Harry Baker 記者による記事「Nuclear bomb detectors uncover secret population of blue whales hiding in Indian Ocean」。
インド洋では、過去20年間の、ピグミーシロナガスクジラの個体数は、増えている。
ピグミーシロナガスの全長は、最大でも24mである。
シロナガスクジラは商業捕鯨時代の前には南半球だけで35万頭もいたようだが、いまは1万頭以下。保護してはいるが、回復ペースは遅い。
このクジラはあまり群れず、回遊範囲は広く、散開しているため、個体数調査は至難である。
そこで、豪州ニューサウスウェールズ大学の研究者が目をつけたのは……。
CTBTOという国際団体がある。大気圏内核実験禁止条約に違反して違法な核実験をする国がないか見張るために設立され、独自にモニターマイクを海底に設置してきた。
この団体がインド洋の過去の音響データを提供してくれた。
※南アとイスラエルが、船舶がまったく通航しないインド洋の南部で原爆実験したことが今では知られている。
つまり、核実験を探知するために海底に仕掛けてあったセンサー列が録音していたテープの中から、調査対象の鯨類の声を抜き出したわけ。
鯨はその種類によって啼き方に特徴があり、また、同種であっても群集団によって啼き方に個性があり、さらに1頭づつの個性もある。
解析の結果、これまで存在を探知もできなかった小型シロナガスの集団「チャゴス集団」が、18年近く前からインド洋に出現していたことを、つきとめ得た。つまり、ピグミーシロナガスは、数を増やしていることが分かったのだ。
※人類学者のマーガレット・ミード大先生が生前、発掘される、文明の最も古い証拠は何かと学生から訊かれて、こう答えたそうだ。それは道具ではない。一回骨折して治癒した痕があるヒトの大腿骨である。これこそが文明の証拠である。野生動物がもし後肢の1本を膝上で完全に骨折した場合、寿命はそこでおしまいである。ぜったいにサバイバルなどできない。それができたのは、周囲の仲間が怪我人を救助し、他の害獣から守り、治癒するまで相当の長期間、介護したから。そこに人類文明の始まりが示されていると。それ以前は、たぶん猿なのである。
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indomilitary の2021-6-11記事「Canceled to be purchased by the Philippines, the Maestrale Class Frigates are Acquired by Indonesia」。
2012-8-2に比島国防省は、イタリア政府とのあいだで、中古改造の『マエストラレ』級フリゲート×2隻の購入について交渉していると発表した。
価額は2億4000万ドル。納入は2013開始を予定。
フィリピン議会は2012-9-22にその予算を承認した。
ところがイタリア(およびフィンカンティエリ社)との交渉の方はまとまらなかった。
そして比島政府は、2013-6-4になって、韓国のヒュンダイ重工業製のフリゲート×2隻(新品)を買うと言い出した。
こんどは、インドネシア海軍がその改造『マエストラレ』級×2隻を取得するという噂が流れている。
『マエストラレ』級は冷戦時代の設計で、1番艦は1982就役。8隻建造されたが、ソ連の潜水艦を追いかけるようにできている。イタリア海軍にはいまそれが、4隻、残っている。
イタリア海軍はそのうち2隻を、対水上艦・対空兵装をとりつけて、残すつもりである。