ノーブル・ガスとは「希ガス」のこと。

 World Nuclear News 記者による2021-6-14記事「Chinese EPR experiences ‘performance issue’」。
    広東省(ベトナム国境近く)の台山原発1号機は全負荷運転しており放射能漏れは無い、と中共のCGN社は昨日アナウンスした。

 この発電所に30%出資している仏EDF社いわく。原子炉の一次冷却系の中に「希ガス」が増えていることは報告されていた、と。

 台山1は2018-12に運開。すでにいちど燃料棒を交換している。炉を設計したのはフランスのフラマトム。
 同じ型式のEPR炉は、フランス、フィンランド、英国にも建設中である。

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 AFPの2021-6-14記事「China nuclear plant releases gas to fix issue: French firm」。
   月曜日、仏メーカーEDFは記者会見で言った。中共の核会社は意図的にガスを大気中に放出した。それは安全基準内である。炉心熔融は起きていない。

 1基の炉の一次冷却系の中に「希ガス」が増えていた。
 具体的には「キセノン」と「クリプトン」。

 何本かの燃料棒のコーティングが劣化し、希ガスが放出されたという。

 このガスは集められ、大気中に放出された。それはノーマルであり、基準に従っている。

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 AFPの2021-6-14記事「China nuclear plant operators release gas in bid to fix issue」。
    一専門家いわく。燃料棒の不具合やヒビは、核燃料工業界では珍しいことではない。良いことじゃないが、ノーマルで一般的な事象である。その場合、核分裂物質が少量、冷却系の中へ出ていく。危機のレベルではない。

 台山原発を運営しているCGN社は、米政府によるエンティティ(取引禁止)のブラックリストに載せられいる会社である。

 このリストに載っている会社には、米国内から情報やデータや技術を与えることが禁じられている。米政府がフラマトムに助言を与える場合、これに引っかかるので、フラマトムは例外扱いを求めたはずだ。

 中共の2019の電力需要のうち、原発によってまかなわれたのはわずか5%未満である。2060までにカーボンニュートラルを達成するにはもっと原発を建設せねばならない。

 中共にはいま、47の原発があり、その総発電量は48.75ギガワットである。これより原発発電量の大きな国は、米国とフランスしかない。

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 The Maritime Executive 記者による2021-6-9記事「Samsung to Explore MSR Nuclear Power for Zero Emission Shipping」。
   サムスン重工業は、韓国核エネルギー研究所と合同で、船舶用の熔融塩炉(MSR)=次世代原子力エンジンを開発する。

 MSRは低濃縮ウランを燃料とし、冷却水は加圧されない。商船向きである。
 また燃料を塩素とミックスすることにより、漏洩したさいの環境汚染が抑制される。

 サムスンはこれで、筏に乗せた発電所もできると言っている。それも輸出したい。

 サムスンの目算では、MSR炉は20年間、燃料交換なしに稼動し続けてくれる。だいたい商船の寿命と同じである。

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 AFPの2021-6-6記事「Two drones shot down above Iraq base housing US troops: army」。
    イラク西部の沙漠地帯にある米軍基地「アインアルアサド」に接近したドローン×2機を、C-RAMすなわち対空ガトリング砲が撃墜した。日曜日に。

 いまイラク内には米兵は2500人いる。

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 2021-5-16記事「Belgium develops drones for radiation monitoring」。
    ベルギー核研究センターは、上空から放射線を計測できるドローンを開発した。機体メーカーはSabcaである。
 ベルギー内務省が計画を推進している。

 線量計を搭載する。

 ストロボライトが搭載されている。線量に比例してその点滅間隔が縮まる。以て、地上からそのドローンを双眼鏡で眺めているだけでも、リアルタイムで汚染の強い場所が把握できてしまう。