Michael Knutzen 記者による2021-6プロシーディングズ記事「Synthetic Bioweapons Are Coming」。
《生物兵器のバイナリー・ウェポン》という新案。
ケミカル兵器の世界では前から「バイナリー」(比較的安全に貯蔵できる2物質を砲弾につめておき、それが発射されると同時に中で混合されて猛毒になる)は珍しくないが、ウィルス兵器でもこれと似たテクニックが可能なのだという。
中共の工作員が、サンディエゴ軍港の港町歓楽街で「甲」ウイルス、グァム島アプラ軍港歓楽街で「乙」ウイルスを水兵たちにうつす。サンディエゴの罹患者も、グァムの罹患者も、ほとんど症状が出ない。しかし両軍港から乗艦したそれらキャリアー水兵たちが同じ空母の中で合流すると、たちまち殺傷力が高い「合成疫病」となり、艦内に蔓延してしまうというコンセプト。
これを、台湾占領作戦の直前に実行すれば、米海軍には対応のいとまは無くなるのである。
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J?drzej Graf 記者による2021-6-2記事「Turkish TB2s Alongside Gryf and Orlik. B?aszczak: We need to cooperate with the strongest NATO allies [INTERVIEW]」。
ポーランドの国防大臣にインタビューした。
ポーランド軍が購入した「TB2」は、ミロスラヴィエク基地に置く予定。そこは無人機の基地としては12番目の場所になる。
なぜTB2を買うことにしたのですか?
ポーランド軍をコンスタントに近代化し続けるのがわたしの課題。
TB2はこれまで実戦場で、機能の有用性と、武人の蛮用に堪える信頼性とが、証明されている。
4セット(計24機)で、ポーランド軍は抑止力を強化できる。
ポーランド軍には今まで、このクラスのUASはなかった。偵察だけでなく攻撃ミッションもこなせる長時間滞空機が。
すっかり使いこなせるようになり、戦力として頼みにできるように育てるまでには、これから7年くらいかかるかもしれない。
発注した「TB2」がトルコから最初に引き渡されるのは、2022前半である。
わが軍はこのクラスの攻撃型無人機を必要としている。そしてポーランド国内にはそれを用立てられるメーカーがない。それで、輸入するのだ。
国内にもいろいろメーカーがある。R&Dから発注したらいいんじゃないですか?
軍備・戦備では、タイムラインが重要なんだよ。経験の無い国内メーカーにゼロから開発させ、試行錯誤をくりかえしていた日には、わが軍が直面する〔ロシアからの〕脅威の到来に、とうてい、間に合わないのだ。
トルコだけが、わが軍に必要な数量を、即座に納品してくれるんだから。そして性能は折り紙付きなのだから。
ポーランド国内メーカーは、偵察用のミニUAV、マイクロUAV、そして「ロイタリングミュニション」までなら国産できる。しかし中型で高度5000m以上から投弾できるクラスのUAVは、まだわが国内では製造されたことがないのだ。
というわけで「TB2」一択。それを輸入するほかにないのだよ。
24機全部をポーランド軍が運用できるようになるのは、2024年だ。この早さは、トルコから完成品を買うからこそ実現できるので、他の方法ではぜったいにこんなスピード感は出せない。
トルコとの契約はパッケージで、いろいろなサービスもついてくる。訓練用シミュレーターや、訓練、メンテナンス、交換用エンジン。それから偵察モードにしたときに選択的に搭載させられる器材であるSARレーダーや撮影カメラ。
いたれりつくせりだよ。
運用担当はどこなのですか? また、UAVが収集した情報をどのようにして軍内で共有するのですか。
はぐらかして答えない。
ポーランド国防省には「ゼフィール計画」「グライフ計画」という軍備近代化計画があり、グライフ計画は、15の無人システムを調達するとしていましたが、その一環ですか?
はぐらかして答えない。
2021年には配備されるはずであった国産(PGZグループ製)のUAV「オルリク」の開発が遅れています。それと、TB2調達は関係がある?
