マジリカ

 J.P. Lawrence 記者による2021-7-1記事「US military shifts Army basing from Qatar to Jordan in move that could provide leverage against Iran」。
    米陸軍はカタール内の3箇所に、自軍用の弾薬デポやスポーツレジャー施設(兵隊に4日の休暇をそこでとらせる。2002~2011)などを維持していたのだが、それらを6月をもって閉鎖し、ヨルダンに移転させた。
 背景の理由。来たるイランとの戦争を考えたとき、カタールでは近すぎてよくないから。
 イランは地対地ミサイルを充実させているので。

 アフガニスタンに米軍が進駐していた間は、そこから距離の近いカタールには中継拠点の意味があった。しかしアフガンからはもう撤収する。

 これと前後して、米陸軍は、中東から8個のペトリ大隊も引き揚げる。それらは、イラク、クウェート、ヨルダン、サウジに展開させていたのだが、対中共の戦争のために転用する。

 ただし、セントコムの航空部隊は、カタールのアルウデイド航空基地を、引き続き、使用する。

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 BRIAN SLODYSKO and STEPHEN GROVES 記者による2021-7-1記事「$1M for South Dakota National Guard deployment draws attention to big-dollar donor influence」。
    産廃業者として巨富を成したウィリス・ジョンソン(74)はサウスダコタ州民ではないが、共和党支持者。そしてサウスダコタ州知事のクリスティ・ノエム(共和党、♀)は、2024の次期大統領選を窺えるポジションにある。
 ※相手がカマラだったらおそらく勝てるルックスを持っている。上背もあり。

 このたびジョンソンは、もしノエルがメキシコ国境にSD州兵〔50人ほど〕を送りたいなら、オレが100万ドル寄付するが、どうだ、と申し出た。それは知事によって受け入れられた。

 しかし、他州の民間の1個人の政治的願望をこのような形で州兵の作戦に反映させることは合法なのだろうか? どうやら、合法であるらしい。

 知事のスポークスマンいわく。この寄付金は州の〔天災などの〕非常事態用の備蓄ファンドに保管される、と。

 とうぜんながら州内から異論あり。過去の大口寄付は、ステイト・フェアのイベントなどに使われているのだ。それらとはぜんぜん、性格が違う。州兵を傭兵にするのか、と。

 アーカンソー、フロリダ、ネブラスカ、アイオワの知事(いずれも共和党員)は州の警察官をメキシコ国境への応援に出している。
 テキサス州知事のアボット知事による「応援を寄越してくれ」という要請に、サウスダコタ州も応えるべきだというのが、ジョンソンの思想である。

 ジョンソンはオクラホマ生まれ。若いときにベトナムに従軍した。
 加州で産廃事業を拡大し、いまでは地球規模に商売するまでに……。現住所はコロラド州ナッシュヴィル。

 ジョンソンは過去10年にすくなくも230万ドルを共和党の国政選挙のために寄付している。そのうち、トランプ個人に対しては90万ドル。

 自伝によるとジョンソンは、自身が連邦政府高官となる望みはない。バックステージで満足だ。

 じつはテキサス州とSD州のあいだには、州間条約が取り結ばれており、緊急時には互いに州兵を貸すことになっている。だからノエムがアボットに請われて州兵を派遣するのはまったく合法。

 派兵されたSD州兵は、現地ではアボット知事の指揮下に入るのである。

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 Liu Zhen 記者による2021-7-1記事「India’s latest Agni-P missile no great threat to China: experts」。
    インドは月曜日にベンガル湾のアブドゥル・カラム島から、新型の中距離弾道ミサイル「アグニP」を試射した。

 インドによると、これは核弾頭も搭載できるが、中共の「東風21D」と同じ、対空母用の弾道弾の仕事をするものだという。しかし試射では洋上標的は使われなかった。

 「アグニP」の射程は1000~2000km。「アグニ3」の半分の大きさで、車載機動式。
 この射程だと、北京にも上海にも届かない。だから、専ら、対空母用なのだという。

 インドはすでに、射程8000kmの「アグニ5」弾道弾によって、中共全土を核攻撃できる立場にある。

 中共が、対空母用の弾道弾だと言っているものには二つある。「東風26B」と「東風21D」だ。
 21のほうは1800km飛び、26のほうは5000kmだと吹かしている。

 ※どれもただの一回も、洋上の船舶標的に命中させたことはない。繋留模型にすら当てたことはない。インドと中共が互いにありもしない「対艦弾道弾」を誇るの図。