瓶を揺する者は誰なのか。

 この前死んだデビッド・アッテンボローがこう言ったそうだ。――100匹の黒蟻と、100匹の火蟻をいっしょにガラス瓶に閉じ込めても、何も起きない。しかしそのガラス瓶を激しく揺さぶると、たちまち200匹の蟻は殺し合いを始める。人間社会でも同じことが起きている。誰かがガラス瓶を外から揺さぶり、わたしたちを互いに闘諍させようと仕向けている。瓶をゆさぶる奴こそ悪党である。そいつを見つけろ!

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 APの2021-6-8記事「Retired Army major general demoted after sex crime conviction, report says」。
    国防総省広報官発表。国防長官ロイド・オースティンは、J.J.グラジオプレン少将(すでに退役)を、中尉に降等した。理由は、この男が満足に仕事ができる最高階級は、中尉相当なのだという。

 この人事に不服を申し立てることはできない。

 グラジオプレン少将は2018かその前に性犯罪を〔部内で?〕やらかしたらしい。詳細は広報されていない。

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 ストラテジーペイジ の2021-6-8記事。
    ロシア政府は認めた。ロシア国民の三人に一人は「貧困」の生活水準にある、と。
 しかしロシア国民の実感としては、世帯の7割は貧乏じゃないかと。

 6-5にウクライナは米国設計のUH-1のライセンス生産を、オデッサ航空廠(国営工場)で開始した。同工場はMRO=整備・修理・オーバーホール拠点 として冷戦中はソ連のジェット戦闘機を修繕していた。エンジンも直せる。

 5-31、ロシアFSBは、民間のプーチン批判者アンドレイ・ピヴォヴァロフがポーランド行きの飛行機に搭乗するのを阻止した。監視リストに載っている人物を海外亡命させないというのがその理由。

 5-30、トルコ政府は、「ウクライナにTB2無人機を売るな」というロシア政府からの圧力を、刎ね付けた。
 理由は、ロシア製兵器がリビアやアルメニアに大量供給されていて、それによってトルコ軍将兵が殺傷されているのに、何言ってんだ、というもの。

 従来からトルコ製兵器はウクライナへ売られて来たが、あまりオープンに宣伝はされていなかった。今回の攻撃型UAV「バイラクタルTB2」の契約については早くからマスコミ広報がされている。それがプーチンには気に食わないらしい。

 5-27、「中央アフリカ共和国(CAR)」にて、3人のロシア人軍事顧問と、2人の地元警察官が、路傍爆弾によって殺された。他に5人負傷。ロシアの民間軍事会社は2018からCAR内で活動している。主に、外貨を稼げる産業資産をテロ脅威から警固する仕事。メンバーの多くは退役ロシア軍人。

 5-26、ロシアのガスプロム社と、ドイツのヴィンターシャル社は、すでに2020後半からリビアにおいて油田ボーリングと石油生産を再開していることを公表した。
 これはトルコ軍の攻勢が止まったと観測されたことによる。
 トルコも旧宗主国として石油資源を開発したいのだが、リビア人は旧宗主国人を好きではない。

 モザンビーク政府は、アフリカ最大といわれる天然ガス田をイスラムテロリストから防護する実力がないので、世界中に声をかけている。それに最初に応じたのが南アの傭兵たち。ついでロシアのワグナー社。モザンビーク政府は、旧宗主国のポルトガルや、米軍アフリコムに対しても、支援を要請中。

 ロシアの情報収集船『カレリヤ』号は、米政府が民間船舶・航空機に対してハワイ沖でミサイル試射するから近寄るなという警報を発したのを承けて、ウラジオストックから出動し、5月20日頃、ハワイ諸島カウアイ島沖ににやってきた。予期のとおり、ABM実験が催行され、2隻のイージス艦から2発のABMが発射されたが、弾道弾迎撃は失敗した。『カレリヤ』号は、この実験中に飛び交った、無数の電波信号を収集できた。

 5-12、イスラエルはハマスから非公式の停戦提案を受けたが、それはロシアを経由したものであった。イスラエルは相手にせず。

 6-8、ベトナムはかねてから、手持ちの「T-54/55」戦車をイスラエル企業の手でアップデートしてもらおうかと考えていたが、やめた。
 総額があまりにかかりすぎるので。

 イスラエル企業がトルコのM-60戦車を改修したら1両400万ドル近くだった。T-55の場合、すくなくともその半額以上は必要。オプションの追加により、もっと高くなってしまうだろう。

 T-55をどのように直すのか。火器は西側標準の105ミリにし(オリジナルは100ミリ)、FCSを最新式にし、エンジンは換装し、増加装甲をとりつける。大なおしである。

 ベトナムには1200両くらいもT-54/55系があるはず。そのなかには中共製のT-59も含まれる。
 すでにベトナムは独自にT-54にERA(爆発反応装甲箱)を貼り付けている。またFCSにスペイン製を輸入してとりつけている。それはレーザー測遠機やIR覘視装置とコミである。100ミリ砲弾も、最新式に変えてある。

 ベトナムは、イスラエルやインドからも各種の軍用品を調達している。