マリの英軍歩兵は40ミリ擲弾発射銃からうちだす豪州製のクォッドコプター「ドローン40」を実用中。重さ190~300グラム。60分滞空で20km先まで偵察可。

 Peter Suciu 記者による記事「Why Was an F-35 Stealth Fighter Damaged By Its Own Bullet?」。
    3月12日、アリゾナ州のユマ上空で、海兵隊所属のF-35Bが夜間訓練中、GAU-22(四銃身)ガトリング砲から発射した1発の25粍「PGU-32/U SAPHEI-T」弾が、早発(砲身のすぐ前で過早に自爆)。このため機体の胴体が破片で損傷した。

 F-35Bにはこの実包(弾薬包)は220発、積まれている。発射レートは毎分3000発。
 F-35Aの場合、GAU-22ガトリング砲は機体左側内部に埋め込まれている。F-35Bの場合は、取り外し可能なガンポッドとして胴体の下に吊るされる。

 この事故での負傷者はなかった。
 機体損傷も、着陸にはなんらさしつかえがなかった。
 ただし機体修理費用は250万ドルを超えることが確実である。よって「Aクラスのやらかし」に分類される。

 『エスクワイア』誌いわく。もしF-35Aでこの早発事故がおきたら、爆発はコクピット・キャノピーから数インチのところとなって、パイロットは無事ではなかっただろう。

 ※WWII初期の英軍の戦車が、2ポンド砲(40ミリ)用にソリッドのAP弾しか搭載していなかった理由は、やはり腔発事故を嫌ったのだろうと個人的に想像している。しかしそのおかげで、対歩兵の制圧射撃には遺憾の点が多くなってしまったことは、みなさんご承知の通りだ。いたしかゆし。

 ※さいきんは本格的な「海戦」も生起していないが、もし実戦になれば、軍艦や装甲車に搭載された爆裂弾頭の誘爆や自爆事故がおそろしいことになるはずなのである。敵味方ともにね。だから米軍は、極端に鈍感な爆薬の開発に余念がなかった。それでもこういう事故がおきるということ。ソリッド弾とHE弾のあいだには、いかほど小口径だろうと、天地の相違がある。対艦のハイパーソニック弾は、ソリッドにするのが利巧だと、私は直感します。

 ※3月にホビージャパンから刊行されたGun別冊ムックの『日本警察拳銃』は、カラー写真満載で、見ていて楽しい企画だ。それにしても滅法詳しい人がいるもんだ。どの分野にも。

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 Eamon Barrett 記者による2021-3-29記事「China burned over half the world’s coal last year, despite Xi Jinping’s net-zero pledge」。
   英国の研究機関の調査発表。中共の石炭火力発電は、2020年において、世界の全石炭火力発電量の53%を1国だけで占めたと。このシェアは2015年より9%も増加していると。

 中共国内の電力使用量は、2015年から2020年までのあいだに33%増えた。これはIEAの統計。
 ただし増加分の半分くらいはリニューアルエナジーで賄っている。
 中共はソーラーパネルでも発電風車でも世界最大の生産国なのだが、それでも、全電力の70%は、化石燃料を燃やす発電所から得るしかない。これが現状。

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 Liza Lin 記者による2021-3-24記事「Tesla Boss Elon Musk’s China Charm Offensive Rolls On With Praise for Climate Plans」。
    テスラは2020年に315億ドルを売り上げたが、その五分の一は中共市場だという。米本国では152億ドルを稼いでいる。
 だから中共から脅されると、イーロンマスク氏は中共ヨイショ発言をするしかない。

 中共は、テスラ車の使用を、国営企業や軍の関係者には、禁ずるという。
 なぜならテスラ車が自動であつめた諸データが米国に送信されてしまうから。

 テスラ車は常時自動で動画を採録し、現在位置情報を伝達する。スマホの無線網には常時接続。

 ※わたしが『米中「AI大戦」』の中で予言したことが、またしても当たってしまったではないか。ところで最新刊の『尖閣諸島を自衛隊はどう防衛するか』も、おかげさまで好評をいただいております。みんな、書店へ急ぐんだ!



尖閣諸島を自衛隊はどう防衛するか 他国軍の教訓に学ぶ兵器と戦法


米中「AI大戦」