極軌道衛星と容易にデータリンクできるがゆえに、北極点と南極点の支配は重要なのだというのが米コーストガードの思惑。

 そこを考えると、海洋研究開発機の新造砕氷船計画は、宇宙観測の視点を全く欠くがゆえに、予算と人員の壮大な無駄遣いに帰結する懸念があると言える。

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 Minnie Chan 記者による2021-4-15記事「China hesitant over J-10C barter deal with cash-strapped Iran: experts」。
    イランが中共製の戦闘機「J-10C」を調達したがっているという話は、中共内のSNSでは数ヵ月前から語られていた。
 イラン政府は、石油や天然ガスとバーターで36機を入手したいという。しかし中共政府の方が、そのような取引を渋っている。

 国連は14年前に、イランが外国から戦車や戦闘機を買うことを禁じていた。しかしイランはその期間は2020-10-18をもって満了したと宣言した。それに伴って、こんな話が浮上しているわけだ。

 北京の軍事系シンクタンクの某氏が解説する。イランは自国通貨のリアルが大インフレで価値暴落しているので、ドルやユーロを溜め込むのに必死で、できるだけ、使いたくない。それで、戦闘機を買うのにキャッシュ決済なしにしたがっている。
 かたや中共は今、世界不況のおかげで、買い入れた原油や天然ガスの貯蔵在庫量が余っていて、イランからそんな現物を追加で貰ってもちっとも嬉しくない。だからそんなバーター取引だったら、損であると思っている。

 オンラインメディアプラットフォームである「シナ・ニュース」(Sina News)によると、イランは36機を30億ドルで買おうとしており、そのドル通貨の半額はカタールが金融支援してくれるのだという。2020-1に、カタールのエミールであるシーク・タミン・ビンハマド・アルタニとロウハニ大統領がテヘランで会談してそれを合意していると。

 「J-10C」は単発単座の軽量戦闘機。最新バージョンは、エンジンに推力偏向能力が追加されている。
 2021-3に中共とイランは25年間の経済協力で合意している。

 香港の某軍事解説者によれば、イランは、ロシアのミグ35、スホイ35、スホイ30SMも、J-10Cの当て馬として検討していると。
 そして、中共も、J-10Cより旧式の「FC-1」軽量戦闘機も提示できるはずだと。

 ※パキスタンがなんちゃってライセンス生産している中共製のボロ戦闘機だってあるじゃないか。あれをバーター入手すればいいだろ。まあ、エンジンが伴わないんですけどね。

 単価の現勢比較。J-10は4000万~6500万米ドル。ミグ35は5500万ドル。スホイ30MSは5000万ドル。

 ここ数年、イランと中共の間の貿易額は、200億ドル台で推移している。米国トランプ政権が対イラン制裁を発動した2018年より前だと、たとえば2014年にはイランと中共は520億ドルの貿易をしていた。

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 JOSEPH DITZLER 記者による2021-4-14記事「Johnson & Johnson pause halts vaccine clinics at US bases across Pacific」。
   国防総省命令。
 在日米軍関係者および在韓米軍関係者のうち、ジョンソン&ジョンソンのワクチン接種を受ける予定でいた者たちに関して、接種計画を臨時に白紙化する。
 このワクチンは、1回射つだけで新コロに対する免疫抗体ができるものである。メーカーはジャンセン社。

 三沢基地にはジョンソン&ジョンソンが1900射分、すでに届けられているが、予定されていた「第二優先順位」の人々(これにはふつうの軍人家族も含まれる)への接種実施は、中断された。

 中断はしかし、数日で解除される見込みだ。ワシントンでFDAとCDCが相談しているところ。

 モデルナワクチンが西太平洋の米軍基地には大量に補給されている。だからほとんどの基地では、モデルナの接種はこれまで通り、続けられる。三沢も同様。

 しかし韓国の烏山[オサン]基地の米空軍の軍人/軍属/家族たちには、ジョンソン&ジョンソンしか配給予定がないので、こっちは全面的に接種が中断する。



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