ノルウェーとドイツが兵器バーターで合意。ドイツはNSM/JSMミサイルを国内で改造の上ライセンス生産し、代価として4隻の『U212』を渡す。

 Julian Borger 記者による2021-5-2記事「Havana syndrome: NSA officer’s case hints at microwave attacks since 90s」。
   マイク・ベックはNSAの対諜報要員であった。
 ベックは2016後半に、意思に反してNSAを退職させられた。
 病院は彼がパーキンソン病の早期発症段階(非震顫)だと診断した。

 だがそうじゃないと彼は後日、オンラインニュースを読んでいて、確信した。じぶんもハヴァナ・シンドロームだったのだ。〔1996年にモスクワで〕マイクロ・ウェーヴ攻撃を受けて体調を悪くされたのだと。

 2020-12に国立科学アカデミーは結論づけている。CIA職員や国務省の外交官にこの症状を起こさせたのは、パルス状の電波であろう、と。

 金曜日、連邦議会の上院情報委員会は超党派で声明を出した。米国人に対するこのパターンの攻撃は、増加しているように見える、と。
 その声明の前日、首都圏域内にて、2人の公務員が同様攻撃のターゲットにされたことが公表されている。

 先週ペンタゴンも、中東駐留の米兵が類似のマイクロ波攻撃を受けていないかどうか調査を開始した。

 ベックのケースが再注目されるのは、その攻撃が始まったのがなんと1990年代だと認められるからである。
 そして米政府は8年も前に、その攻撃兵器は米国の敵〔=ロシア〕によって開発されたと見抜いていたのだ。

 ベックが労災補償を得るために2014年に秘密解除させた、NSA部内の結論。2012年に証拠情報は揃った。1990年代後半にベック氏が敵対的某国〔=ロシア〕に旅行したとき、高出力のマイクロ波兵器が彼に対して繰り返して使用された。これは証拠を残さずに人を障害し、あるいは殺すこともできる兵器であった、と。

 その2012年の情報によれば、この機材は、特定居住区全体をマイクロウェーヴ漬けにし、攻撃対象人物の神経システムに物理的効果を与える。

 ベックは1996年にその国に旅行した。その国名は秘密解除されていない。

 1996年、米政府はモスクワの大使館の最上部2フロアーを破壊し、4フロアーを増築しつつあった。大使館内の壁の中が盗聴器だらけであることが発見されたからである。

 ベックの仕事は、建設中の米国外交公館に、ホスト国(非公表)による盗聴器が仕掛けられていないかを見張り、確認することであった。

 このマイクロ波はたった1晩で対象者をひどい神経症状に陥れることができる。朝、安ホテルのベッドから起き出すことができない。コーヒーを数杯飲んでも、頭が目覚めない。
 しかし米本国へ戻ったら、体調は元に服したという。

 その10年後〔=2016〕、ベックは英GCHQに配置換えされた。そしたら突如、手足がガクガクする症状が出て、倒れてしまった。
 右半身が固まってしまった。
 右足は引きずるしかなく、右手をまったく動かせない。
 医者に見せたら、パーキンソン病だと診断された。ベックは45歳であった。

 ややしてから、ベックはNSA本部に立ち寄った。そこで、10年前に某国にいっしょに出張して仕事したグベト(55歳)にでくわした。グベトは老人のようによろよろと廊下を歩いていた。
 なんと彼も、ベックとほぼ同じ診断を下された。パーキンソン病の初期症状だと。

 こんな偶然、あるわけない。
 ※グベトの家系にはパーキンソン病の遺伝があることがわかっている。

 そこでベックは闘争することにし、労働省に申請して2014年にNSAの情報の一部を開示させた。グベトは2013年に心臓麻痺で死亡している。

 NSA長官がベックの訴えを認めないので、ベックは2016年にこのケースに詳しいCIAに来てもらってNSA本部でブリーフィングしてもらった。

 マイクロ波を使った対人兵器については、CIAはNSAより多くの情報を持っていた。その情報にNSAからはアクセスができなかったのである。

 NSAはやっと2016-8になってベックの主張を認めた。

 CIA職員マーク・ポリメロピュラスのケース。2017にモスクワに出張。深夜、とてつもない眩暈と耳鳴りで目を醒ました。トイレに行って吐こうとしたが立っておられず、床に転んだ。
 それいらい3年間、昼も夜も頭痛が続いている。

 仕事ができるのは朝の2時間だけ。それですっかり消耗してしまう。

 ポリメロピュラスは、ベックを病気にした犯人はロシアだと断言する。

 次。
 James Goldrick 記者による2021-5-2記事「What Might Have Happened to the KRI Nanggala?」。
  ※記者は豪州国立大学で海軍戦略を教えている助教授。

    1つ以上の区画に多量の海水が流れ込んで、浮力を失うに至ったのだろう。
 潜水艦乗員は特に厳格に訓練されるものだから、人為ミスが原因とは考え難い。

 『ナンガラ』はすくなくとも260mまでは作戦できるようになっていたはずである。
 もちろんそれは設計上の「圧壊深度」よりは浅い。

 深海からのサルベージは1974年に米国がソ連のミサイル潜水艦の残骸を回収した秘密作戦の前例があるが、巨費を必要とする。
 インドネシア海軍としては、そんなカネがあったら残りの4隻の潜水艦のために使いたいと願うだろう。

 ブラックボックスもすべてのイベントを記録しているわけではない。
 そうなると原因解明の頼りにされるのは、深海ロボットが撮影する水中映像だ。



尖閣諸島を自衛隊はどう防衛するか 他国軍の教訓に学ぶ兵器と戦法