、息子が伸びるのである、と。

 ビデオで語る人物は、生涯を「おそろしい短小症候群」の克服法発見のために捧げているそうである。
 もちろんそんな症候群は、実在せんのである。

 その人物いわく、女性は最低長さ8インチ、周囲5インチの○ニスを欲しているのであり、それ以下では不満なんである、と。

 彼の再現薬の被験者は全員、○ニスが3インチ以上伸び、しかも、30分以上勃起が持続するようになった、という。

 では彼はなぜこの大発見を大手製薬会社に売らないのか。
 大手製薬会社は悪徳だからである。大手製薬会社は、オリジナルの天然成分をすべて有害な合成成分に置換してしまい、それは副作用を伴うものになるだろう。

 だから、このクスリの申し込みは急いでほしい。集めた原材料はすぐに底をつくからだ。もういちど集めるのには相当の時間がかかってしまうだろう。

 しかも、ぐずぐずしているうちに、巨大製薬会社が、この新薬の特許を取り、最強の法律事務所を動員して、類似品を扱う者たちを皆告訴して、業務を差し止め、この新薬の秘密を闇に葬ってしまう。
 だから、この通販でクスリを買えるチャンスは、今を逃したらもう、なくなるのだ。

 ポルノ男優たちやイカサマ薬商人たちも、彼のこの魔法の生薬の存在を憎んでいる。さまざまな妨害をしてくるだろう…………。

 常識をひとつ、呈示しよう。
 平均的なvaginaの深さは3インチから7インチである。
 もし18インチの○ニスがあっても、持て余すしかないであろう。

 フェミニストがこう言っている。魚が自転車を必要とするように、女は男を必要としている、と。その意味を、男どもはよく考えたらいいだろう。

 もうひとつの、常識の数値。平均の○ニスの長さは、弛緩状態で3.61インチ。励起状態で5.17インチである。

 6インチ以上の男根を有する人物など、滅多に居るものじゃない。

 しかし、今回とりあげた宣伝ビデオは、8インチ未満は異常なのだと不安を煽るわけである。悪質である。

 ※パンデミックは終焉に向かうのだから、人々がリモート環境の得難い経験を忘れぬうちに、国営の「通信制大学」を正真正銘、1文の学費もかからない日本独自の制度に充実させる関係法改正の議論を始めるべきだ。基本的にスクーリングは無用とするのだ。子どもの学費がかからないようになれば、《親の失業=世界の終わり》ではなくなるだろう。ほんとうは、トヨタのような民間会社が主唱して実践もしてしまうのが、いちばん健全なのだが……。日本の大企業の社会改造企画のトンチンカンさが、とても残念だ。

 ※地政学講話#6は先日、スカイプを使って試してみましたが、やっぱり双方向の同時会話には難がありますね。なおこの企画はとうぶんのあいだ、ローカル限定で試行錯誤を続けて参ります。