ネアンデルタール人はコロナで死滅したのか?

 Mark Corcoran and Matt Henry 記者による記事「The Tom Cruise deepfake that set off ‘terror’ in the heart of Washington DC」。
    ディープフェイク技術を使い、冗談で制作した「トム・クルーズ」のTikTok動画が、すでに1400万回も再生されているという事態に作者が恐縮。

 「ティクトク・トム」は、世界的現象になってしまった。

 これを作ったベルギー人のグラフィックアーティストは、今、バンコックに住んでいる。
 心配になり、クルーズのマネージング事務所に、このビデオを取り下げたり、TikTokアカウントを閉鎖した方がいいですか、とeメールで問い合わせたが、クルーズ氏の評判を悪くするような内容ではないためか、事務所からは返事もなく放置されているという。

 ところが彼の動画作品の出来が良すぎることに、ワシントンDCの人々が恐慌をきたしている。いよいよ、政治的なディープフェイクが乱立し暴走を開始する予兆だと受け止めているのだ。

 世界的に顔を知られている有名人なら、誰でも、ディープフェイクの素材になってしまう。そして、本人が語りもしない政治的メッセージを、全世界に広宣して大きな影響をもってしまうことも、あり得るのだ。

 このベルギー人は2018年にディープフェイク技術に興味を抱いた。ニュースで、これは悪用されると警告していた。彼は、この技術の中に創造の可能性を見た。
 そして彼はリサーチを開始してから半年にして、みずからディープフェイクの制作技法を掴んだという。

 いま、プロ級の仕上がりになっているディープフェイク動画投稿は、半年ごとに、2倍に数が増えている。
 そこで、ある専門家の予測。2030年には、オンライン上の動画の9割は、ディープフェイク作品となっているであろう。
 トム・クルーズのディープフェイクをつくるために彼は6000の異なるアングルの顔面イメージをまず収集した。それを使ってAIのアルゴリズムを「教育」した。2ヶ月後に、基礎となるコンピュータ・モデルができた。それを動かし、コマとコマの間の不自然なところを、グラフィックソフトを使って丹念にレタッチした。

 ベルギー人いわく。中共なら数千人のディープフェイク職人を24時間働かせて偽ビデオを量産させることができるだろう。

 ※大統領が戦争を叫ぶだとか、そんなのはすぐバレる。むしろ、死にかけのキッシンジャーが死ぬ前に過去の米中密約をバラす――だとかの、人物や絵柄そのものは地味だが、情報が一部の専門家の関心領域に突き刺さる、そのようなディープフェイクが当面は効果的だろう。

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 indomilitary の2021-6-25記事「Sea Eagle 01 (SE-01) ? Reconnaissance Drone with Amphibious Capability Mainstay of the Indonesian Navy’s Puspenerbal」。
    インドネシア軍はスキャンイーグルUAVを偵察用に保有しているが、それに加えて、このたび、国産の、水陸両用型の無人機が完成したようだ。

 「シーイーグル01」(SE-01)と称する。小型飛行艇の外見をしているが、陸上の滑走路からも運用できる。
 インドネシア軍のジュアンダ航空基地内で試作・実験中。

 製造に関しては秘密が保たれている。写真だけが流布しているところ。
 第700航空スコードロンが運用する予定。

 開発は2019年から始めていた。
 設計開始から半年で、初飛行させたという。

 主翼は高翼式。尾翼はT字形。

 エンジンは2ストローク(170cc.)を1基。
 リモコン運用は25km以内の見通し圏内でのみ可能。コントローラーはラップトップ。

 ウイングスパン 4.5m。
 全高は1m未満。
 全重は50kgほど。最大離陸重量は75kgである。

 巡航速度は130km/時。
 滞空4時間可能。

 高度は6000フィートまで上昇できる。

 インドネシア軍は、ゆくゆくはこの機体を強化して、対地攻撃できるようにする。

 インドネシアでは2015年に「OS-Wifanusa」という無人飛行艇が試作されている。研究には年季が入っているのだ。

 スキャンイーグルは、東南アジアでは、フィリピンが6ユニット、マレーシアが12ユニット採用しつつあるが、6月24日にびインドネシア軍もお披露目した。最終的に14機を取得する。

 2015年に米国防長官アシュトン・カーターがこの話をまとめたものである。

 豪州軍はこのたび、「LCM-1E」揚陸艇で、63トンのエイブラムズ戦車を運んで砂浜に上陸させる実験を成功させた。場所はノースクインズランドのコーリービーチ。

 洋上で、LHDの『キャンベラ』および、LPDの『Choules』〔なんて発音するんだコレ?〕からLCMを発進させた。

 いずれも、艦尾のウェルドック内にて、本船からLCMに戦車を載せる作業を実行した。

 豪州陸軍はM1A2のSEPv3も有している。

 豪州軍の保有するLCM-1Eはスペインのナヴァンティア社製。このLCMの空荷自重は56トンで、120トンまで浮かんでいられるから、差分の64トン以内の戦車なら、積載できるわけだ。

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 Jakub Palowski 記者による2021-6-21記事「UAVs need to Cooperate with Other Systems. Artillery and Electronic Warfare are Key [INTERVIEW]」。
   ポーランド軍に関するインタビュー記事。

 ナゴルノカラバフでTB2が活躍できたのは、単体の戦果ではなく、電子戦力や、地上(ロケット)砲兵との連携の賜物である。
 とうぜん、それらのあいだの通信が確立していなかったなら、話にならなかった。

 トルコはルーマニアのために「E-7T」早期警戒機を4月から飛ばしてやっているし、NATOとの関係は良い。

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 Gemma Conroy and Anna Salleh 記者による記事「Coronavirus epidemic broke out in East Asia around 25,000 years ago, gene study shows」。
    豪州と米国の科学者チームはつきとめた。2万5000年前に東アジアでコロナウイルスのアウトブレークがあり、その流行は2万年も継続した。その痕跡は東アジアの人々の遺伝子に残っていると。

 遺伝子は年輪と同じで大昔のイベントの「傷」をとどめている。
 さいきんわかったこと。5万年前のネアンデルタール人の遺伝子をうけついでいる人々は、新コロに罹ると重症化しやすい。

 ベトナム人、シナ人、日本人の遺伝子には、5000~25000年前にコロナにやられた痕跡がある。他地域の人々の遺伝子には、その痕跡はみつからない。