グァム島に計画する地ージスは、南部の山地に地下化する構想という。

 しかしレーダーだけは地下化のしようがなく、敵の特攻UAVスウォームの的にされるので、車載機動化するという。

 だが車載化してもナゴルノカラバフのロシア製SAM車両と同じで、自爆無人機からはとうてい逃れられない。どうしようもないだろう。

 そもそも非放物線弾道の対地攻撃用弾道弾が実用化されつつある今日、ミッドコース迎撃のコンセプト自体が終了しているのだ。したがってこれを艦載に戻したところで、一層のカネの無駄になるだけ。

 アンダーセン基地の場合、狙われる場所はさいしょから局限(島の北端)されているのだから、ミッドコース迎撃など考えず、ターミナルフェイズ迎撃だけ考えるのが、合理的であろう。

 次。
 ストラテジーペイジの2021-6-26記事。
   先の十日戦争で、ハマスは多数のUAVを放ったが、そのうち6機だけが、イスラエル軍の近くまで迫ってきた(他は勝手に故障してガザ地区内に墜落)。
 イスラエル軍はその6機のすべてを撃墜した。

 4機は、アイアンドームで撃墜した。1機は、空対空ミサイルで撃墜した。残る1機については、撃墜方法は秘密にされている。

 クォッドコプター対策用のAUD(=アンチUAVディフェンス手段)として注目されているのが「AeroScope」という、書類鞄サイズのUAV発見器。
 この仕組みだが、DJI製品だけにターゲットを絞っている。というか、発見器のメーカーがDJIなのだ。

 じつはすべてのDJI製品には、そのクオッドコプターを操縦している人と通信リンクするためのマイクロチップが必ず組み込まれていて、そこから無線信号が発せられている。その信号には、クォッドコプターを所有し操縦している人の登録番号も入っている。その番号で誰が登録しているかは、DJI社にはまるわかりなわけ。

 「アエロスコープ」の箱からは2本の小さいアンテナが出ている。これによってDJI製ドローンが発している独特の無線信号を捉える。だいたい5km先から探知ができる。

 受信すると、すぐに、そのクォッドコプターを操縦している人物の情報が、登録番号を頼りに、取得できてしまう。それはモニターに示される。また、その信号じたいの中に、機体の現在の3D座標情報、速度、移動方向情報、どこから離陸したか(リンクが切れたとき自動で戻って行く座標)が含まれているのである。

 次。
 Al-Monitor Staff による2021-6-24記事「US-made drones downed over Yemen weren’t military’s, CENTCOM says」。
    イエメンのマリブ市の近くでフーシが米軍の無人機を2機、撃墜したと騒いでいるが、米軍セントコムは、その機体はウチの所属ではないと否定した。
 ではこの機体はどこの所属なのか?

 公表された機体は2機とも、スキャンイーグルである。メーカーはボーイングの子会社のInsitu。

 マリブを今、占領しているのは、サウジが後援しているゲリラである。そこをフーシが攻めている。
 しかしセントコムいわく。われわれはマリブにISRを送っていない、と。

 となるとこのドローンは、CIAが運用しているものだと推定するしかない。

 フーシは過去、リーパーを2機(2019年)、スキャンイーグルを1機(2020-11)、撃墜している。
 スキャンイーグルは1機が300万ドルである。低空を20時間偵察できる。

 イランはグローバルホークを2019年にホルムズ海峡で撃墜している。
 またイランは2012にスキャンイーグルを鹵獲し、それをリバースエンジニアリングしたと主張。ただし米海軍は、スキャンイーグルを1機も喪失していないと反論。

 次。
 Drew Harwell 記者による2021-6-26記事「Chinese surveillance firm builds influence in Washington, with help from former members of Congress」。
    かつてコネチカット州から選出された民主党所属の連邦下院議員のアンソニー・モフェット。中共にとりこまれて中共のロビーストに成り果てた。

 モフェットは8年間議席を維持し、1983に議員を辞めた。今はDCで大きな広告代理店に勤務している。

 モフェットが擁護しているのは、中共の監視カメラメーカー大手の「Hikvision」社の米国支社。この本社はウイグル人強制収用所の警備システムに協力している企業として米国政府の制裁対象である。

 ルイジアナ州選出の共和党系の上院議員であったデイヴィッド・ヴィッターも、お仲間である。

 バイデン政権は今月、米国人が投資してはならない中共企業――いずれも中共軍と密接な関係あり――のリストを定めている。

 モフェットは、同じコネティカット選出の現役の民主党系上院議員、リチャード・ブルメンソールに2000ドル寄付していることも、公開情報から分かるので、ツイッターが騒いだ。ブルメンソール事務所によれば、このカネは返したという。

 Hikvision社製の監視カメラや、人体体温測定センサーは、米国の学校にかなり売られている。
 NYCだけで同社製のカメラはすでに2万台設置されているという。

 連邦政府は2018に、同社の製品を連邦の官公署が調達してはならないとした。
 また2019には同社をブラックリストに登載し、2020以後、米国企業を買収できなくしている。
 さらにバイデン政権は今月、シンセン証券取引所に上場されている同社の株を米国人が買ってはいけないと命じた。

 同社製品を米国内の個人がインターネットで買うことは今でも合法的に可能である。メーカーでは違うブランドを使うことによって、正体を隠している。

 モフェットは、2008の大統領キャンペーンでバイデンのアドバイザーになった。そしてそれをきっかけに、民主党系の下院議員候補者のための選挙参謀を請け負っている。