クラスと用途が違うので、直接の関係はない。「オルリク」は「オルリク」で別に進めるから、どうか安心してくれたまえ。
陸軍の砲兵隊は、すでに小型国産無人観測機である「フライアイ」を運用している。「フライアイ」はこの数年で20セット近く、調達されている。
わが陸軍は10年も前からTB2のような攻撃型無人機を欲してきた。ようやく、それがかなえられる。
※詳しくないのだが、ポーランド軍は、「陸軍」の他に「郷土防衛軍」があって、陸上を二段備えで防衛するようになっているみたいだ。小型UAV導入は「郷土防衛軍」ではややうまくいっているようだ。陸軍の、砲兵科ではない兵科での導入が、ちょっとつまづいているのか。まあ、陸自に比べたらそれでも十倍はマシだろうと想像できるよ。
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Brett Tingley 記者による2021-6-9記事「The Y-12 Nuclear Development Site Has Deployed Its First Anti-Drone System」。
テネシー州オークリッヂ。米軍用の核施設「Y-12」は、あらゆるドローンの上空接近を阻止する気まんまんだ。
C-UAS――カウンター無人機システム――を設置するという。そのシステムの詳細は不明だが、この種の施設としては最初の試みになるだろう。
「Y-12」はウラン濃縮工場である。これは核弾頭にも必要だし、米空母や潜水艦のエンジンにも必要なものである。
FAAは、DOE(エネルギー省)の核施設の境界線から400フィートまでしかドローンは近づいてはならぬ、と2017に禁令を発している。
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ストラテジーペイジの2021-6-9記事。
2020に造船所で火災を起こしたフランスのSSN『パール』。この修理のために2019に退役した同級SSN『サフィル(サファイア)』の前半分を切ってくっつけた。それが2021-3に成功した。
この2隻とも『ルビー』級である。
修理コストは4000万ドルになった。
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Brett Tingley 記者による2021-6-8記事「Huge “Swarm” That Lit-Up Radar Was Almost Certainly Caused By The Military, Not Ladybugs」。
2019-6-4、現地時刻午後3時35分、連邦気象局の気象レーダーは、モハヴェ沙漠から南カリフォルニアへ向かう巨大なスウォームの影を捉えた。当局は、「これはテントウ虫の大量発生だ」と説明した。
捉えたレーダーは「SoCal」レーダー局である。
テントウムシは同地では山地の谷で集団越冬する。春に一斉に目覚めたとき、スウォームが生ずる。これは毎年の現象。気候が暖かいと、スウォームも大きい。
しかしどうも怪しい。現地附近には米軍のテスト場がいろいろ点在するのだ。
米軍は、マイクロUAVを「チャフ」として使う戦法を編み出しつつあるのかもしれない。
マイクロUAVは航続力は乏しいので、長距離移動させることはできない。遠くへ撒きたい場合は、航空機/大型無人機/巡航ミサイル等を使って空から撒いてやる必要がある。
※冗談ではなく未来の歩兵は「蝿叩き」を携行する必要が出てくるだろう。それは次のようなものだ。伸縮式の特殊警棒のグリップのようなもの。これを兵士は常時携行する。これを右手で握り、柄の端にあるロックを外すと、いつでも、内部の、柔撓な、ピアノ線を中空燭台状に編み込んだ構造の「鉄鞭」が、遠心力によって2~3段式に飛び出し可能になる。これを「居合い抜き」の要領で振ると、半径1m以内のマイクロドローンを叩き落せる。「鉄鞭」は、撓りすぎるとじぶんに当たってしまって厄介なので、180度後方へは屈撓しない硬度が求められる。この先端部分を十分に軽くして衝撃力を適度に調節すれば「人の身体に重大な害を加える」には至らないと認められるので、軽犯罪法にも抵触しないで済む。たとえば有害鳥獣からの自衛用に携行していても問題にはされないだろう。
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