ひとつ言えること。 There were no “Asians”.

 Frances Robles 記者による『NYT』最新記事。
   全米にマッサージパーラーは9000店舗以上あり、大概は売春基地だと看做されている。そこで多くの女性従業員が搾取されているとも。

 しかしアトランタ市長は、事件現場の3店舗が合法商売であって、違法な売春業態について市警のレーダーには捉えられていなかったと釈明。 ※これはいろいろと苦しいことになりそうだ。

 3店舗のオーナーのうち1人は殺され、2人は、取材から逃げ回っている。
 市警いわく、犯人は3店のうち2店に通っていたと。

 「ストリート・グレイス」という宗教系の人身売買反対団体が2020年に数えたところによれば、ジョージア州には165箇所の違法なマッサージ店舗があって、その四分の三以上は、アトランタ市とその周辺に集中していると。

 この団体は、定点監視カメラやウェブサイトのレヴュー書き込みをモニターすることで、利用客の概数も割り出している。それによれば、ジョージア州では毎日1000人以上の客が、マッサージパーラーを利用している。おそらく年間では4200万ドルを店に落としているはずだ。

 性サービス従事者を擁護している人いわく、これらアジア女性たちはもしセックスを提供しないならば客から攻撃されると。

 客たちは大概、閲覧にメンバーシップを必要とするレビュー・ウェブサイトを通じ、どの店でどのようなセックスサービスが期待できるのかを把握している。

 こんかい襲撃されている「アロマセラピースパ」と「ゴールドスパ」にはそれぞれ数十のコメント書き込みがある。「RubMaps」というサイトである。

 米国内のマッサージパーラー/セックス系スパ は各州で地元警察の手入れの対象となるが、オーナーたちは1店舗が潰されてもすぐに別な店舗を立ち上げる。従業員の女性たちも、1店舗では数ヶ月しか働かない。点々と、州をまたいで河岸を変える。業界内の緩いネットワークがあるのだ。なお店舗オーナーは、女性従業員のパスポート(いずれも観光ビザで入国している)を取り上げて預かるのがふつう。また、住み込みの場合は家賃も徴収する。

 トラフィッキング反対団体の「ポラリス・プロジェクト」によると、この米国内の性サービス産業は、年に少なくも25億ドルを稼いでいるはずであると。

 次。
 『USA TODAY』の2021-3-18記事。
 「Young’s Asian Massage」店のオーナーが、Xiaojie “Emily” Tan (50歳)であった。出身地は南寧。ベトナム国境に近い。
 実家は自転車店。

 11歳か12歳のとき、中共に旅行にやってきたマイケル・ウェッブという男と懇ろになった。ふたりは2004年に婚姻。マイケルが嫁を合法的にフロリダ州に連れ帰って、米国籍を取得させている。

 タンはフロリダ州のネイルサロンで働きはじめ、簿記の術を身につけた。
 一家がジョージア州に引っ越したのは2010年。彼女はまずアトランタ市郊外に念願のネイルサロンをオープンしたのである。

 マイケルとは2012年に離婚してしまったが、娘の養育についての協力関係は続いた。娘は2019にジョージア州立大を卒業している。

 タンの2件目のオーナービジネスが「Young’s Asian Massage」店であった。マイケルは2020年に契約社員としてその立ち上げに加わっている。

 タンのLLC(有限責任会社)は、登記によれば、「Wang’s Feet & Body Massage」店も保有している。場所は近くのケネソー。しかし「Rubmaps」にレビューの書き込みがゼロ。
 ※これは、風俗店ではないことを示唆する。

 「Young’s Asian Massage」店についての Rubmaps 書き込みは39件で、これは他のヌキ風俗店が100件くらい書き込まれているのに比べて少ない。
 ※これも重要情報である。

 『USA TODAY』が調べたかぎり、タンの所有店についての違法営業報告はゼロである。

 ※ここから、かすかな蓋然性ながら、こういう仮説も可能になる。犯人はこの「Young’s Asian Massage」店で期待した濃厚サービスを受けられず、恥をかき、それで逆恨みして報復する気になったのだと。別記事によると拳銃は襲撃の当日に買っているようだ。こやつは9歳で親父から拳銃をプレゼントされたという。たぶんトランプ支持者だよ。

 ローカルビジネスレビューサイトのYelpには、「Wang’s Feet」について、とても好意的な感想が書き込まれている。新コロに伝染しないようにとても気をつかっていただとか、オーナーがとても親切だったとか。あきらかにそこは、ヌキサービスとは無縁の空間であった。

 タンのサロンで首の凝りを療治してもらっていらい親友だったという54歳のグレッグ・ハイソン氏によれば、タンのサロンの女性従業員は、数ヶ月から数年すると独立し、この同じエリアで自分のスパ店を出すのだと。従業員は概ね中共系の移民であったと。

 ハイソン氏は、ゴム供給会社(rubber-supply company)を経営している。彼によると、タンが雇った従業員たちは、中共からやってくると、タンの隣の家に集団で寝泊りした。全員、家族に送金するための金稼ぎが目的であったと。
 ハイソン氏は、タンの店舗ではセックスサービスは提供していなかったと強調し、マスコミに怒っている。

 かたや、「ゴールドスパ」について、性風俗評価サイトに3-9に書き込まれた投稿を見れば、同店舗では、性のフルサービスをしていたことが歴々たり。
 また「アロマセラピースパ」についても3-2のレビューで、性サービスしていたことが分る。

 ※米国のメジャーなマスメディアがこぞってこの事件を掘り下げるようになった。戦々兢々としているのはまず韓国系、ついで支那系だろう。「アジア系」などと一括りにさせようとしているが、悪事を働いているのは儒教圏人なのだと、とうとうこれをきっかけに、米国大衆に認知されてしまいそうだ。米マスメディアがこれだけ取材に走り回っても、いまだに、死亡した韓国系従業員たちの「国籍」が判明しない。要するに観光ビザの不法就労者だからだろう。だとすれば韓国総領事館は答えを知っていておかしくないが、これは最後まで空とぼけたいだろうね。今回は、違法ヌキ風俗を展開している韓国系がもたらした迷惑を、中共系が蒙ってしまったというケースなのかもしれない。韓国系との名称の差異化を図った痕跡は認められるのだが、もっとフールプルーフに看板でハッキリと謳うべきだったね。ウチは抜き風俗ではありません、と。それをしなかったので、犯人は「騙された」と逆上して、支那系店長を殺してしまったのかもしれん。いまのところ、そんなストーリーが浮かぶ。



尖閣諸島を自衛隊はどう防衛するか 他国軍の教訓に学ぶ兵器と戦法