真鱈のヒーモ

 Merrit Kennedy 記者による2021-3-12記事「Minor League Baseball To Experiment With Robotic Umpires」。
   今シーズン、米マイナーリーグのいくつかの試合では、ロボットアンパイアが起用される。

 MLB木曜日発表。「Low-A サウスイースト」の選ばれた試合で、ボールとストライクの判定にロボットを使う。

 この機械の正式名は「自動 ボール・ストライク システム」。

 これによって、ボール判定が増える。よって投手は臭い球は投げづらくなり、バットが球に触れる確率は増加し、試合展開は躍動的となり、だらだら試合をなくす。したがって観客はよろこぶ。

 MLBはしばしばこうした実験をまずマイナーリーグで試みて、その調子がよかったならメジャー試合に適用する。

 これまでもその流儀でいろいろな改革を導入してきたが、いずれも目的は、試合中の「死時」を減らし、試合時間全体を短縮することで、ファンの福利を図ろうという方向だった。

 トリプルAでは、ホームベース以外の3つのベースプレートを大面積化することも計画している。15平方インチから、18平方インチにしようというのだ。これによって走者と内野手のクロスプレイによる負傷の確率が減るであろう。また、「盗塁」の成功率も上がる。つまり試合が、より躍動的になる。

 ダブルAでは、次のような新ルールが試験適用される。「内野」の結界内に、必ず4名以上の野手が完全に両足を置いていなくてはいけない、というのだ。つまり最初から外野寄りへシフトしている守備は許さない。

 狙いは、それによって長打が通りやすくなって、試合が躍動する。

 自動ボール判定機は、すでに独立系(非MLB)のアトランティック・リーグと、アリゾナ秋季リーグが導入している。「トラックマン(追尾野郎)」という名の機械。
 APが報ずるところによると、選手の評判は賛否が分かれている。

 投球判定ロボットは、複数のアンパイアの間でストライクゾーンの判断が異なる問題を解消し、また、キャッチャーがボール球をストライクに見せかけてしまう小細工も不可能にする。

 インディペンデント・リーグのキャッチャーたちは「俺たちの芸術的テクニックはじきに過去の歴史のものとなるだろう」と嘆いている。

 次。
 ストラテジーペイジの2021-3-13記事。
    アフガニスタン国内に1万箇所近くある、道路検問所。英語でチェックポイントというが、配備されているアフガン政府の軍警察は10名から20名ほど。位置が孤立しているから、襲撃しようとするタリバンにとっては、格好の的だ。

 ひとつのチェックポイントから政府軍警を追い払ってしまえば、そこには武器と弾薬も遺棄されている。
 尤もそれ自体はタリバンの目的ではない。タリバンは、チェックポイントの軍警察が、通行税という名の賄賂を私的に徴収しているのが面白くない。それを追い払って、その道路を支配し、臨時の関所を私的に設けて、こんどはタリバンが利用者から通行税を徴集したいのである。

 タリバンは、数あるチェックポイントのうち、いちばん防護の手薄そうなところを狙う。それがどこになるかは、流動する。
 このような条件があるとき、政府軍がすべてのチェックポイントを有効に防御する方法は、エアカバーしかない。
 無線要請に応じて、スーパーツカノや武装型の軽便ヘリコプターを出すのだ。

 対地攻撃機がどこへでも、じきにかけつけるようになっていれば、タリバンがチェックポイントの急襲に成功して立ち去ろうとしても、その退路をどこまでも空から追いかけられるので、ゲリラは安全に遠くまで逃げることは考えられなくなる。したがって、襲撃じたいが抑止される。

 ※これは理想の話であって、現実に成功しているわけじゃないと思う。そんなに飛行機も整備員も存在してはいないので。

 タリバンは道路の永久支配は考えていない。一定期間だけ支配できればいい。タリバンが設ける「私関」は、元のチックポイントのあった場所とは別なところにテンポラルにステルシーに出現する。政府軍警側では、その位置を簡単には発見できない。

 米軍アドバイザー(特殊部隊)は、どのようにアドバイスしたか。チェックポイントの数を減らし、そこに配備する兵員を40人規模に増強し、小要塞化せよ、と。
 この改革は2019に着手され、2020年後半に概成したという。

 ただしカンダハル州では、チェックポイントの整理・廃止は、まことに杜撰になされた。200箇所以上のチェックポイントが、武器弾薬の多くをそこに残置したまま、人員だけが引き上げ、すべてタリバンの手に渡ってしまったという。

 ※あきらかに米国はアフガニスタンそのものにとっくに愛想を尽かしている。トランプですらこの国を見捨てる方向に舵を切っていた。バイデン政権が模索しているのも、足抜けの方法だけだろう。



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